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デア・ナール・デア・フィンスターニス〜漆黒の愚者〜

 「な、何を言ってるんだ・・・?」


 「やっとここまで上手くいったんだ。なあ、オッサンよ!!」


スッシーロは態度を180°変えてきた。今の彼は何か異常で、何かに取り憑かれているみたいだった。あの気高き騎士の姿ではなく、ただの欲情した獣のようだった。


「はぁ、実はここにお前を連れて来たのはな、俺達何だよっ!!」


「な、何っ!?」


「俺はずっとお前を狙っていた。どんな日も、どんな時も。ずっとお前の事しか考えていなかった」


「き、貴様っ!!」


まさか、信じていた人に裏切られた。この事実に大きなショックを受けた。まさか私利私欲の考えがあったとは思わなかった。何より、この事に気づけなかった自分が許せなかった。そう言えば、さっき俺達って言ってたような、まさかっ!!


「ハマーズ大臣、まさかあなたもっ!?」


「サファイアお嬢様、私もあなたの事をずっとずっと考えていました。この日の為にずっと計画してましたから。ずっと陰から見ていただけですが、もう我慢しなくても良いのですね・・・」


なるほど、こんな大掛かりな計画を副団長の力では確かに難しい、だが貴族の力があれば話は別だ。いくらでも揉み消せる、奴らにしてはよく考えたな。いや待て、他にモヤモヤした所がある!


「姫様はっ!?国王はっ!?国は!?」


「あぁ、あっちは気にすんな。ただ、俺達の仲間がちょっと遊んで暴れているだけだ」


そうか、なら手加減する必要はないな。ずっと信頼していたが、お前にとっては紙切れ一枚の関係だったようだな。もう覚悟は決まった。


「お前達の考えはよーく分かった。なら、私がここで引導を下してやる!!」


「ほう、団長自ら剣を抜くとは、これは面白くなってきたな」


「黙れ、外道に堕ちた奴にとやかく言われる筋合いはないっ!!」


サファイアは剣を抜き始め、その後にスッシーロも剣を抜き始めた。相手はあのサファイア騎士団副団長、スッシーロ・ショーユー。さらにミニスト大臣、ハマーズ・ガリーマン。ハマーズは元冒険者という事もあり、引退した後でも実力はあると聞く。しかし、どんな相手も不足なし。全力で相手をするだけだ。


「いくぞっ、覚悟しろっ!!」


「来いっ!!」


最初に先陣を切ったのはサファイアだった。剣を前に構えて、スッシーロに真っ向に向かって走った。能力向上、瞬発向上、武器向上の魔法をかけて自身の戦力を向上させた。これがサファイア騎士団で団長の座に上がった実力の一つだ。しかしスッシーロは剣を横に持って、攻撃を防いだ。しかもどこか余裕そうだった。本来なら後ろに下がるぐらいの力を出したが、彼は動くどころか微動だに動かなかった。


「どうした?これが全力か?」


「く、ならこれならどうだ!"水晶武装(クリスタル・ブレード)"」


サファイアは自身の武器をクリスタルみたいに凍らせた。これはサファイアオリジナルの魔法で剣に纏った結晶は絶対に破壊不可能だ。これで相手の武器は確実に壊せる。サファイアは意を決して飛び込んだ。


「これで最後だぁ!!」


しかし、それでもスッシーロは余裕そうだった。やがて剣同士、鍔迫り合いになり、辺りの壁や天井にはヒビが出来た。その後、サファイアは剣から斬撃を飛ばしたが、見事に回避された。相手も副団長という実力がある以上、簡単に終わらない事は彼女も理解出来てた。サファイアが斬撃を飛ばしたせいで、壁や天井が崩れてしまい、土埃が発生した。おかげで視界を遮られた。


「しまった!!このままでは―!?」


サファイアが動こうとした時、背中に何かが当たっている感覚がした。それは小さい物で丁度、背中の真ん中辺りに当たっていた。一見普通の人からみたら、何かは分からないが、彼女だけ正体を知っていた。


「しー、動かない動かない」


「なんのつもりだ?」


「怒るな、君が知りたいのは何故俺が君の後ろにいるかだろ?それはずっと君だけを見て来たから」


「―なっ!?」


「君の戦闘情報は全て僕の頭にある。だから、いつ、どこで、君がどの攻撃をするかはもう分かりきっているのさ」


そう、彼はサファイアの背中に立っていた。その後、彼女の左手を後ろに回して、動きを封じた。


「なっ!?」


「後はこれを当てるだけだ」


そう言ってスッシーロはポケットから小さなスプレーを取り出して、彼女に浴びせた。中からは煙が出て来て、それを吸ったサファイアは急激に体が重くなってしまった。


「な、何なんだ、これは・・・」


立つどころも、喋るどころも出来ない彼女はそのまま倒れてしまった。剣を持とうとするも、中々力が入らなかった。その隙にスッシーロは近づいてしゃがみ込んだ。


「これは体力と魔力を削り取るスプレー。君は何も出来ない無力な少女だよ」


彼の顔はニヤニヤと笑っていて、身の毛がよだった。もはや彼は異常を超えた存在だった。その後ろにハマーズも来たが、彼も同じぐらい顔が恐ろしかった。彼女は逃げようとするも、足に力が入らなくカタツムリみたいになってしまった。


「どこに行くんだい?君はこっちだろ?」


そう言って、スッシーロは彼女の腕を取り上げた。本来なら振り切れても、力がない以上どうすることも出来なかった。なのでサファイアは半泣きになりながら、抵抗し続けた。


「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!!誰か助けてっ!?」


彼女は誰も来ない現実に絶望し始めた。それと同時に後悔も出た。姫様に強く当たったこと、己の正義の為にみんなを振り回したこと、自分の力がまだ弱かったこと。彼女の人生が終わりかかろうとした・・・その時!突如、影から誰かが発砲する音がして、丁度彼の手に当たった。


「う、うぎゃぁぁぁぁぁー!?」


「誰じゃ!?」


バンッ!!


「うぎゃあぁぁぁぁぁー!?」


今度はハマーズの右耳に当たり、耳から血が出始めた。そんな状況で彼女はキョトンッとしていた。一体何が起こったのか、彼女はただただ固まってしまった。


「だ、誰だっ!?」


スッシーロが叫ぶと、サファイアの後ろからコツンコツンと歩く音がした。最初は暗くてよく見えなかったが、天井から出た月の光で姿が見えた。黒いロングコート、黒い服、顔に奇術師のようなマスク、さらに長い白髪を垂れ下がらせて、手にはさっき打ったであろう銃を手にしていた。


「我が名はノワール。闇を愛し、闇を支配する者」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「我が名はノワール。闇を愛し、闇を支配する者」


謎の乱闘者に一同固まってしまった。すると、すぐに我に返ったスッシーロは剣を構え、挑発した。


「ほう、お前がグレゴリーっていう組織を潰しているって言う男か。そんな奴が何しに来た?」


「通りすがっただけだ」


「通りすがりか、君は面白い事を言うね」


ノワールと名乗る男は悠然と歩き、やがて距離が縮まった所で止まった。どうやらスッシーロとは敵対関係らしい。それはサファイアにとって朗報であるが、味方とも思えなかった。ただ彼から歪な何かを放っている事は確かだ。彼はただ者じゃない。


「悪いが、これからいい所なんだ。通りすがっただけなら、さっさと通りすがれ」


「悪いが、障害物があるんだ。これじゃ、通りすがれない」


そう言って、ノワールは銃で今度はスッシーロの膝を狙い撃ちした。あまりの予想外の攻撃にスッシーロは困惑し、同時に怒りも露わにした。


「貴様、本気で死にたいようだな、なら味わえよっ!!サファイア騎士団副隊長、パッフェードリーダー、このワビザビ・スッシーロが相手になってやるっ!!」


「そっちがその気なら仕方がない。相手になるよ」


ノワールは銃から剣に変えた。同時にスッシーロも剣を抜き出し、お互い構えた。サファイアが見守る中、両者共に動かなかった。その間、風の音以外何も聞こえなかった。やがて、どこからか水が流れ出して、その水滴がポツンッと地面に落ちた頃に、2人は一緒に動き出した。最初は鍔迫り合いになり、しばらくすると両者後ろへ距離をとった。


「なるほど、君を見くびっていたよ。どんな敵にも不足なしだな」


「これはまだ序の序の序の口。まだ力をそんなに出してない」


「何だとっ!?喰らえっ!!」


今度はスッシーロが先行した。ノワールに剣を向けて、振り下ろそうとした瞬間、ノワールの姿が見えなかった。


「どこだっ!?どこに行ったっ!?」


「こんなものか?副団長の名は伊達か」


「ッ・・・・・・!!!」


バサッと、コートのなびく音がした。ノワールはスッシーロの後ろに立っていたのだ。自分でも気づかない程の速さで。すかさずスッシーロは剣を再び振るも、再び瞬間移動してどこかに消えた。スッシーロは目で追うも、今度は目の前に現れた。ノワールはそのまま腹にパンチをして、スッシーロを壁に激突させた。これを見たサファイアはただただ固まっていた。彼の剣はどこかシンプルで、なおかつ見た事がない。今まで多くの戦場に行った私でも、こんな剣を見た事なかった。その後もノワールとスッシーロは剣撃をするも、ノワールはずっとすまし顔でスッシーロは逆に焦りと苛立ちを表していた。


「どうした?こんな程度か?」


「く、くそっ!!こうなったら、奥の手を使うしかねえっ!!」


勝てない事を知ったのか、スッシーロはポケットから液体が入った瓶を取り出した。蓋を取ると、先が細い針だった。注射器だった。


「ひひっ!!これはいざと言う時の保険だったが、貴様にはこれを使うに値する相手だという事が分かったっ!!さあ、見るがいいっ!!」


そう言って、自分の心臓部にグサッと刺した。心臓部に刺した事で苦しみ始めたが、次第にそこから謎の電撃を発した。やがてそれは体全体を纏うように広がり、同時にスッシーロの体が大きくなっていく様子だった。


「あのイカれ女に高い金払って改造した甲斐があるぜっ!!素晴らしいっ!!これで俺は、最強になれるんだあぁぁぁぁぁーっ!!」


すると大きくなった手は次第に形を変えて、獣みたいな手になり、足も獣状と化し、上半身の服を破いて、下半身から尻尾が出て来た。顔は人間から狼みたいな顔付きになり、もう彼は人間を捨てた状態になってしまった。ノワールはただ見ていたが、サファイアとハマーズは怯えていた。恐らく、彼以外誰も知らなかったんだろう。狼化が終わった所で月が照らし始め、それに合わせてアオォォォーンッ!!!と雄叫びをあげた。


「ドウダ?俺サマノ真ノ姿ハ?ハマーズ、チョット来イ?」


「は、はい、何でしょうか?」


片言の言葉で喋ったスッシーロ。彼の言う通りに、ハマーズが狼化スッシーロに近づくと、いきなりハマーズをガシッと掴んだ。これに驚いたハマーズは怯え始めた。


「な、何をするっ!?私は貴様の手助けをしたではないかっ!?」


「ソウダ、手助ケアリガトウ。ダカラ礼ニ私ノ一部ニシテアゲヨウ」


「き、貴様っ!?正気かっ!?」


「マア、本音ヲ言エバ、貴様ハ用済ミダカラ、始末スルハズダッタカラナ」


「何だとっ!?」


どうやら、ハマーズはスッシーロに利用されていただけだった。仲間割れと言うよりも、使い捨てにされたな。


「ふ、ふざけるなっ!?わしはまだ死にたくないっ!!」


「ジャアナ」


そう言って、スッシーロは悲鳴を上げるハマーズを口に運び、そのままペロッと飲み込んだ。人を利用するだけ利用して、自身の目的のために国を裏切った奴の哀れな最期だな。可哀想とも思えない。


「オオ、サラニ強クナッタ気ガスル!!今度ハオ前ダ、サファイア」


どうやら今度はサファイアに目をつけたようだ。サファイアはヒッと驚き、後ろに下がるも力を無くした彼女は逃げる間も無く、スッシーロに捕まった。


「何をするっ!?まさかっ・・・!!!」


「オ前、俺ノ物、イヤ。ナラオ前、食ベテ、一部ナル!!」


振られたことへの腹いせか、今度はサファイアを飲み込んだ。こうして力を徐々につけていったスッシーロ。残った僕を見て、舌舐めずりをした。


「サイゴ、オマエ、クウ。チカラ、ホシイ・・・」


喋る事も難しくなった彼はもう獣のようだった。本能でしか動かない、凄まじい力を手に入れた代償で脳に障害があるな。これはもう死んでる、少なくとも人間としては。


「ヨコセ、ヨコセ、ヨコセ・・・ヨコ、セ・・・」


ついには喋る事すらままならなくなった。あるのは力が欲しいという本能。そして満を持して、襲いかかってきた。爪の長い手を伸ばし、切り刻もうとしている。


「ウガアァァァァーッ!!!!!」


スッシーロは襲い掛かろうとした時、彼の動きが止まった。これは攻撃をやめたのではない。彼の腕がいつの間にか斬られていたのだ。彼の右手を瞬時に斬ったのだ。もちろんスッシーロは痛さでもがいてしまった。やはり動物だな。さてとそろそろ決着をつけよう。と、その前に、喰われた騎士団長を取り出さないと。


「お眠の前のお話をしよう。こんな話を知っているか?むかしむかし、あるところに少女がいました」


ノワールが歩き始めると、スッシーロが痛みに耐えながら攻撃を仕掛けた。しかし、どの攻撃もスライムでカバーしていて、攻撃が届かなかった。奴の右手を斬ったのもこれだし。


「ある日、お母さんがお婆さんの所へお使いを頼みました。少女がお婆さんの所へ行く時、1匹の狼が現れました。狼は『これからどこに行くんだい?』と聞くと、少女は『これからお婆さんの所へお使いに行くの』と言いました」


スッシーロは話を聞いてないようだ。しかし、それでも話を続けた。


「狼は『じゃあ、あそこに花畑があるから、花を摘んだらどうだ?』と言いました。少女はそれを快諾し、花摘みに行きました。その隙に狼はお婆さんの所へ行って、お婆さんを食べました。その数分後、少女がお婆さんの家につくと、ベッドに誰かがいました。少女は不思議そうに思い、いくつか質問しました」


その頃、ソードスライムでスッシーロの足を斬りつけた。筋の方を斬ったから、結構響くはずだ。だかなのか、スッシーロは足を押さえた。


「『どうしてお婆ちゃんの耳は大きいの?』と少女が言うと、『それはお前の声が聞こえやすくね』と答えました。さらに『どうしてお婆ちゃんの目は大きいの?』と聞くと、『それはお前がよく見えるように』と答えました。そして『どうしてお婆ちゃんの口は大きいの?』と聞くと、『それは、お前を丸呑みするためだっ!!』とお婆さんに化けた狼が少女を丸呑みしました」


ノワールはスッシーロの肩に乗り、しゃがみ込んだ。そして彼の左目に銃口を突きつけ、バンッと発砲した。スッシーロはあまりの痛さに目を押さえつけて、苦しみ始めた。ノワールはさらに体に数発撃ちつけて、動きを封じた。そしてソードスライムを取り出し、腹部をグサッと刺し、横に斬った。その中に手を突っ込み、何かを探し始めた。そして目的の物を見つけ出すと、素早く取り出した。取り出したのは裸状のサファイアだった。食べられて時間が経ったのか、服は溶けてなくなっていたが、それ以外は大丈夫そうだ。彼女は眠っているようだ。


「話の続きだ。その後、少女とお婆さんを食べた狼は寝てしまいました。その時、たまたま通りかかった猟師が狼のお腹が大きい事に気づき、銃で発砲しお腹を解体しました。そして中から少女とお婆さんを助け出しました。めでたしめでたし」


話し終えた頃には、スッシーロは地面にうずくまっていた。息遣いは荒く、血も大量に流れているので逃げる力はないはずだ。


「君がこの人にやった事をした。どうだ、楽しいか?」


スッシーロはただただ黙っていた。さてと話も終わったので、最期にしよう。サファイアを安全な場所に移して、絶望と滅亡の剣(アポカリプス)を取り出した。すると絶望と滅亡の剣(アポカリプス)は黒く光出し、やがて形を変えて輪っか状になった。それと同時に足元に魔法陣らしきものも出てきて、そこから螺旋状を描くように魔力が輪っかに集約していた。やがて結界みたいな壁ができ、スッシーロはその中に巻き込まれた。壁には魔法陣みたいな物も浮かび上がった。


「ある男が言った。お前の罪を数えろと。

また、物語の結末は俺が決めると。

あるいは勝利の法則は決まったと」


やがて輪っかは大きくなり、結界いっぱいまで広がった。黒く紫色に輝く光を発しながら、ノワールは輪っかの中心に立った。そして、体から何かを取り出した。


「この技は自分の心臓を消費するから、ジャラゴンの言う通り余り使わないでおこうと思ったけど、やっぱり使ってみたくなるね」


そう、自分の心臓だった。そしてその心臓を輪っかの上に捧げると、心臓は次第に浮かび、やがて1番上までいった。その後、ノワールの体も輪っかの一部に入った。輪っかはグルグルと回り続けて、スッシーロは動くどころか、ただ見ていた。そして。


『奥義"デア・ナール・デア・フィンスターニス〜漆黒の愚者〜』


すると魔法陣も結界も消えた。と思ったら、地面から謎の光が天空へ伸びるように発光し、中にいたスッシーロを跡形もなく消し去った。そのまま光は伸び続け、それと同時にどんどん広がり始めた。施設や廃墟、森を消し去るぐらいの魔力はあった。それは遠くにあるミニストにも見えるぐらい、鮮明に見えた。やがて消え始めた頃には、半径が数百メートルあるぐらいのクレーターが出来てた。サファイアは丁度目を覚ましたが、辺りの変わりように戸惑ってしまった。


「な、なんなの、これ?」


「気づいたか?」


すると、そこにはノワールが立っていた。事情を聞こうとするも、裸の状態だったので、思わず悲鳴と腕で隠していた。ノワールはそれを見て、能力で彼女に新しい服を着させた。その服は軍服とは違う、貴族のお嬢様が着るような服だった。そして、そのまま立ち去ろうとした。


「あ、あなたは?」


サファイアがそう聞くとノワールは


「通りすがりの魔法使いだ。覚えておけ」


と言い残し、どこかへ消えていった。

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