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ノワール・モンスター  作者: モンキー・東・エルジェ
第2章 マゼンタ編

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これが私のノブレス・オブリージュ

 オクトーパの放ったミサイルを喰らった赤城。しかし煙から出て来たのは、赤い光を纏った彼女の姿だった。目の前に赤い石が光を放って、まるで燃える炎みたいな色だった。何故彼女が赤い石を持っていたのか分かった。彼女を選んだからだ。だから、石が自分の意思で彼女に行ったのか・・・いしだけに。やがて赤い光が消え始め、中からは赤髪のツインテールにお馴染みの黒いスライムコートにスーツ、今回はスカートの中にスパッツを履いていたのだ。その瞬間、腕が勝手に動き、指から黒い螺旋状の物を出し、彼女に刺した。これは僕の中にある能力が彼女を選んだのだ。


赤城「これが私?なんか暑いような・・・」


オクトーパ「ば、馬鹿なっ!?一体何なんだ!?」


ブラン「ほわあぁぁぁぁー」


ジャラゴン「まさか・・・」


この場にいたみんなは固まってしまった。その後、赤城は手に斧を持って構えた。あの斧は"紅桜魔神(イフリート・マホーク)"。魔神の如くマジ熱い炎を出す事が出来るのだ。もう今から体から炎が出ている。


ノワール「面白い。今日からお前の名は"ルージュ"」


ルージュ「ルージュ・・・それが私の名前か」


ルージュは名前を与えられて、納得したようだ。それを見たオクトーパは


「何がルージュよ!!もう一度、死になさい!!」


とまたミサイルを数発発射させた。それを見たルージュは手をかざし、ミサイル目掛けて魔法を唱えた。


ルージュ「"焔珠(イグナイト・ボール)"」


すると手から、ボール状の炎が出て、ミサイルに命中させ爆破した。あまりの衝撃にオクトーパは困惑した。


オクトーパ「あ、ありえなイカ!!ミサイルを壊すなど!?"水の上の煙《スモーク・オンザ・ウォーター》"!!」


ルージュ「"熱風竜巻(サーマルハリケーン)"」


オクトーパは体を煙状にしたが、彼女の出した熱い竜巻を喰らって苦しがっていた。まあ、水生生物だから当たり前か。何か自分でも喰らいたくない。


オクトーパ「あ、熱い!!誰か!!デビルズクラーケン!!」


すると今度はデビルズクラーケンが触手攻撃をし始めた。あの一撃を喰らえば、骨折どころか圧縮死で終わりだろう。しかし、彼女は逃げる事なく動かなかった。やがて触手が彼女の所に来た時、急に動きが止まった。自分で止まっている訳ではなかった。見たら分かる、熱いやつだ。彼女の背中から炎が出て、ガードしていたのだ。


ルージュ「私の能力"可燃術(燃エマクリ)"。私に触れるものは必ず燃えるわ」


なるほど、それなら納得する。彼女は炎属性だ。さらに能力も相性がいい。これは期待出来る。ライターやガスの代わりにもなるし。


ルージュ「これで分かったかしら?どう足掻いても私には勝てないわよ。仕上げに焼きイカにしてあげる。"双炎覇弾(そうえんはだん)"」


今度は両手を前に出して、デビルズクラーケンに炎攻撃をした。両手からグルグル巻いた炎が一直線にデビルズクラーケンの胴体に命中した。すると胴体は激しく燃え上がり、デビルズクラーケンは苦しみ出した。その拍子にみんなを掴んでいた触手が解け、みんな脱出したのだ。


ブラン「ありがとう、ルージュちゃん!!」


ルージュ「え!!あ、どうも・・・?」


アマリージョ「助かったわ。強いわね、あなた」


ブルーノ「コレハ、熱ソウネ」


やがて水中に潜り、鎮火していた。そして再び現れては、ご機嫌斜めな様子で襲いかかった。ブラン達は武器を取り出したがルージュが


「すみませんが、これは私に任せてください」


と言い出した。すると今度は上に飛び上がり、両手を前にした。まさかとは思うけど・・・うん、危ないな。ノワールは咄嗟にみんなを掴んで、安全そうな場所に移動した。デビルズクラーケンは彼女を捕まえようと触手を伸ばしたが、熱くて触れられなかった。その時、彼女の手から赤く巨大な炎の球体が出ていた。その姿はまさに太陽の如く、地球の中心のように赤く熱いものだった。


ルージュ「さよならですわ、イカさん。"黒の太陽神《ブラック・プロメテウス》」


そして、デビルズクラーケンに放った途端、急に眩しい光と共に大きな爆発音が出て、それは地下水路全体に、そしてついに地面が爆発するぐらいの事態になった。デビルズクラーケンは全身燃え始め、抵抗する事なく倒れた。鎮火させようにも、水が全て蒸発してしまい、地下水路は炎の海になっていた。


オクトーパ「ば、バカな・・・。あたしのデビルズクラーケンが一瞬で・・・」


それを見たオクトーパもただただ唖然としていた。奴も全身ではないが、火傷を負っていた。あの危険そうな技から命からがら逃げたのだろう。何はともあれ、これで戦いやすくなった訳だが・・・果たしてルージュはどう動くか。


オクトーパ「き、貴様っ!!正気かっ!!この地下水路をめちゃくちゃにしやがって!!おかしいんじゃなイカ!?」


ルージュ「おかしい?いいえ、これが私の『ノブレス・オブリージュ』ですわ」


オクトーパ「やっぱりおかいイカ!!カオス兵!!」


するとカオス兵がどこからか、ゾロゾロと現れた。手には銃口が2つのハンドガンを手にしながら走ってきたが、それを見たルージュは澄まし顔で


「"火縄銃(レッド・マシンガン)"」


と唱えた。手を銃の形にして、指先から火弾を出す、シンプルな技だ。人間はもちろん、カオスにも効果はあるようで彼女の連続射撃でゾロゾロと倒れてしまった。ルージュがカオス兵を攻撃しているその時、後ろからポリプステッキを持ったオクトーパが背中に刺したのだ。あまりの出来事にルージュは驚愕した。その後、オクトーパは高笑いを再びした。


オクトーパ「やったわよ!!これであんたもジエンドね。大事な商売道具を無くしたのは残念だが、我々に歯向かうものは処理しないとね!!」


オクトーパは勝利宣言をした。後は彼女を海に捨てれば・・・そう考えていた時だった。ポリプステッキが異様に動かなかったのだ。それに何故かまだ熱く感じた。一体どう言う事か、その答えはすぐに分かった。


ルージュ「残念でしたわね。私、体を炎に変える事が出来ますの。だから、剣で刺されようが銃で撃たれようが平気ですの」


オクトーパ「あ、ああ・・・」


オクトーパは抜けなくなったポリプステッキを捨てて、体を透明にさせた。タコは擬態する事が出来るが、怪人になってもそれは変わらないようだった。今の彼はとにかく逃げる事しか考えてなかった。何処か遠く、見つからない所に。しかし、そんな奴の願いはすぐに打ち砕かれた。ルージュは体に刺さったポリプステッキを抜き出し、持ち直してオクトーパに投げつけたのだ。


ルージュ「忘れ物よ。あなたの大事な武器なのでしょ?」


もちろん姿は見えないが、感覚ですぐに分かった気がした。そして力一杯投げつけたのか、槍はすぅーっと真っ直ぐ飛び、オクトーパの体を貫通したのだった。その事でダメージを負ったオクトーパ。あまりの痛さに透明化の術が解けてしまったのだ。


ルージュ「あなたがジエンドになっちゃったじゃない?!私に歯向かったからこうなったのよ」


オクトーパ「ぐ・・・、いイカげんにしろ!!」


オクトーパは苦し紛れに触手攻撃や墨攻撃をしてきたが、ルージュは攻撃をかわし、防いで前へ歩いて行った。そして、オクトーパの近くまで来たルージュ。オクトーパは動揺して、動きが止まってしまった。そしてルージュはオクトーパに話しかけた。


ルージュ「あなたと私は立ち場や考え方は違えど、同じ考えを持っている、違う形で会いたかったわね」


オクトーパ「あ、ああ・・・」


ルージュ「これで終わりですわ。"烈火乱舞(れっからんぶ)"」


すると地面が突如ゴゴゴッと揺れ始めた。地震ではない。しかし、オクトーパだけは感じた。何故なら地面から何かが来るのを感じたからだ。そして地面から炎の竜巻が出て来て、オクトーパを呑み込んだ。オクトーパは抵抗する事なく、絶叫しながら燃え始め、最終的には爆散した。上へ成り上がろうとした怪人はこうもあっさりとやられてしまった、たった1人の女子に。これでオクトーパの野望は終わったのだった。地下水路は黒く焦げ、天井に穴が開いてしまった。これは騒ぎになる前に逃げた方が早いな。ノワールはすぐさまルージュを連れて何処か安全で隠れられそうな場所に移動した。移動先は解体予定のビルだった。しかし、騒ぎになるのは時間の問題だな。そこで改めてみんなと話し合いをした。


ルージュ「そう言えば、まだ皆さんとはあまり話した事がありませんわね。改めまして、赤城グループの社長令嬢の赤城炎珠と申します」


ブラン「私はブラン。そして白沢愛菜よ。よろしくね、炎珠ちゃん!!」


ジャラゴン「我はジャラゴン。お初にお目にかかるよ。今後ともよろしゅうな!!」


みんなが色々と話している時、ルージュの服が溶け出した。魔力を使いすぎたのだろう。まあ、最初は調整が難しいからこれから慣れていけば良いさ。


ルージュ「て、きゃあぁぁぁぁぁぁぁーっ!?ふ、服がっ!?」


一方のルージュは突然すぎる出来事に戸惑っていた。まさか外で裸になるとは思わなかったからだ。思わず、体を隠してしゃがみ込んでしまった。


アスール「やっぱりこうなったか・・・」


アマリージョ「まあ、あれだけ魔法を使えば、魔力も無くなるよね・・・」


ヴィオレ「安心しろ、私達も経験した。もちろん、特訓している時だけどな」


ブルーノ「私ハマダネ。私モヤッテミタイネ」


ヴェルデ「えー、私は賛成しないけど・・・」


ブラン「安心して、今ノワール達はあの場所を確認しに行ったから、隠さなくてもいいわよ」


ルージュ「そう言う問題じゃないっ!!」


今回の戦いでは新たにルージュという仲間を手に入れた。さらにカオスであるオクトーパ・エイトローが死亡した事により、初めての戦いは勝利という結果を残したのだった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


その頃、地下水路では大規模な爆発があった事で、警察や消防、救急隊、さらにテレビ局やマスコミまでもが駆けつけていた。ウェヌスはホテルから見物していた。


ウェヌス「まさか・・・!?今すぐ連絡だ」


ウェヌスはポケットからスマホを取り出し、マールスに報告をした。電話をとったマールス達もテレビの速報で見ていたのだ。もちろんマールス達も驚きを隠せなかった。あのオクトーパがやられるなど、考えられないからだ。ホテルの部屋では緊張感が走っていた。そんな時、扉をコンコンと叩く音がした。しかし、ルームサービスではない。ある人物が尋ねて来たのだ。ユピーテは恐る恐るドアスコープから覗くと、意外な人物が来ていたのだ。ユピーテは焦って鍵を開けて、中に入れた。それを見たみんなは一瞬固まってしまった。何故なら、その人物はフルメタルスーツを着た白金の暗殺者(プラチナ・キラー)だったからだ。マスクを被っているため、表情は見えないがマスク越しでも雰囲気が伝わって来た。今は不機嫌を超えた何かだ。そしてみんなに向かって


「アートルム様が皆さんをお呼びだそうです」


と言った。その一言だけでもすごく重みを感じたマールス達はホテルを後にして、白金の暗殺者(プラチナ・キラー)について行ったのだった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「全て予想通りですね」


同時刻、あるビルの上にある人物の姿が見えた。グレマーズだった。グレマーズはガラケーを片手に地下水路の方を見ていた。その後、しばらくそれを見た後黒い緞帳(ブラックカーテン)を開いて何処かに消えてしまった。

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