ありふれた仲間で異世界最強
「本当のことを話そう」
彼女たちを治癒し、施設から出た後、僕は全てを話すことにした。僕がほかの世界から来た事。人間じゃないこと。能力のこと。ジャラゴンのこと。【暗黒の魔城】のこと。そして、そこにいる仲間のことも全部話した。
「まさか、あなたがほかの世界から来てたなんて」
まあ、驚くはな。彼女たちはどよめき始めた。うん、あれほどの戦いですごいものを見てしまったからな。もしかすると、僕の元を離れていくかもしれない。そうなったら、全てがパーだ。どうしたもんかと考えていると、アインスは
「それでも私は付いていく。私を救ってくれたから。それに敵はまだ世界中に散らばっているは」
ツヴァイも
「私も付いて行きます」
ドリィも
「私もお願いします」
フィアも
「アティスも付いて行く」
フェリカも
「私を連れてってください」
ゼクスも
「僕も協力する」
ジーナも
「私もご協力させてください」
アハトも
「私ならきっとお役に立てます」
ノインも
「どこまでも連れてって」
ティーナも
「付いて行く」
と言ってきた。
「みんな付いて行くのか。いいだろう。付いてこい」
よかった。これで仲間の元に自信持って帰れる。早速帰る準備をしよう。そういえば、あの施設には、財宝、美術品、食料、囚われている人がおったな。
「お土産に持って帰るか。」
中にある物全て持ち去って、施設を破壊した。廃墟に全部持ってきた後、僕は創造術の力を使って黒い緞帳を作ることに成功した。あとは出口がちゃんと繋がってるか。試しに入ってみると、そこは荒れ果てた大地に大きな城があった。成功だ!僕はみんなとお土産を持って帰った。城に入ると、仲間や眷属達が一斉に迎えに来てくれた。
「ノワール様だ!無事戻ってこられたぞ!」
「ばんざーい!ばんざーい!」
みんなはしゃいだり、歓迎してくれた。ファザー、マザー、エリュシオン、イザナギ、モルドレッドもやって来て
「無事に帰って来て良かった!」
「全く、心配したのよ!どこにいってたの?」
「おかえりなさいませ、ノワール様。ところで後ろの彼女たちとそれは何ですか?」
と指摘した。
僕は
「彼女たちは僕の仲間。これはお土産」
と言った。すると、
「なんと!仲間とお土産を持って帰ってきてくれたのですか!」
「やはりノワール様は約束を破ったりしない!素晴らしい!」
イザナギとモルドレッドが僕を褒め称えた。そういや、あの時の約束覚えていたんだ。そう思いつつ、彼女たちに仲間を紹介し、みんなを部屋に連れてきた。剣を床に刺して、椅子に座ると
「諸君、色々と心配をかけてすまなかったな。数か月も帰ってこれなかったからな。だが、我はっここに戻ってきた。そして、素晴らしい仲間を連れて帰ってきた。彼女たちだ。我の右腕だ。そして、我らの組織の名前も決まった。それは【ノワールファミリア】だ」
おおっ!!とみんなが歓喜をあげる。今回、この旅で学んだことが二つある。一つ目はこの世界やほかの世界にも強敵がおるということだ。それが秘密結社【グレゴリー】かは分からない。ただ、その強敵がもしここを攻めて来たら、間違いなく僕以外全員死ぬ。だから、みんなにはもっと強くなってもらわないといけない。となると、力を与えるべきか。でも、どうやって与えようか?あっ、黒い緞帳が創造術で作れたから、力も作ればいい。二つ目は、もっと仲間を集めることだ。もし仲間が強くなっても、強敵が大人数で来たら勝算が低くなる。となると、もっと仲間を集めて力を与えれば、もっと強くなれるかもしれない。でも、どうやって集めようか?いくら仲間を集めるったって大変だし、拒否られる可能性はある。やっぱり、ルシカみたいに奴隷を集めたほうがいいかな。奴隷を拾えば、感謝して仲間になってくれるかもしれない。そういえば、あの施設の奴隷も全員女の子だったなぁ。
「しかし、我らの行く手を阻む者がおる。それは秘密結社【グレゴリー】だ!奴らは全世界を支配しようと考えている。奴らは世界中に散らばっており、奴隷と各国の機密情報を盗んで敵対国に売っている。奴らはそうやって世界中を牛耳ろうとしているのだ。そこで、お前達にワープ能力を与える」
再び歓喜が上がって、辺りは熱気で包まれていた。僕は僕なりに仲間を集めよう。
「くそ、まさかあんな相手に負けるとは」
「あれはしゃーないで。ちと危険すぎたんや」
とある部屋でブラッドがベッドで横になっていた。体中包帯で巻かれていて、いかにすごい戦いだったかを知ることが出来る。隣でカメルが点滴袋を交換している。中身はもちろん血だ。交換し終えると、椅子に座った。
「まあ、お疲れさんだわ。こんなに血ぃ減るなんて珍しいな。相手は一体だれや?」
「確かノワールとかいってたな。ノワールファミリアって組織はあの部屋でモニター越しで聞いたから分かったけど」
「ノワール?聞いたことねぇな。ノワールファミリアってのも噂程度でしか聞いたことがないがな」
「ああ、今までの相手とは何か違う。奴は俺の攻撃が効かなかった。それに奴ら魔神のことも知ってた」
「なんやて!まじか!あいつら、知っとるのか。あれはまだごく一部の者しか知らんのに!」
カメルは驚いて、椅子からすっころげた。その後、態勢を立て直して
「まあでも、一番驚いたのは、冷静沈着でほぼ無表情なお前があんなに興奮したことかな」
「あれはどうもアドレナリンがたくさん分泌してしまったからな。私も正直驚いている」
「お前の最強技『八岐大血』を喰らってその後の空から落ちてくるあれ、とってもすごかったなぁ」
「お前、一部始終見ていたのか。ふざけやがって」
「わりぃわりぃ。遅かったからつい見てしもうたんや」
「全く、でもお前がいなかったら俺は死んでたかもな。ありがとな」
「そやろ、もっと褒めてもええで」
「お前は褒めると調子に乗るから嫌なんだ」
ブラッドはベッドで寝ながら、つぶやいいた。
「だが、あいつはスライムって言ってた。モンスターましてやスライムが人型になるなんて聞いたことがないぞ」
「うちも知らんわぁ。それに死んでも復活するわぁ、攻撃が効かんわぁ。なんでもありやな」
「まあ、これはこれで勉強になった。どんな相手にも警戒するってことだな」
「嘘っ!?ブラッドはんが真面目なこと言うてる。なんか、気持ち悪っ!」
「貴様、回復したら今度はお前の血を吸うぞ」
「悪かったって。まあでも、勉強になったのはえらいことや。みんな勉強して強くなるからな」
「こんな情けない姿、仲間や部下に見せられないな。お前だから言ったんだ」
「わかっとる。お前が人前で我慢してるのも、陰で強くなってるのも知っちょる。ただ、自分の中だけで解決しようとするのはだめで。誰かに相談しぃな。うちでもいいから」
「ありがとう。なんか話すと少しだけ楽になった。やはり、お前はいい友だ。カメル」
「いいっていいって。うちと君のなかや。今日はゆっくり休めよ」
「わかった。少しだけ休むよ」
そういって、カメルは電気を消して部屋を出た。