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新たな商売の始まり

 翌日、家の近くから氷山が監視していた。電柱、ポスト、看板の陰からこっそり見ていた。明らかに不審者だ。とはいえ、ここで厄介ごとに巻き込まれるのは嫌だ。何なら、早く何処かに行ってほしい。同じ学校だから、一生付いていく気だ。


黒季「ねえ、いい加減にやめてほしいんだけど・・・」


ジャラゴン「あれは・・・面倒くさい女子だな」


ケンちゃん「面倒くさいというか、ヤンデレみたいになったり・・・」


最悪な事を言わないで。大体、あのコスプレの写真を撮っただけで、その後どうしろというんだ。なんかコスプレイヤーが苦手になってくるぞ。


氷山「じー・・・」


勘弁してほしいです。それは電車に乗っても同じだ。遠くから見ている。ようやく学校に着くも、同じクラスだからか一緒に入り、席に座ってもこっちを見ている。早くやめてくれないかな〜。すると、そんな様子を見た宝華が話しかけてきた。


宝華「あんた、どうしたの?そんな暗い顔して」


黒季「宝華、助けてつかぁさい」


宝華「はい?」


黒季「助けてぇやー!!」


宝華「いやなんで?」


宝華の前では弱音は吐きたくなかったが、事情が事情なのでしおしおになってしまった。その日もずっと監視させられたというのは言うまでもなかった。放課後もずっとつけられる気配を感じたので、我慢の限界に達したのか体をスライム状にして素早く逃げた。一方で急に消えた事に気づいた氷山は急いで追いかけるも、もうそこに黒季の姿はなく見失った。


氷山「嘘・・・何処?」


その後、氷山から逃げきれた黒季は旧校舎に入った。実は今日、ゴーストから連絡が入り、あの時逃したシーカー・メレーオンとエレキ・ソンを見つけたというのだ。すぐさま召集のメッセージを送って放課後、みんなを旧校舎に集合させたのだ。もう僕以外全員来ていて、みんな椅子に座ってお菓子やジュースを飲んでいた。


赤城「ちょっと、遅かったじゃない!!」


黒季「悪いね。厄介なものが僕に取り憑こうとしていたから」


赤城「はい?」


白沢「黒季君、そろそろ本題に入るわよ」


白沢がそう仕切ると、僕は椅子に座った。すると白沢は地図を広げて、僕は赤ペンである場所に丸をした。


黒季「今日、ゴースト達から情報をもらった。場所はここだ」


秋穂「ここって、山の中!?」


黒季「もう何十年も使われてない工場がこの山にある。まさに格好のいい隠れ家だ」


夏菜「どうするの?もう責める?」


黒季「もちろんだ」


白沢「じゃあ決まりね!!」


どうやら満場一致のようだった。みんなポケットからアイマスクを取り出し、顔につけた。するとそこから黒い何かが出てきて、全身に覆い被さった。次第に顔が見え始め、服は制服から黒衣装に変わった。実はアイマスクにスライムスーツを隠して、顔につける事でスライムスーツを着装する仕組みを作ったのだ。黒季と白沢は黒と白で色違いのドミノマスク、宝華は髑髏の形をした鉄仮面、赤城は猫の形をした赤い仮面、灰川は黒く無骨な鉄仮面、オリヴィアはゴーグル型マスク、春香は蝶の形のマスカレードマスク、夏菜は黒いアイマスク、秋穂は狐面をつけている。ここから目的地までそう遠くない為、黒い緞帳(ブラックカーテン)を使わずに行こうと扉を開けようとした時、突然扉が開いた。一体誰がきたんだ!?みんな警戒しながら武器を構えると、中からはあの氷山だったのだ。


ノワール「・・・え?」


氷山「わ、す、すごい・・・何これ、何かのコスプレ・・・?」


この場は一瞬固まってしまった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


シーカー・メレーオン「何故貴様らが来ている?」


エレキ・ソン「ちょっと!?相手はあの方達ですよ!!」


その頃、山の中にある廃工場を拠点にしているシーカー・メレーオン達。そこに意外な来客が来たのだ。


青紫「あー、手短に済ませるつもりたまから気にしないで」


琥珀「貴様らと戦うつもりはない」


青紫と琥珀、ブルトシュバインだった。何故彼女達が来ていたのか、それはシーカー・メレーオン達と手を組む為だったのだ。ちょうど地球を拠点にしているカオスがいると言う噂を聞きつけ、わざわざ地球にまで来たのだ。


青紫「君達、まだ奴隷を売っているの?古臭いから辞めたら?」


シーカー・メレーオン「何!?俺達のやり方に文句言いに来たのか!?」


青紫「違うよ。今日は新たなビジネスを始めるつもりだから、君達に協力してほしいんだよ」


そう言って、トランクケースから液体の入った試験管を取り出したり鮮やかな色から濃く不気味な色まであった。これを見た瞬間、シーカーはある事を思い出した。それはまだ自分が一般のカオスだった頃だった。謎の人物により研究室に連れ込まれたのだ。そこで見たのはベッドで苦しんでいるカオス兵。何かの薬を投与されたのが、体の一部が鮮やかになっていた。するとある人物が入って、冷却装置であろうものから薬品を一本取り出して、専用の注射器にセットした。全身に麻酔を入れられてたので、誰の声かは分からなかった。そしてその瞬間は来た。謎の人物は右腕を掴み、注射器の針を刺した。引き金を引くと液体は全身に流れていき、血管の中にドクドクと入っていった。自分もあいつらみたいに苦しむのか、そう感じ死を覚悟した。やがて全て投与されると、針を抜きパソコンの前に行き始めた。そこで操作している場面を見ているうちに気を失ってしまい、目が覚めた時にはある病室のベッドに寝ていた。腕には何もつけていなく、拘束具もない。ベッドから起きてみると普通に立つ事は出来たが、体が突然疼き始めた。やがて体は液体状になりこのまま死ねのかと思った時、突然吹き出して体が軽くなってきた。一瞬何が起こったかは分からなかったが、鏡を見て驚いた。なんとカオス兵の姿ではなかったからだ。これが自分なのか、一瞬戸惑うもすぐに状況を理解した。これは進化だと言うことに。


???「気が付いたかい?気分はどうだい?」


すると何処からか声が聞こえ始めた。声の主の方を見ると、そこにはアートルムの姿がいたのだ。何故ここにいるのか、何故こんな姿なのか全て話してくれた。どうやらポワソンの能力で奪った能力を液体化させ、カオスに投与させていたのだ。もっと力をつけさせる為にありとあらゆる能力者の能力を奪い、カオスに能力を移植させる実験をしていたようだ。しかし、全てが上手くいく訳ではなかった。能力に適応出来た者は少なく、ほとんど発作状態になり最悪消滅するのだそうだ。自分は偶然能力に適応し、さらに進化も出来たと言う事だそうだ。


アートルム「君は運がいい。君は能力者になれた」


能力者・・・まさかとは思ったが、今は新しい力を手に入れた幸福感でいっぱいだった。死ぬかと思った自分が、まさかの形で生き残った。他のカオス兵とは違う、特別な存在になった。嬉しくて暴れ回った。


アートルム「喜んでくれて良かったよ。それより君に名前をつけよう。君の名は・・・」


青紫「おーい、もしもし?」


シーカー・メレーオン「・・・は、悪いな。それを売れと?」


青紫「まだ試行錯誤しないといけないから、今すぐではない。まあ、お試し品という形だ」


シーカー・メレーオン「なるほど。これはまた斬新な商売だな。まあ、顧客リストぐらいは作ってやる」


青紫「ほんとっ!!なんか楽しくなってきたよ!!じゃあ、詳細はまた後日伝えるから、それまでこれをとっておいてよ!!」


そう言うと青紫達は消えてしまった。この能力薬、人間に投与しても力を得るようだ。ただ、適応出来たらの話だ。人が能力を選ぶのではない、能力が人を選ぶ。まさに新時代の幕開けになってきたようだ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


氷山「あなた達はここを拠点にしてるコスプレイヤーなのですか?」


アスール「なんか違うんだよね〜。なんて言えば」


ブラン「うーん、とりあえず令和の必殺仕事人?」


ルージュ「適当すぎるでしょ!?」


みんなあれやこれやで答えを言い合っているが、なかなかいい言い訳が見つからなかった。というか、最悪なタイミングに入ってきたし。そもそも、なんでここに入ってきたんだ?


ヴィオレ「どうしてここに来たの?」


氷山「あ、さっき誰かがここに入るのを見かけて、私も入って来ました」


さっき入って来た?・・・あ、僕じゃ。見られおった。気づかれないように入って来たんだけどなー。なんかみんなこっちを睨んどるし。分かった、僕が何とかしよう。


ノワール「我々はノワールファミリー。闇を愛し、闇を支配する者。我はスライムの最上位種族"デス・スライム"!!」


それを聞いたブラン達は唖然とした。何その下手くそな紹介文。それではまるで私達おかしな連中だと思われるじゃない!!それにデス・スライムって何!?その場しのぎのセリフ感満載じゃないか!!よく自分で名乗れたな!!


氷山「な、なるほど。そう言う設定なんですね・・・。一体何のキャラだろう・・・」


ほら、肝心の彼女も何かのアニメキャラだと思ってる!!どうするのよ!!


ノワール「・・・時間がない。そろそろ行くぞ」


あ、話を逸らした。ノワールは黒い緞帳(ブラックカーテン)を出して、目的地まで移動した。確かにここは森の奥で人があまり近付かなそうな場所だ。隠れ家には最適だな。さらに明かりも月の光しかなく、辺りを見渡すと一面闇の世界だ。しかし、寧ろ自分にはこっちの世界には慣れてるから住みやすいけど。みんなもついてきてるし、後は工事に潜入・・・て氷山がいた。・・・いやなんで!?


氷山「さっきのなんですか!?急にあの部屋から外に変わったんですけど!?」


ヴェルデ「なんで着いてきちゃったの!?」


ブルーノ「マズイネ!!マタミラレタネ!!」


アスール「もういい加減にしろー!!!!」


暗い森の中でみんなの叫び声が響いた。恐怖ではなく、激怒状態で。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


葉月「ここが地球・・・。確かに我々の世界とほぼ同じだな」


カレント「でも魔力は感じない。魔法がないのかな?」


神奈月「とはいえ、カオスがいる事に変わりはないわ」


ドナ「観光したいけど、任務なら仕方がない〜」


白鳳「みなさん、任務が終わったら少し見ていきましょうよ!!」


その頃、マゼンタ第8部隊が地球にやってきた。目的はカオスの討伐とノワールファミリーの逮捕、そして謎の薬品の回収をしに来た。葉月は目的地がある森の中にみんなを連れて入って行った。


カレント「ねえ、やっぱ怖いから帰らない・・・?」


葉月「無理だ」


カレント「ですよねー」

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