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ノワール・モンスター  作者: モンキー・東・エルジェ
第2章 マゼンタ編

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灰色の幻想とグレゴリー

 グレーズ「これが私・・・!?なんか力がみなぎる!!」


グレーズは地面に刺さった槍を再び引き抜こうとした。すると今まで抜けなかった槍は普通にスルスルと、簡単に抜けてしまった。その後、4、5本抜きやっと外へ出られるようになった。それを見たムルータは


「馬鹿な!?あんなに重い槍を!?」


と驚愕し始めた。その後、グレーズは持っている槍をカオス兵やムルータ達に投げつけた。


グレーズ「今からやるのは私の仕返し。だから、攻撃されないように気をつけな」


ムルータ・レスぺ「ぐぬぬぬ〜!!」


ムルータはグレーズの挑発に乗り、左手のハンドガンで槍を撃ち落とした。粘着液に当たった槍は次第に地面に落ちていったが、その直後にグレーズが槍を手に襲い掛かった。


グレーズ「はあぁぁぁぁーっ!!」


ムルータ・レスぺ「なるほど、槍を投げたのは目眩しか。だが、私もそこまで甘くないわ!!」


そう言って、左手のハンドガンから1発放って、持っていた槍に命中した。これでダメージは通らない・・・と思いきや、槍は実はもう一本あったのだ。いや、よく見ると元々1本の槍を半分に斬っていた。先端の方をむき出し、もう片方に半分持っていたのだ。グレーズはもう半分乃槍を左手のハンドガンに突き刺した。そう、彼女の狙いは左手のハンドガンだったのだ。これなら、粘着液を出される心配は無くなった。


ムルータ・レスぺ「ば、馬鹿なっ!?私のハンドガンがっ!?」


グレーズ「どう?苦しい?」


ムルータ・レスぺ「ぐぬぬ〜!!ハンドガンが使えなくたって、こっちには能力がある!!」


ムルータは再びもう1つの像へ行き、誰が誰を作ったのか(フーメイドフーム)を使った。像を粘土状にし、形成したのは数がさっきの倍ある槍だった。


ムルータ・レスぺ「串刺しになっちゃえー!!」


そう言って、ムルータは1本槍を投げ、グレーズは腕を前にクロスさせた。しかし、槍の先端は鋭く、貫通するぐらいの速さで投げているため、決逃げないと危ない状況ではあった。あと数センチ、槍がすぐ近くにきていた時、すんでの所で槍が弾き返された。その後、槍は地面に落ちた。


グレーズ「1つ言い忘れたわ。私も実は能力が使えるのよ。何故かは分からないけど」


よく見ると、腕の部分だけ鉄みたいになっていた。そう、彼女の能力は"硬化術(カタメマクリ)"という、体や触れた物を硬くする能力だ。元々鋼鉄工場の娘だからか、よく似合う能力だ。


ムルータ・レスぺ「な、貴様もかっ!?なら、もう容赦しね〜ぞ!!」


そう言うと、残った槍を全て抱えて投げ出した。まるで雨のように、グレーズ達目掛けて降ってきた。みんなは槍を交わしたり、カオス兵を盾にしたりして防いだ。グレーズはさっき投げた槍を拾い、槍を上手く使って交わしていった。そして、その槍を横にいるカオス兵達に突き刺した。


ノワール「ほう、なかなかやるな」


グレーズ「次はあんたよ!!」


グレーズは持っていた槍をムルータに投げつけた。ムルータは間一髪避けたが、その後グレーズが走っていきムルータも持っていた籠手を武器に斬りかかろうとしたが、グレーズがジャンプしかわされた。その背後にノワールが押しかけるように走っていき、攻撃し始めた。ムルータもすかさず攻撃するが、籠手を蹴られてしまい攻撃をもろに喰らってしまった。その場にいたエレキやシーカーもすかさず攻撃するが、ノワールのスライム攻撃を喰らい倒れてしまった。


エレキ・ソン「なかなかやるな」


シーカー・メレーオン「覚えてやがれ!!」


そう言い残すと、黒い緞帳(ブラックカーテン)を出して逃げてしまった。敵に逃げられたが、今はこいつだけでも倒そう。


ムルータ・レスぺ「な、貴様らっ!?さっさと逃げやがって!!」


もちろんムルータはカンカンに怒っていた。その隙にノワールはグレーズにメリケンサック型の武器"バジュラ・ナックル"を渡した。先端に大きな棘がついている。一突きされたら想像を絶する痛みだろう。それを両手につけ、ムルータに殴りかかった。


グレーズ「よくも私を痛ぶってくれたわねっ!!これはお返しよっ!!」


ムルータ・レスぺ「ぐぎゃあぁぁぉぁぁーっ!!!」


体のありとあらゆる所に攻撃されたムルータはボコボコに喰らい、最後はアートルム像がある場所までアッパーで宙に投げられた。その隙にグレーズも高く飛び、両手を鋼鉄化させダブルスレッジハンマーを喰らわせた。


グレーズ「"ダブルメタルスレッジハンマー!!!"」


ムルータ・レスぺ「ぎゃあぁぁぁぁーっ!!」


技を喰らったムルータは地面に叩き落とされた。その瞬間、自分が作ったアートルム像を貫通していくように中に落ち、やがて外に出られた頃にはアートルム像全身にヒビが生じ、バラバラに崩れてしまった。


ムルータ・レスぺ「やってしまいましたあぁぁぁー!!!!」


アートルム「あ」


青紫&琥珀「「あ」」


ブルトシュバイン「ガ・・・」


一方でそれを見ていたアートルム達。あまりの衝撃にみんな固まってしまい、青紫達は気まずくなってしまった。アートルムはただただ固まっていた。一方で地面に跡が出来るぐらいの威力で叩き落とされ、体が動けなくなってしまったムルータ。グレーズも着地し、ムルータの方へ駆け寄った。その頃、ムルータはやっとの思いでふらふらしながら立ち上がった。


ムルータ「あ、私の最高傑作が・・・」


グレーズ「どう?あなたが馬鹿にした人間に叩き潰される気分は?」


ムルータ・レスぺ「ぐ、ぎゅうぅぅぅぅ〜・・・」


グレーズ「これで終わりよ。"鉄龍粉砕(バハムートクラッシュ)"!!!」


バジュラナックルに魔力を込めて、相手に殴りかかる一撃必殺の技。その威力はドラゴンの中でも上位にいるぐらい硬いバハムートの皮膚にもヒビが入る、まさに鉄龍を粉砕する技だ。それを生身の怪人に喰らわせるとどうなるか、もう決着は見えた。グレーズはムルータの腹辺りに一撃を入れた。その威力はムルータの体を貫通するぐらいだったのか、ムルータは悲鳴を上げながら倒れて爆散していった。


ムルータ・レスぺ「そんな〜!!こ、この私がっ!?アートルム様っ、すみませんでした〜!!!」


グレーズ「地獄を味わいな。何なら、地獄の画家にでもなったらどう?」


ドカアァァァァーンッ!!!!火が出て、煙も出た。カオスでも焼くといい匂い・・・にはならなかった。やはりいい匂いを出すのは、下衆な人間だけだな。まあ、これで贋作事件の犯人は倒した訳だが、まだ終わりではない。まだ2体のカオスが残っている。エレキ・ソンにシーカー・メレーオン。どちらも厄介そうな奴だ。それにしても、これで9人目だ。こんなにスムーズに進むとは思わなかった。あと1人、氷属性だけだ。果たして、この石が誰の手になるかは分からないが、まあこの調子なら多分大丈夫だろう。するとグレーズがやってきて


「そう言えば、まだ礼を言ってなかったわね。ありがとう、助けてくれて」


とお礼をしてきた。まあ、たまたま君がいただけなんだけど、受け取っておくか。グレーズが礼を言うと、ブラン達が駆け寄ってきた。


ブラン「グレーズちゃん、すごーい!!あんな敵を倒すなんて!!」


アスール「あの筋、あなた空手か何かやってた!?」


ルージュ「素晴らしかったですわ!!まさにあなたのノブレス・オブリージュ!!」


みんなグレーズに釘付けになっていた。その反面、グレーズは困っていた。すると遠くからサイレン音が聞こえた。恐らく、爆発音で誰かが通報したんだろう。厄介事に巻き込まれる前にここから逃げよう。


ノワール「騒ぐのは後。今は引くよ」


みんな腰にあるバックルからワイヤーを出して逃げ出した。今はあの旧校舎に身を隠すのが1番だ。その頃、パトカーが全部ついた頃には、もうもぬけの殻だった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


アートルム「あちゃー、惜しかったね。折角いい所まで来たのに」


その頃、アートルムはビルの上から見ていた。とはいえ、自身の像を壊されたショックは残っているようで気分は落ち込んでいた。


アートルム「あー、また誰かに作ってもらおうかな〜なんて」


すると、後ろからナイフが2本飛んできた。それに気づいたアートルムはすかさずかわし、銃を2丁取り出した。撃とうとしたが、相手を見ると銃を下ろした。その相手とは色田黒季の義母、色田黒子だったからだ。しかし、黒子はいつもみたいに元気そうではなく、不機嫌そうだった。


黒子「何故地球にカオスを送った?」


アートルム「黒子!!また会えるなんて嬉しいよ!!やはり僕達は・・・」


黒子「質問に答えなさいっ!!」


黒子は質問に答えないアートルムに怒っていた。その様子はアートルムも恐れるほどで、思わずビクッとしてしまった。


アートルム「分かった!!分かったから、ナイフ下げて!!僕はカオスは送ってない!!勝手にこっちに来ただけなんだ!!」


黒子「それを信じろと?」


アートルム「えー!?信じてよ!!僕が嘘を君についた事あるかい?」


黒子「何っ!?」


アートルム「ちょ、ちょっとだけね・・・」


アートルムは萎れてしまった。黒子はアートルムの方へ行き、アートルムを掴んだ。その目はまるで蛇に睨まれた蛙のように睨み、アートルムも固まってしまった。


アートルム「た、確かにカオス達に好きに行動するようには言ったけど、まさかここに来るなんて知らなかったんだよ〜」


黒子「・・・」


アートルム「分かった分かった。部下達には二度とこの世界に近づかせないようにするから〜!!」


そう言うと、黒子はアートルムを目一杯投げた。アートルムは泣きながら悲鳴をあげ、何処かへ行ってしまった。残った黒子は何も言わずに黙って帰ってしまった。黒子とアートルムに何があったのか、そこにら思わず大人も驚愕する事件があったのだが、ノワール達がそれに気づくのはまだまだ先であった。

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