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ノワールと謎のコスプレイヤー

 青紫「やばいね。私達、何の成果も出せてないじゃない」


 琥珀「貴様が無謀な作戦を立てるからだろ」


 青紫「なんだとー!?」


グレゴリー本部にて、青紫と琥珀、ブルトシュバインが話をしていた。最近、ノワールファミリーという邪魔な存在のせいで思うように動けないのだ。そのせいか、部下を失う羽目にもなった。このままではまずいと思い、3人でどうするか話し合っていたのだ。


ブルトシュバイン「ガンガン・・・セクサンタテル・・・ガンガン」


琥珀「作戦な」


青紫「うーん、どうしようかなー。なんかマゼンタの連中も動き出したし」


琥珀「このところ、色々暴れているからな」


ブルトシュバイン「ガン・・・ガン・・・」


青紫は頭を捻れどなかなかいい案が思い浮かばなかった。どれもノワールファミリーにより失敗に終わったからだ。そもそもどうしてこっちの作戦がバレたかすら分からない。まさに絶対絶命だった。相手の能力が分からない以上、能力者を無闇に送り出すのも勿体無い。だとすれば、やる事は1つだった。


青紫「こうなったら僕達がまた出動しないといけないようだね」


琥珀「何だとっ!?一回戦ってやられたじゃないか!!」


青紫「でもやられっぱなしは嫌でしょ?僕をコケにしたあの青色女が今でも記憶に残っているんだ」


琥珀「どういう事だ?」


青紫「やられっぱなしじゃ私達のメンツってものが危ないって訳。ならあいつらの首さえ持って変えれば私達の評価は爆上がりよ!!」


それを聞いた琥珀はしばらく黙った。ブルトシュバインは部屋に入ってきた蝶々を追いかけていた。


ブルトシュバイン「ガンガン・・・チョウチョマテマテ・・・ガンガン」


青紫の話はリスクが高いのは重々承知だった。我々がまた負ければ、この組織にいる事すら分からないのだ。リターンが高いが、リスクも高い。まさにトロッコ問題みたいな内容だった。


青紫「君が悩むのも分かるよ。でも、君の本気を見せれば奴らだって楽勝だよ!!」


そう言うと、青紫は紅茶を入れ直した。確かに、あの時はまだ本当の力を出しきれていなかった。本気を出せば地面を割る事も可能だが、相手は未知の相手。はたして本気を出した自分とどのくらい渡り合えるかは不明だ。とはいえ、青紫の言う通りやられっぱなしでは面子に傷がつく。部下がダメなら自分達でやるしかない。というかそこまでに追い詰められた。


琥珀「いいだろう、お前の提案に乗ってやる」


青紫「あはっ!!ありがとねっ!!」


ブルトシュバイン「ガンガン・・・!!」


やる事が決まった3人は再びノワール達と戦う為、部屋を出た。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


黒季「今日も人が多い・・・」


ジャラゴン「いよいよ始まったね・・・」


ケンちゃん「まさに正念場ってものですね・・・」


黒季達はある場所にいた。そこには他に人が並んでいて長者の列を成していた。しかもみんなの目は険しかった。みんな今日の日を楽しみにしているようだ。今日の黒季は大きなリュックに伊達眼鏡、頭に帽子を被っている。そして時は来た・・・。


アナウンサー『お待たせしました!!只今より、東京ビッグサイトにて2025春のコミックマーケットを開催したいと思います!!』


人々「うおぉぉぉぉぉぉーっ!!!!!」


そう、今日は東京ビッグサイトにてコミックマーケットが行われていたのだ。みんな血眼になって中に入っていった。黒季も負けずと全力で走り、中に入ってお目当てのお宝を探し始めた。今年のブースは特に面白いものが多く、みんな各ブースに走っていった。やはり同人誌の数も多いが、目当てはそれではない。今日は大人気ゲーム"UMA娘"の限定グッズが発売されるから、それ目当てに来たのだ。UMA娘とは未確認生物をモチーフにしたゲームでネッシーやイエティ、ツチノコや宇宙人など女に擬人化されたゲームだ。もちろん戦闘系ゲームである。大人気ゲーム故か、人集りがあった。そんな中でも得意のスライムを使えば、するすると抜けれる。そして激しい死闘の中、ついにネッシーとヒバゴンの限定グッズを手に入れた!!


黒季「やっとネッシー、手に入れた」


ジャラゴン「ヒバゴンも取るとわね。まあ、あんな数じゃそのぐらいが精一杯か」


ケンちゃん「あ、最後は外でコスプレイヤーを撮りましょうよ!!」


その頃、外ではコスプレイヤーが集まっており、大勢のカメラ陣の中に集まっていた。ついでだから、1枚ぐらい撮っておく事にした。ケンちゃんは自分で撮ると言ってたので、僕はリュックから一眼カメラを取り出した。これは最新式のモデルで盗・・・拾った物だ。


ジャラゴン「それ、あるマフィアにあった・・・何も言わないでおくよ」


ジャラゴンも空気を読んで、これ以上の詮索はしなかった。黒季はすかさずカメラを向けて、コスプレイヤーを数枚撮った。流石コスプレイヤー、細かい所まで再現されている。特にUMA娘のネッシーは絶妙に細かい。この人もUMA娘をやっているのだろうか?しばらく撮っていると後ろから誰かに押されて倒れてしまった。その拍子に伊達眼鏡も外れてしまった。


黒季「しまった!!」


ジャラゴン「ぎゃっ!?」


ついでにジャラゴンも投げ出された。このままでは蹴られてしまう。そう思った時、ネッシーのコスプレをした女性がやってきて、ジャラゴンと伊達眼鏡を拾ってくれた。やっぱり間近で見るとすごい存在感。僕は立ち上がって伊達眼鏡とジャラゴンを受け取った。


黒季「あ、ありがとうございます!!」


ネッシーのコスプレイヤー「いえいえ。お怪我は大丈夫ですか・・・て」


黒季「うん?」


ネッシーのコスプレイヤー「嘘・・・」


ネッシーのコスプレイヤーは僕の顔を見るなり固まってしまった。すると丁度終わりのチャイムが鳴り始め、コスプレイヤー達は帰っていった。ネッシーのコスプレイヤーも素早く逃げた。一体どうしたんだ?


ジャラゴン「あの人、黒季の顔を見るなりどうしたんだ?」


ケンちゃん「さあ?まあ、黒季の顔が変だったとかじゃない?」


黒季「馬鹿な事言ってないで帰るよ」


こうして熱いコミケは終わった。とはいえ、あの時僕を見て固まってしまったあのコスプレイヤーは気掛かりだったが、まあ関わる事ないからいいけど。そう思い、黒季達は帰って行った。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


翌日、学校に行った黒季はいつも通り寝ていた。そもそも闇属性で夜型の怪物なので、休み明けの学校はキツかった。何なら祝日が早く来てほしいぐらいに。それにしても昨日のコミケは楽しかったな。土日で行われていて、その2日ほとんどコミケに費やした。次は7月に始まるので、その時までに準備をしないといけない。


黒季「次のコミケまでまだあるなー。またネッシー来てくれないかな〜?」


そんな事を考えていると、すぐに朝礼が始まった。放課後、今日はみんな用事があるため集合はないらしい。なら、今日は本屋に寄って帰ろう。丁度新しいラノベと漫画も出たとこだし。さっそく下駄箱を開けると、中には手紙が入っていた。差し出し人の名前はなく、これといった特徴もない。ラブレターなんて可能性はないな。とりあえず中を開けると、中には

『今日、放課後に空き教室にて』

と書かれた紙が入っていた。一体誰だ?まず、幼馴染ではない。あいつらはこんな面倒な事はしないから。白沢でもない。わざわざ手紙を書く意味ないから。姉さん達は家で会ってるし。


黒季「まさか、赤城かオリヴィアか灰川?」


そんな考えをしつつ、念の為空き教室に行く事にした。丁度空き教室には夕日が照らしており、眩しかった。中に入ると意外な人物がいたのだ。


???「来てくれてありがとう」


黒季「君は・・・あの時の眼鏡っ子?」


???「はい、私氷山 雪乃(ひやま ゆきの)と申します」


黒季「氷山?」


氷山「はい。あの時以来ですね」


あの時とは、アジフライ弁当で揉めた時だろう。あの時は本当に申し訳なかった。とはいえ、どうして僕を呼び出したんだ?


氷山「では、私があなたを呼び出した理由をお答えします。それはあなたが昨日撮ったネッシーは・・・その・・・」


氷山は何故か恥ずかしがっていた。しかも昨日撮ったネッシー?ああ、あれのことか。あれがどうかしたのか?


氷山「実は・・・あれ、私なんです・・・」


黒季「な・・・?」


氷山「わ、私です」


黒季「なに・・・?」


一瞬固まってしまった。一体何がどうなっているんだ?コスプレイヤーだって?あのネッシーが?目の前にいる人物?三つ編みの髪に眼鏡を掛けた少女が、あのネッシー?なんか、頭の整理が追いつかなくなった。


氷山「あの時、写真撮りましたよね?それをどうするのですか?」


黒季「どうする?」


氷山「あれをネタに私を揺さぶるのですか!?」


黒季「なにぬ!?」


氷山「私の正体を知ってしまったのですから、まさかお金をとるのですか!?」


黒季「なにぬね!?」


氷山「わ、分かりました。払える額なら払います。なので、今はこれで」


そう言って、財布から1万円を取り出した。


黒季「なにぬねのー!!!」


氷山「のー?」


黒季「いらないよ!!別にお金がほしいわけじゃ・・・」


氷山「まさか、私の身体!?」


黒季「違う!!落ち着け!!別に揺さぶらないし、何ともしないよ!!」


なんか最初に出会った時と印象違う。本来はこっちか!?天然なのか、馬鹿なのか。とにかく、抑える事に集中しないと。


氷山「はあ、はあ、ごめんなさい。急に暴走して・・・」


黒季「やっと落ち着いてくれた・・・」


氷山「・・・あ、あなたもUMA娘やってるの?」


黒季「うん?ああ、やってるよ」


氷山「本当!?じゃあ、何のキャラが好き!?」


黒季「ね、ネッシー・・・」


氷山「本当!!私もネッシーよ!!やっぱり王道よね!!」


黒季「そうだよね。じゃないとわざわざコスプレしないよね」


どうやら氷山とは共通の趣味が出来たようだ。詳しく聞くと彼女も重度のアニメオタクで父がゲームクリエイター、母がアニメーターという事もあり小さい頃から沢山のアニメを見ているようだ。そのうち自分もキャラに成り切りたいと考えだし、コスプレイヤーになったのだという。


黒季「だいたい分かった。じゃあ、帰りたいんだけど・・・」


流石に遅くなり始めたのか、次第に暗くなってきた。そろそろ帰った方がいいかと考えた時、氷山が突然


「待って!!まだあなたの事、信用してないから、明日からつきっきりで監視しますから!!」


と言い出した。監視!?また面倒な事になってきた。もう勘弁してくれ〜。その日は家の近くまで氷山が付いて行った。ポ◯モンかってぐらい。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


葉月「奴らが動いただと?!」


ドナ「はい!!最近、地球という世界で謎の目撃情報が相次いでいます!!」


カレント「もしかすると、グレゴリーやノワールファミリーかもしれません!!」


その頃、マゼンタでは葉月が2人の情報を聞いていた。何やら地球に怪しい魔力の気配を感じ取ったようだ。


葉月「よし!!今度こそ捕まえてやる!!全員出動準備!!」


カレント&ドナ「「はっ!!」」


2人はすぐさま部屋を出て、準備の支度をし始めた。葉月も刀を手に取り、部屋を出た。


葉月(ノワール!!今度こそ!!鍛錬した私の成果を見せてやる!!)

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