表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/90

休日なにしてますか?忙しいですか?ゆっくりしてもらってもいいですか?

 「今日はあなたと行動することになった。しっかりついてこい」


 「え~、今ちょうどいいとこなのに。もうちょっと待って」


 「みんな、ここは平和的に行きましょよ~」


場所はセブンブレイ王国。そこである三人の女性が歩いていた。月食将軍・ルーナ、火災将軍・マールス、木財将軍・ユピーテの三人だ。この彼女達はグレゴリーの組織の一つ、暗黒の七将軍ブラック・ジェネラルセブンの一員だ。今度はこの三人に任務を与えたらしい。しかし今度は場所が違う。今度の部隊はセブンブレイ王国。人口8000万人のこの世界では大きい国家の一つで王政国家である。国王は”トンプソンⅦ世”。在位45年の国王で妻と息子と娘がいる。体制や法制度も旧弊的で貴族が最も権力を握っている国でもある。なので主な政治などは国王に代わり、貴族の者達が取り仕切っているそうだ。ちなみにその政策のせいで貧富の差が生まれてしまい、城から遠く離れた所では曲者まがいが多く住み着くスラム街が作られていた。ちなみに税金が多いせいか、出稼ぎに行く人も少なくないのだとか。そんな国の繁華街から遠く離れたスラム街に三人は歩いていた。


「こんな所を歩くなんて嫌だよ。何でこんな所に行くの?」


「任務だからです」


嫌がるルーナを連れて、マールスは歩いて行った。それに気づいたのか、盗賊達がこっちに近づいて来た。盗賊の手には剣やナイフなどの武器を持っていた。


「こんな所を歩くとあぶねーぜ、お姉ちゃんっ!!」


「そうだぜ、俺たちが案内してあげようか?」


「それにしても、そっちの小娘は貧相だが可愛らしいな」


一人の盗賊がルーナを掴もうと腕を伸ばした。手は彼女の手首に目掛けて伸ばした。


「悪いな、俺たちが相手でな。大丈夫だ、ちゃんと可愛がってやるからよ~」


その時、男の腕が突然止まった。これは自発的じゃない。すると男の手が落ちてしまったのだ。手首のところを縦にまっすぐ切られていて、そこから血がどぼどぼと流れ込んできた。


「ひっひぃ~っ!!手、手がぁぁぁぁーっ!!」


突然の出来事に盗賊達は驚いた。手を切られた盗賊はその場で地面にうずくまって、腕を抑えていた。その直後にルーナがやって来て


「今僕の体をその汚い手で触ろうとしただろっ!!僕は誰かに触られるのが一番大っ嫌いなんだよっ!!」


そう言って今度は男の顔を強く踏んずけた。踏力(とうりょく)が強かったのか、男の顔は原型をとどめてなく、グチャグチャになっていた。盗賊共は彼女の行動にさらに驚かされて腰を抜かした。


「ぎゃあぎゃあ騒ぐのは嫌いなんだ。これで静かになったでしょ?」


その後、ルーナはマールスの後について行った。ただしマールスもユピーテも呆れていた。


「あなたはだいたいやりすぎるんです。前も大事なサンプルを傷つけたり、高い壺を壊したりと・・・」


「だってあいつらが絡んできたのがいけないじゃん」


「ここは平和的にいきましょうよ」


三人はこのまま歩こうとするも再び盗賊共に足止めされた。今度は大人数だ。


「貴様ら、よくも俺たちの仲間を殺ってくれたな。もう容赦しねーぞっ!!」


盗賊達は武器を出して、彼女達に突き出したが


「仲間ってあんたらは利用して利用するだけの関係じゃない。それを仲間って盗賊が言葉を飾ってんじゃねーよっ!!」


とルーナが指摘した。すると買い言葉に売り言葉だったのか、盗賊達はさらにヒートアップした。


「ほざけっ!!俺たちを舐めやがってっ!!野郎ども、こいつらをぶっ殺せーっ!!」


そう言うと盗賊達はおおぉーっ!!と雄叫びを上げて襲い掛かった。しかも360°から攻めてきて逃げ場はない状況だった。しかしそれでも彼女達はすました顔をした。


「こうなることは想定内。私達も元よりその気ですので」


「面倒くさいけど、しゃーねーな。もう一回準備運動をするか」


「もうみんな、平和的じゃないんだから。もういい加減にして」


そして三人はバラバラになって動き、素早く盗賊達の集団に駆け込んだ。素早く動いた衝撃で盗賊達をどんどん薙ぎ払いしてしまった。


「く、くそ~。なんて女だ・・・ってあれ?」


その時、盗賊達が突然燃え始めたのだ。これはマールスの仕業だ。彼女が手を触れた者は次第に燃え始めるのだ。この力で盗賊達を次々と燃やし始め、辺りを見渡すと日の柱が立っていた。


「こんな盗賊でも燃やせばいい匂いになるのですね」


マールスの所は全員燃やしたそうだ。一方ルーナの方はと言うと。


「な、なんだこれはっ!!腕が~っ!!」


「ぐぎゃあぁぁぁぁーっ!!あ、足がぁぁぁぁーっ!!」


こっちは盗賊達の手足が切られていた。目にも追えない速さで次々と盗賊の体を切っていたのだ。これもルーナの仕業。正確には目には見えない刃物で切っているだけのこと。


「は、速いっ!!」


「お前らが遅すぎるんだよっ!!」


そう言って盗賊の体を真っ二つに切ったのだ。ここではバラバラになった死体と血の海が広がっていた。ちなみにユピーテの方では。


「は~い、みんな、おねんねの時間ですよ~!!」


と言いながらも盗賊達を次々と八倒していた。それに盗賊達が眠っていた。これもユピーテの能力でどんな相手でも様々なフェロモンを駆使して状態異常にすることが出来るのだ。ちなみに腕力は成人男性以上にあるそうで、盗賊達の腕を掴んでは体を地面に突き刺したのだ。なので彼女の周りには体が地面に突き刺さったり、フェロモンで眠ってしまった盗賊達であふれていた。


「あ、ちなみにこのフェロモンは永遠に起きられないから注意してね~」


いや遅ーよ。それだったらみんな起きないじゃんか。


「案外彼女が一番怖いかも。絶対怒らせたくないな」


「珍しくあなたの意見に同感です」


二人はビビッて引いてしまった。その後ユピーテが帰って来て


「みんな、こっちは終わったから行きましょう」


「あ、はい」


「は、はい。分かりました」


そう言って三人は再び出発した。それを見届けた生き残りの盗賊達はビビッて逃げてしまった。


「やっぱりここも平和でいいでしょ?」


「そ、そうですね」


「あ、ははは・・・」


ユピーテの会話に二人は苦笑してしまった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


その頃、今度は違う所へ行こうと7人を連れてセブンブレイ王国へ来ていた。やっぱりここはミニストとは断然違った。活気ある店と活気ない店と比べやすかった。ここの制度はだいたい知ってるが、まさかこれほどとは思わなかった。ここ入る時には大きな門があり、そこで検閲を行っている。まあここまではミニストと変わらないが、その周りには墓地やスラム街などの荒れた場所があるってこと。どうやらそこまでは目が行き届いてないらしい。僕達は遠くから来た旅行客という設定にしたが何の問題もなく入国できた。地球の海外じゃあ、ここは結構厳しいらしいけどここは結構ゆるゆるだな。しばらく散策すると冒険者ギルドを見つけた。冒険者ギルド、ごそんじの人は言うまでもないけど冒険者になって仕事をする所だ。依頼をして報酬を貰う、まあ知ってる人は知ってるか。ミニストにもあったな、これより大きいギルドが。するとこれを見た夏奈姉が


「こ、これはあの冒険者ギルドっ!?こ、これはまさに眼福だわ~!!」


と言い出した。本当に夏奈姉だよね?何でこうなったんだろう?それに続き白沢が


「これが冒険者ぎるどってもの?何か普通の建物みたいだけど」


と言うと夏奈姉が


「な、冒険者ギルドってのは実際冒険者になって魔王とかを倒すのよっ!!それを普通って言っちゃだめよっ!!異世界転生には大好きな建物よっ!!」


と怒り出した。それを聞いたみんなは驚いてしまい、絶句してしまった。でも何でこんなに怒るんだ?・・・ん、あれ?そういえば僕の本棚の漫画がたまに無くなっているけど、もしかして・・・夏奈姉、それに感化されたんじゃ?これ僕が原因だよね?何かごめん、みんな。場の空気は気まずそうになった。それに気づいたのか夏奈姉は


「て、あれ?何か取り乱しちゃってごめんね。さ、さあ次の所行きましょう~」


と先に行ってしまった。大丈夫かな、この先?その後はみんなで写真を撮ったり、屋台飯を食べたり、観光名所へ行って街全体の景色を眺めた。


「なんかいい場所ね。こんな世界があるなんて知らなかったわ」


「春香、あなたそんなこと言うなんてね」


「何よ夏奈だって昼間にあんなに怒ってたじゃん」


「あれは一瞬の乱れだよ~!」


姉さん達もリラックス出来て何よりだ。ついでに秋穂も冬美、冬音も満足そうだ。白沢も宝華もなんだかんだ楽しそうだったな。しかしこの頃旅行なんていつぶりだろう。少なくとも最後に行ったのがまだ小学生の頃だったかな。みんな忙しくて、ただただ旅行雑誌を眺めているだけだもんな。たまにはこういう日があってもいいな。


「お兄ちゃん、今日はありがとう。朝から色々あったけど、こんな日を私は忘れないよ」


秋穂は少し照れくさそうに褒めてくれた。そろそろ帰るか。帰ろうとすると冬音が誰かとぶつかってしまった。


「・・・うぷっ、ご、ごめんなさい」


相手は何かドレスを着た女性だ。最悪なことにちょうどアイスを持っていたから、アイスがドレスについてしまったのだ。見るからに高そうなドレスだな。きっと高い請求をされる。それでなくとも家賃で精一杯なのに。すると女性は怒るどころか優しく接して


「あらあら、ごめんなさいね。私がよそ見をしてしまったために。ああ、ドレスは心配しないでください。子供が無事ならそれでいいんです。それよりアイスを落としちゃいましたね。後でまた買ってあげますよ」


と冬音を立たせた。何かすごいな、この人。何事にも動じず、いつもニコニコしてるし。その後僕が謝ると


「いえいえ、そんなことで私は怒りませんよ。例え服が汚れてもまた新しいのを買えばいいんですから」


と弁解した。何だその財力っ!・新しいのを買うってうちにはない考えだな。どこの貴族なんだろう?こうして女性は冬音に新しいアイスを買ってあげて、お礼をした後帰ってしまった。こんな場所でもいい人に会うんだな。もう暗くなるし、帰ろうか。


「またどこかで会えるかな?」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


同じくセブンブレイ王国。そこは明かりが照らしていた。しかし明るくギャアギャアと騒いでなく、むしろ暗くジメジメした場所だ。そう、ここは地下だ。そこである人物が歩いていた。しかしローブを被って仮面をつけているため、顔は確認できない。やがてある所で止まって、壁のレンガを押した。するとレンガが動き出して、やがて門のように開いていった。その中を歩き続けると、今度は頑丈な扉が出て来た。しかも銀行の金庫扉みたいに大きなダイヤルがついていた。しかしこれを回すこともなく、扉が勝手に開いていった。ゆっくりと開き、中から人が出て来た。その人達は入って来た人物を見るなり、列を揃えて敬礼をした。


「このような場所に来ていただいて光栄です。わざわざお疲れ様です」


と扉の近くにいた人物が言い出した。どうやらよほど立派な人物なんだろう。ローブを着た人物はその後、前に進んである部屋の中に入った。そこではたくさんの人が作業をしていて、何やら大きなカプセルもあった。ここで一体何の研究をしているのか、そうここでも魔神サタナエルの実験をしていたのだ。どうやらミニストからこっちに移転したらしい。


「ここは大丈夫かしら?」


謎の人物はある三人に話しかけた。この三人はもちろんルーナ、マールス、ユピーテだ。そう彼女達はモニター越しのあの男の命令でここの研究所に来てたのだ。ここでとある研究を極秘裏にしていて、ちょうどテストをしている所だ。


「今の所は大丈夫よ。特に支障もないわ」


「そうか。なら速やかに進めていきなさい」


ユピーテは現状を謎の人物に報告した。しかし一人は不満を漏らした。


「ていうか、何で僕も同行されたわけ?こんな人数なら大丈夫じゃない?」


ルーナは面倒くさがりだったので、今回の招集に不満を持っていた。前回は二人と+αだけだったのに。すると謎の人物はルーナに向かって


「謎の集団に注意しろとのことだ。前回、ミニストの研究所が壊滅させられたから人数を増やしたとのことだ、ルーナ」


と説明した。ルーナは不服ながらも理解してくれた。この人物はモニター越しのあの人物と接触することが出来る唯一の人物だ。なのでお互いの現状を報告しないといけない重要な役割を持っている。


「今度は大丈夫です。彼らが攻め入ることも無いでしょうし、まず気づかれない所にありますのでバレることは無いでしょう」


マールスは自信満々に主張したが、謎の人物の機嫌は暗いままだった。むしろその自信が逆に身を亡ぼすかもしれないと感じたからだ。


「いいか、警戒心を怠ることなく作業を続けろ。どう動くか分からない集団だ。くれぐれも気を付けるように」


そう言い残して去っていった。残った三人はそれぞれの持ち場に戻っていった。その途中でこんな会話をした。


「そういえば、今日はとても可愛い子に出会ったわ」


「どうしたの、ユピーテ」


「実はアイスを持った子とぶつかったんだけど、その子とっても律儀でね、ちゃんと謝罪もしてくれたのよ」


「何、その話・・・」


ルーナは若干引いてしまった。ユピーテはどんな些細なこともすぐ誰かに話しかけてくるからだ。そんな話、今はどうでもいい。それより謎の集団の対処法について話すのが一番手っ取り早い。


「全く、ここがバレなきゃいいけど・・・」


ルーナは少し不安になった。しかし、この不安が的中するとは当時は誰も思っていなかった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「本当にここであってるの?」


「本当だって。入って行くのを見たんだってよ」


その頃、地下水道を歩く者が三人いた。黒季、白沢、宝華だ。三人は夕方にあった女性がこの地下水道に入って行くのを見たという知らせをもらった。もちろんゴーストの情報だけど。こんなネズミが出やすい地下水道に女性が一人で入って行くなんて怪しすぎる。なので僕達で調査しているのだ。実際、人があんまり入った形跡はない。それ以前にここはもう昔から地下廃墟となったんだろう。


「ちょ、ちょっと待ってよ~。それよりお姉さん達を置いて行って大丈夫なの?」


宝華が姉さんと妹達を心配してた。それもそのはず、実は姉さん達を外で待たせているのだ。用事があると嘘をついたのは申し訳ないと思っているが、もしグレゴリーなら巻き込まれるのは厄介だ。それにこんな場所なんて行きたくないだろう。ジメジメしてて暗いし。


「あのね、それ私も同じ」


宝華が後ろから追求してきた。それはしょうがないから我慢して。しかしこんな場所によく行き来出来るな。でもこういう場所に秘密の研究所があるっていうのは王道だな。きっとレンガのどこかを押すと扉が開くとか。それに奥のほうにあるのもあるあるだな。


「きっとどこかに隠し部屋があるはずだ」


「そうよ、ここに何かあるはず」


その時、後ろから聞きなれた声がしたので振り返って見ると


「どうも~、こんにちは」


「「「うぎゃあぁぁぁぁーっ!!!」」」


そこには女性の顔が出て来た。三人は驚き、腰を落としてしまった。しかし、よく確認するとその正体が分かってきた。何とその正体は・・・()()()だった。いや、何でーっ!?外で待ってるはずじゃないのっ!?ていうかほかの人達はっ!?すると後ろからゾロゾロとやって来た。春香姉に秋穂だったのだ。いや何で来ちゃってんの?どうやってここまで来たんだよ?


「だって・・・こんな場所にみんな入って行くから、不安で仕方が無かったんだから。それにこういう所に何かあるって第六感が教えてくれたわっ!!」


すごいなその第六感。夏奈姉ってこういう感だけは鋭いんだよね。もうこの先不安になってきた。


「ところでお前は何をしてるのだ、ここで?しかも彼女達と一緒に」


春香姉の突然の質問に驚いてしまった。いやこの状況何て言えばいいんだっ?!余計難しいっ!!こんなピンチを打破するものなんて考えてないし。すると白沢が


「私達はある組織を探しているんです。そのためにここに入ったのですが、道に迷ってしまいました」


と堂々と白状した。言っちゃったっ!!どうやって説明するんだよっ!!よりにもよって姉さんや妹にこんなバカなことを見せられるとはっ!!なんか恥ずかしい。一体どんな反応をするんだろう・・・?しかしみんなの反応は予想外なことに


「何だ、そんなことなら早く言ってくれたらいいのに」


春香姉の予想外の返答に固まってしまった。それに続き夏奈姉も


「やっぱり、ただの関係じゃなかったのね。そんなことなら私は信じるわよ」


と返答をした。秋穂も


「そうなんだ。お兄ちゃん最近帰りが遅いから何をしてるんだろうとは思っていたけど、まさかkんなことをしていたとはね」


と返答した。みんなどうしたんだ?てあの二人は?


「あの子達なら宿屋でぐっすり寝てるわ。知ってるでしょ、あの二人は寝ると朝までなかなか起きないって」


いやそうかもしれないけど、置いて行って大丈夫?後で連れて帰ろう。それよりもこの状況をどうしようか?


「な、なあ。このことみんなに言いふらしたりとかは?」


確認のため聞いてみると


「別に話さないわよ。このことは秘密にするわ」


「そんな弟を売る人ではありません」


「別に私には関係ないから、話したりはしないわよ」


と僕達の秘密を喋らないと誓った。なんていい家族なんだっ!末っ子もかっこいいと褒めてくれたり、話さないと言ってくれたり、みんな親切だな。僕は今までのことを全て話した。すると


「じゃあ喋らない代わりに私達を連れてって」


「うんうん・・・えっ?」


夏奈姉が突如こんな提案をしたのだ。もしかして秘密厳守にするって言ったのはこれが目的じゃっ!?しまったっ!夏奈姉にやられた。やっぱり親切じゃねえぇぇーっ!!


「で、どうするの?」


夏奈姉の重圧に耐えられなくなったのか、僕は


「うぅ・・・分かり・・・ました・・・」


と承諾してしまった。すると姉さん達は喜び


「やったーっ!!これで異世界で新たな冒険が出来るわっ!!」


とはしゃいでいた。なんで夏奈姉に勝てないんだろう?僕って情けない。そんな僕の気持ちを知らないで白沢達も喜んでいた。


「やったーっ!!これで仲間が増えたぁーっ!!この調子でどんどん集めていきましょうよっ!!」


もう先が思いやられる。急に胃が痛くなってきた。


「もう勘弁してくれ~」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


その後、姉さんと妹を仲間にした一味は奥の方へやって来た。そこは壁で何もなかった。


「おかしいな?どこにあるんだろう」


「あれれ?おかしいなぁ~」


「・・・おかしい」


白沢は早速扉を探していた。それに続き、春香姉も秋穂も宝華も辺りを探しているが何もなかった。すると夏奈姉が壁のレンガを押してみた。するとレンガが奥の方に入って行って、レンガの壁が左右横に開いていった。すると夏奈姉は後ろを向いて


「ふっやはりここが隠し扉か。思った通りだぜ」


と決め台詞を言い出した。いや、そこ僕も気づいていたけど。明らかにレンガの大きさが違ってたからこれが鍵かなと睨んでいたけど、まさか夏奈姉に気付かれるとは。本当に夏奈姉だろうな?


春香「すごいっ!夏奈、もう見つけたのかっ!!」


秋穂「お姉ちゃんすごいっ!!流石ねっ!!」


白沢「やっぱり仲間にして正解だったでしょっ!!」


有川「よく分かりましたね、お姉さんっ!!」


みんな夏奈姉を褒めているけど、一応僕が見つけたんだけどね。まあそれは置いといて、この先何かあるか分からないから姉さん、妹、宝華にドミノマスクを与えた。これを目につけて、ボタンを押すとサイバーパンクマスクになるから顔バレ防止にはぴったりだ。そして中に入って行くといきなり大きな扉が現れた。どうやらハンドルを回すタイプのようだ。それに隣にはご親切にパスワードをうつ確認キーまでもが設置してある。これを打ち込めば、解除するシステムなんだろう。早速打ち込むことにした。


「パスワードは4桁。この0~9まである数字のどれかを打ち込めば開くはずだ。という訳でお前に任せる」


「はっ??何で私に丸投げするの?」


僕は宝華に丸投げして辺りを捜索した。宝華はものすごく怒っていたが一旦落ち着くことにした。


「しょーがないわね、最初は誰がやるの?」


「はいはいっ!!私がやるわ」


そう言って名乗り出たのは、白沢だった。すごい自身だけど何か知ってるのかっ!?


「えっと、これは”0 3 4 3(お さ し み)”よ」


ピッピッピッ・・・ブー!違うようだ。当たり前だ、腹減ってるの?!そんなふざけたパスワードを作るかっ!?


「え~、そんなぁー。結構自信あったのに~」


いや自信あったんかい。でこれっ?!よし次っ!!


「今度は私がっ」


次は春香だった。彼女は真面目であってほしいな。


「えっと、これは1 1 8 2(い い や つ)よ」


ピッピッピッ・・・ブー!違うようだ。いや当たり前だっ!!何で1 1 8 2(い い や つ)なのっ!?いい奴いないし、最初っからっ!!それより残念なのは、彼女は真面目キャラそうなのにさっきの話で裏切られたことだ。せめて彼女だけはまともでいたかったのに・・・。よし次っ!!


「今度は私がやるわ」


次は秋穂だった。今度こそ、まともな答えで頼むっ!!


「簡単よっ!!これは8 9 3 1(は く さ い)よ」


ピッピッピッ・・・ブー!違うようだ。いや何でぇーっ?!急に特売日でも思い出したのっ?!そんな変な言葉を使わないでしょっ!!よし次っ!!


「ってわ、私がやるの?!」


今度は自分だな。前述みたいなことがないように慎重にやらないと。


「え~難しいよ。う~ん・・・7 1 2 9(せ い ふ く)?」


ピッピッピッ・・・ブー!違うようだ。まあまともなそれらしい数字を打ってくれたから良しとしよう。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


て誰か反応してよっ!!何でボケが無いのって顔をするのっ!?何か恥ずかしっ!!よし次っ!!


「やっと私の番のようね。大丈夫よ、私に任せて」


夏奈は自信満々の様子だ。せめて彼女で決めさせたいな。


「ふっふっふ、これは2 8 0 9(ジ パ ン グ)よ」


ピッピッピッ・・・ブー!違うようだ。いや選んだチョイスっ?!そんな語呂合わせ、どこで知ったのっ?!なかなかのものを選んだな。もうみんなあてにならない。てかさっきからあっちに行ってる彼は何をしてるのっ?!宝華は彼の後ろ袖を引っ張り扉の前に立たせた。


「えっと、奴らのことだから9 0 5 6(グ レ ゴ リ)?」


夏奈「失敗する方に一票」


白沢「同じく一票」


春香「私もそっちね」


有川「じゃあ私も」


秋穂「こっちにつくわ」


おいおい、何賭けてんだよ。遊んでるんじゃねーよ。もしこれ勝ったら何もらえるんだ?そしてピッピッピッ・・・ピーーッ!!どうやらこれが答えらしいな。悪いな、僕の勝ちだ。


「むきーっ!!負けたわっ!!」


どうやら賭け事に負けた夏奈姉は悔しがっていそれはみんなも同じで四つん這いに倒れこんでしまった。いやそれほどショックだったのか?!そしてハンドルが回り、扉が外へゆっくりと開いて行った。


「一応みんなマスクはつけとけよ」


そう言うとみんなマスクをつけ、サイバーパンクマスクに変えた。この先に何があるのかは知らないが、どんなものが襲い掛かろうとも殺せばいいだけだ。さてと、ちょっとわくわくしてきた。


「この高揚感がたまらないな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ