ロッソでの戦い
白沢「ここがロッソ法国か」
アインス「ここは魔法に力を注いでいる。更に魔法の技術も発達して、魔法力随一の力を保有しているわ」
今日は白沢とアインスを連れて、ロッソ法国に来ていた。ロッソ法国はアインスの言う通り、冒険者より魔法使いが多い程魔法の技術が発達し、宗教国家でもある。その為か、街には僧侶や魔法使いをよく見かける。この国は国王ではなく、神官が仕切っている。その為か神の教えに従い、神の命令と言って犠牲も厭わない、恐ろしい国家でもある。
黒季「今日はやけに賑やかだね」
アインス「これから戦争らしいわ。相手は西にある同じ魔法国家らしいわ」
白沢「西にもあるんだ。今度、そこにも行こうよっ!!」
アインス「ここに来た目的、分かってる?」
白沢「も、もちろんよっ!!ちゃんと仕事しますから!!」
この3人、プラチナキラーがこの国に現れるという情報を得て、潜入捜査をしているのだ。しかし、あまりの人集りにそれらしき人物が見つけられず、時間が経過する事にさらに増えている。もし、殺すチャンスがあるとすれば、多分今だろう。問題はいつ現れるか。
ジャラゴン「そう言えば、他のみんなは?」
黒季「ちょっとね。潜入組と捜査組で行動している」
ケンちゃん「効率よく探すには、二手に別れて情報を提供し合う方が早いと思いまして」
ジャラゴン「あ、なるほど」
やがて民衆はある方向へ歩いて行った。そこは大聖堂で"オーハーイーオ大聖堂"と呼ばれる建物だ。そこから顔を出しているのは大神官で、その後ろに大臣、議員、魔法騎士などが並んでいる。大神官は兵士と民衆に演説をしていると、それを聞こうと民衆は耳を傾ける。影響力が違うな。
ケンちゃん「ん?なんか空に何か飛んでますよ?」
その時、ケンちゃんが何かに気づいたようだ。ふと空を見た瞬間、気づいたようだ。それを聞いた黒季達も空を見上げてみると、確かに煙を出しながら大聖堂に向かっている何かが映った。でも空高く飛んでいるせいか、それとも大神官の演説に夢中になっているのか、みんなそれに気づいていなかった。もしかするとと思い、魔力の流出を見抜く双眼鏡で見てみた。そこに映っていたのは、全身白金でコーティングされた鎧にグライダー、まさに見た事ある物が映っていた。
黒季「やばい、来た」
ジャラゴン「はへっ!?」
白沢「な、何がっ!?」
アインス「ハピーロはどこにあるの!?」
黒季「恐らくハピーロの本拠地はあの大聖堂だっ!!」
その頃、大神官がバルコニーで演説している最中、ある大臣が気づいた。空から何かがこっちに向かっている事に。
大臣「何だ、あれは?」
その一言でバルコニーにいた人は皆気づいた。それは大神官も同じで演説を止めて、空を見上げた。演説を途中で辞め大神官を見て、民衆や騎士達も空を見た。ようやく、何か飛んでいる事に気づいた。民衆達は何かの演出かと思い、大喜びだった。しかし、バルコニーにいた人は喜びではなく、何かに驚いた様子だった。その後、グライダーは何もする事なく空を飛び、やがて大聖堂を一周した時に、事態は大きく急変した。突如、何かを投げ始めた。それは球体状の物で壁にぶつかった瞬間、ドガーンッ!!大爆発をした。それに気づいたバルコニーにいた人、民衆や騎士達は驚き、慌てふためいた。この場は一瞬にして地獄と化してしまった。
大神官「な、何なんだっ!?」
大臣「ぐはっ!?く、崩れるではないかっ!?」
神官「神よっ!?」
バルコニーの下の部分が爆発したせいか、バルコニーは床にヒビが生じ、崩れ始めた。やがて爆弾を2、3個今度は大聖堂の壁やステンドグラスに投げつけ、爆発させ、その後バルコニーに現れた。それを見た大神官達は驚きの顔を隠せなかった。襲撃犯の正体、それはプラチナキラーだったからだ。
プラチナキラー「大神官、私達の荷を横流しし、他の組織に高く売りつけた事により、アートルム様の命により処罰します」
大神官「馬鹿なっ!?何の為に貴様らと取引したか分かっているのかっ!?我々はこの国を強力国家にする為にやってるんだっ!!その為には貴様らの力が必要不可欠だから取引したんだ!!」
プラチナキラー「その為に、私達の荷を・・・」
大神官「何をするにも金が必要だっ!!金が無ければ何も始まらないっ!!貴様らのいいなりになんぞ、誰がなる者かっ!?いずれ貴様らを出し抜き、我々が世界を牛耳るのだーっ!!」
プラチナキラー「・・・では、死んでください」
プラチナキラーはグライダーから爆弾を取り出して、それをバルコニーに投げつけた。ただでさえ威力が大きい爆弾を人間相手に投げつければ、どうなるかは予想がつく。ピピピピと鳴る時限爆弾は爆発し、バルコニーにいた人達全員を爆死させた。
プラチナキラー「これで終わり」
民衆「だ、大神官様っ!?」
さっきのやり取りを一部始終見ていた民衆達は驚き始めた。大神官達がいるバルコニーが爆発し、大聖堂が崩れ始めている。そのせいか民衆はざわざわと騒ぎ始め、騎士達が出動し始めた。プラチナキラーのいる場所まで大聖堂を登りに行くも、プラチナキラーの投げた爆弾によって崩壊し始め、瓦礫が落ちていくので中々辿り着けなかった。
プラチナキラー「あとはノワールを始末するだけ」
ノワール「僕が何だって?」
プラチナキラー「!!!」
突然、後ろから話しかけられてプラチナキラーはふと振り向くと、そこには紫色の翼の生えたモンスターに乗ったノワールの姿がいた。紫色のモンスターは唸り声を出して、プラチナキラーを警戒している。名前はマガツワイバーン。もちろんオリジナルモンスター。
プラチナキラー「あの時以来ね」
ノワール「僕に会いたがっているんだってね。今日は君と同じ乗り物ならぬ生き物に乗ってやってきた」
プラチナキラー「乗り物に乗ってれば互角に戦えると?」
プラチナキラーはすぐさまグライダーから爆弾を取り出して、ノワール目掛けて投げ出した。それを察知したのか、ノワールも何かを投げて来た。お互い素早く飛び、やがて爆弾とぶつかった。
ノワール「ジャラゴン、悪いね」
ジャラゴン「悪いなら、投げないで欲しかった・・・」
投げたのはジャラゴンだった。ジャラゴンなら爆弾にも耐えられるし、大丈夫かと思い投げた。その後
ぶつかった衝撃で爆発し、お互い距離を取った。ジャラゴンはあらかじめ防弾紐をつけておいたから、引っ張って回収した。
ジャラゴン「我を大切にしてーっ!!!」
ノワール「・・・ごめんなさい」
ノワールがよそ見をしている時に前からグライダーが現れ、グライダーから何か撃って来た。グライダーにはマシンガンが搭載しており、任意で撃てるようだ。そのせいか、マガツワイバーンに命中してしまい、マガツワイバーンはカードに戻った。空飛ぶものを失ったノワールは真っ逆様に落ち始めた。落ちていくノワールを追うプラチナキラー。もはやロッソ法国はカオス状態になっていた。
プラチナキラー「これでおしまい」
ノワール「とはいかない」
プラチナキラー「!!!」
ノワールは腕からスライムを伸ばして、グライダーにくっつけた。そのままグライダーを引っ張り、プラチナキラーとグライダーを離れさせ、プラチナキラーは料理や酒が乗った机目掛けて落ちていった。ノワールは懐からケンちゃんを取り出し、両手をケンちゃんに掴んだ。ケンちゃんは普段宙に浮いているので、その性質を利用して、パラシュート代わりやビルからビルへ飛ぶ事は可能だ。
ケンちゃん「ふぅ・・・さっきは怖かったですよ」
ジャラゴン「我は爆弾にぶつかったけどね」
ノワール「来たか」
2人が会話している最中にプラチナキラーがやってきた。ご自慢の鎧のおかげで無傷だったようだ。今度は刀を手に取っており、鞘を抜いた。
ノワール「我に刃を見せるとは、いい覚悟だな」
プラチナキラー「あなたを抹殺します。この命に変えてでも」
ノワールは両手からバールを取り出した。プラチナキラーと戦うにはこれで十分だからだ。
プラチナキラー「何故それを?それで勝てると?」
ノワール「君にはこれかなってね」
プラチナキラー「その言葉、高くつきます」
プラチナキラーから動き出した。刀を構えた彼女はまさに暗殺者の名に相応しく、相手の急所を責め続けた。それに対しノワールも攻撃を交わしつつ、バールで刀の刃先を捕まえて見事に避けた。その頃、周りでは刀から出た衝撃波で机や壁、街灯など真っ二つに分かれ、人々は更にパニック状態になった。やがて刀では埒が開かないと感じたのか、刀を空へ投げ出した。恐らく、刀が降って来た所を斬りつける作戦だろう。
プラチナキラー「うおぉぉぉーっ!!!」
プラチナキラーは刀を投げ出した後、ノワール目掛けて殴りに来た。刀が落ちているくるまでの時間稼ぎだろう。しかし、ノワールは逃さなかった。プラチナキラーの拳を受け止め、そのまま腹にパンチした。プラチナキラーは少し飛ばされて、刀もスライムを出して防いだ。刀はそのまま地面に落ち、プラチナキラーはグライダーを呼び寄せた。刀を回収した後、再びマシンガンで攻撃し始めた。マシンガン程度なら全ての弾を弾き返す事は可能だが、今度はミサイルも放った。追尾型のミサイルでノワールが何処にいてもミサイルは追いかけてくる。やがて大聖堂の壁まで近づき、ミサイルも近づいてきた瞬間を狙って、見事上にかわしてミサイルの追跡を逃れた。ミサイルはそのまま壁と衝突し、爆発した。もはや、大聖堂周辺では爆発と降ってくる瓦礫、騒ぐ民衆で溢れかえってパニック状態になっていた。
ジャラゴン「このままじゃ、パニックが収まらんぞ!!一体どうするんだ?!」
ケンちゃん「あまり時間もありません!!ノワール!!」
ノワール「く、ここは危ないか」
ノワールは再びスライムを伸ばしてバルコニーの所まで行った。バルコニーは徐々に足場が崩れていき、立っていられるのも無理な状況になっていた。しかし、ここでしか倒せないと思い、この場所にしたのだ。案の定、プラチナキラーはグライダーに乗りながらやってきた。計算通りだ!!
プラチナキラー「こんな危ない場所でどうする気?」
ノワール「さっきの続きだ」
するとプラチナキラーはすぐさまマシンガンを出して撃ち始めた。狙いは僕と足場。足場を悪くさせて、転落させるつもりだろう。しかし、僕はまたスライムを天使の像がある部分まで伸ばした。そのまま引っ張られるように上がっていき、このまま上まで行こうとした。
プラチナキラー「何しようとするかは分からないけど、ここで終わらせる」
しかし、すぐさまプラチナキラーの邪魔が入られた。プラチナキラーはグライダーごと僕の体に突っ込んだ。体は大聖堂のステンドグラスに当たり、ステンドグラスの一部が割るほどの勢いがあった。プラチナキラーはグライダーから降りて、ステンドグラスの枠に足を乗せて、僕の頭を目一杯叩きつけた。攻撃パターンはめちゃくちゃだが、プラチナキラーは頭に血が上って冷静ではいられなくなっている。このままやられても次に進めない為、ノワールはプラチナキラーを振り切って、再び足場の悪いバルコニーへ着地した。時間の経過と共に足場は更に悪くなり、ヒビも生じ、どんどん崩れていく状況だった。プラチナキラーは再びグライダーに乗り、ノワールを追い詰めた。
プラチナキラー「ここまでね」
ノワール「それはどうかな?」
プラチナキラー「何?」
ノワール「油断したら危ないって事だよ」
ノワールは手からスライムを放出させ、プラチナキラーのマスクに当てた。マスクはスライムにより視界を失い、前が見えない状況になった。その隙にノワールはグライダーの下に行き、下からグライダー目掛けてパンチした。そして、グライダーから何かしらの部品を幾つか剥ぎ取った。その後、グライダーはコントロールを失い、黒い煙を出しながらどこかへ飛んで行った。
プラチナキラー「ば、馬鹿なっ!?覚えていろーっ!!!」
ノワール「あいつ、結局何しに来たんだろう?」
ジャラゴン「さあ?知らない」
ケンちゃん「そろそろ私達も撤退しますか」
ノワール「そうだな、ここにいたら瓦礫と一緒に落ちちゃうからな」
ノワール達も崩れる大聖堂から他の建物に飛び移った。大聖堂は崩壊を続けて、やがて上層部部分は呆気なく崩壊し、もはや大聖堂であるかすら分からない建物になった。しかし、これにてノワールとプラチナキラーの戦いはノワールの勝ちで終わった。しかし、この2人が大聖堂を壊した事実は変わりなく、法国内では危険人物として扱われるだろう。それと法国内の闇組織も暴かれるであろう。まあ、やってしまった事は仕方がない。
ノワール「あいつらもそろそろ終わる頃かな」
ノワールは黒季に戻って、大聖堂のある場所へ向かった。




