この素晴らしい仲間に祝福を
「すげーな。もう10人集まった」
あれこれこの世界をさまよい続けもう一か月だ。数々の盗賊団のアジトを見つけては、一つずつ潰していき、奴隷と財宝を集めていた。奴隷全員には創造術を使って復元させた。そのあとに剣や知識などを教えた。助けたのは9人でみんな女の子だった。
人間3人、エルフ3人、獣人3人。
まずはツヴァイ。蒼銀髪のエルフ。記憶力が高い。
次にドリィ。黒髪の人間。戦略にかけてる。
次にフィア。茶髪の獣人。七人の中のムードメーカー。切り込み隊長。
次にフェリカ。金髪のツインテールが特徴のエルフ。変装名人。
次にゼクス。灰色髪の獣人。隠密行動が得意。
次にジ―ナ。青髪のエルフ。色仕掛け担当。
次にアハト。赤髪のポニーテール人間。窃盗が得意。
次にノイン。灰桃髪の獣人。動物との意思疎通が可能。
最後にティーナ。紫髪の人間。開発担当。
最高だ。数は少ないけど、最強のメンバーが出来た。廃墟を拠点として、数々の【グレゴリー】関係者を潰してきた。そんなある日、ゼクスが奇妙な基地を見つけたと、アインスから聞いた。何でも白い建物らしく木でもレンガでもなく全く分からない素材でできたものらしい。早速みんなで行って、ゼクス達と合流して様子を見ることにした。
「連中はあの建物から出たり入ったりしています。恐らく、物資の運搬だろうとおもいます」
とゼクスが説明する。
「あの運搬の馬車を襲撃しますか?」
とが言うとジーナ
「今ここで暴れられたら厄介だわ。一旦計画を練りましょう」
とアインスは言い返した。
でもどうやって入ろうかな?あ、そうだ。
「我に作戦がある。確実に潜入する方法が!」
一同僕を向く。
「なんですって!潜入ルートを見つけたの⁉」
「まさか、本当なのですか!」
「なんと素晴らしい!」
「さすがはボスです!」
「でも、一体どうやって?」
「まさか!」
「あそこに⁉」
「なんと大胆な⁉」
「でもすごいよ⁉」
「・・・!」
そう、答えは荷物に紛れること。こうすれば、奴らに見つからずに中に入れるだろ。別に頭を使うようなことでもないし。まあ、とりあえず潜入成功。荷物は倉庫に置かれて、みんな外にでた。その隙に荷物から出て、倉庫の外に出た。
「やっぱりすごいわ!こんな作戦で侵入するなんて」
「やはり、ノワール様は最強で素敵です!」
アインスとツヴァイを始め、ほかのみんなも僕を褒めてくれる。なんか同じ光景を前にも見た気が。そんなにおべっかを使っても、なにもでないぞ。それにしても不思議な場所だ。ランプでもないのに明るくて、ドアは勝手に動くし、ここは一体どこなんだ?すると、どこからかブーン、ブーンと音がして、辺りが赤くなった。
『侵入者発見!侵入者発見!場所は地下の第四倉庫室。至急、排除せよ』
と上から声がした。すると、黒いローブを着た人達が次々と集まってきた。奴らは剣やナイフを抜いて
「なんだ貴様らは!どこから入ってきた⁉」
なんだこのシチュエーション。なんだか、興奮してきた!ここはきりっと答えないとな!ゴホンッ、
「我らは【ノワールファミリア】。通りすがりの集団だ。覚えておけ!」
決まった!
「【ノワールファミリア】だと!そういえば、仲間も拠点もどんどん潰されたってのは聞いていたが、まさか貴様らの仕業か!」
「その通りよ。我らはあなた達の野望をを阻止するべく立ち上がった集団よ。だから、大人しく横になりなさい」
アインスがそう言うと皆戦闘態勢になって奴らに攻撃を仕掛けた。戦闘着や武器は僕が与えたCHO合金スライム製で普通の武器では壊れないから、相手の武器を壊しつつ、奴らを殺しに行った。ほかからも増援がきたが、みんな意図もせず返り討ちにあった。
「ばかな・・・こんなガキ共、しかも11人相手に苦戦するとは・・・」
「それはお前が弱いだけ。己の無力さをあの世で思いっきり味わうがいい」
そういって、遠慮なく殺した。
その頃、ある部屋で何者かが戦いの一部始終を見ていた。一人は白衣を着ていて、もう一人は黒い服を着てマントを羽織っている。
「なんやあいつら。めちゃつえーな。特にあの髪の長い白い子。あいつ、タダもんちゃうで!」
「くどい。そんなことではしゃぐな、えせ研究者。こっちにも馬鹿が移ってしまう。近寄るんじゃない」
「そんなこと、言わないで!しかもえせちゃうわ。ちゃんとした研究者や。ほら、白衣も着てるし眼鏡もつけてるし」
「眼鏡や白衣を着てるからって、全員が全員研究者な訳ないだろ。お前はパソコンいじりしかできないんだから」
「そんなこと言わないで!うちと君の仲やろ。もうちょっとほめたってもええじゃろ!ブラッド!」
「褒めない。それと気安く名前を呼ぶな。カメル」
ブラッドとカメルと呼ぶ者が何やら言い争っていた。カメルが白衣を着て、眼鏡を掛けて関西弁風に話した男。ブランドは全身が黒一択で冷静沈着な男だ。二人は地下で戦っている【ノワールファミリア】をモニターで監視していたのだ。するとある一人の男が部屋に入って来て
「どうなっている⁉なんなんだあれは。あんなガキ共にこんなに手こずっているのか。ええい、貴様らも何ボーっと見てる。緊急事態だぞ。あいつらもう地下からどんどん昇ってきているぞ。どうするんだ⁈」
と警告した。しかしブラッドはすまし顔で
「あわてるな。やつらはどの道ここまで来る。いくら雑魚と戦わせても勝ち目がない、諦めろ。ただ、この階にやってきたら、その時は私が対処する。分かったか?」
と言うと、男はチッと舌打ちをしながら出て行った。
「あら~、もうここまで来ちゃったんや。もうすぐここにも来そうやな。どうする?」
「まあ、いざとなったら、あの方を呼べばいい。それまで、時間稼ぎはしてやる。それにもうこの世界に用はない」
「そか、ほな先行かせてもらうで。またあっちでな。まあ、この世界でやることはやったけど、なんか空しいな。もうちょっとここにいたかったなぁ」
「早くあの方に連絡を取れ。間に合わなくなるぞ」
「分かった、分かった。連絡はする。ほんで、君はどうするん?」
「適当に遊んで、見切りをつけて逃げる。一応間に合うようにはする」
「そか。ほな気ぃつけぇな」
そう言ってブラッドは部屋を出た。
「さて、遊びの時間だ」