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女とスライムは使いよう

 「ええ!?あなたも一度ここに来たのっ!?」


 「そうだよっ!!あなたを助けに彼とね。なかなか楽しかったわよ!」


 「すごいっ!!じゃあもうこの世界を楽しんだの?」


 「それがそこの彼が観光も許してくれなかったから、つまんなかったわ。全く、女心というものが分からないのよ、あの少年は」


 「全部聞こえるよ。あとアスールは体を隠すように」


シルバーフェンリルに乗って帰りおる中、この二人のせいで寝れもしなかった。本来ならこのフカフカの毛皮でゆっくり寝るはずなのに。それにしてもまたキャラが濃い人が入ってしまった。このままではノイローゼになりそうだ。それに対し、二人はますます盛り上がっていた。ブランはジャラゴンとコロロをずっと撫でているし、レモンとジュジュは何か不服そうだ。そしてアスールはブラン同様魔力を使い果たして、裸になってるし。一応僕のコートを被せたが、それでも動くだけではだけてしまうため、目のやり場に困っていた。しかしよく見ると日に焼けてる部分がよく分かる。さまざまなスポーツをしているたか、腕や足は全身茶色だ。お腹あたりも茶色く焼けてるな・・・って変態か、僕は。今更こいつの体など興味が・・・ないわけではない。ただ昔と比べて成長してると感じた。


「ん?何じろじろ見てるの?もしかして惚れたとか?」


あ、よりにもよってあのブランに気付かれてしまった。


「もしかして~彼女の体に興味があるんじゃないのかな、少年?」


「絶対にない」


「ほんとかなぁ~?さっきからこっちをちらっと見てたから女の体に興味があるのかなぁ~って思っただけだよ」


うん、やばいな。おやじかよ。早く気づかれる前に帰らないと。しかしそんな考えは一瞬で打ち砕かれた。


「ええっ!?この体に興味があるって・・・あんたになら、いいけど・・・」


「・・・ノワール様、もしかして人選運低いのですか?」


ごもっともです。しかしそれを仲間に言われるとダメージがもっとデカい。そうだね、僕って昔からまともな人間と出会ったことがない。だいたい変人が多い。不思議だなぁ。いつも毎年出雲大社へ行ってお参りしてるのに。どうも変な人限定で縁が出来てしまう。


レモン「ノワール様、やっぱ倒していいですか?なんか色々ムカついてきました」


ジュジュ「私も人形コレクションにもしたくないです。特にあの裸の変態女は」


「あなた達、もう少しでつきます。それにそんな物騒なことを本人の目の前で言わないように」


「「うううう~」」


これで二人が落ち着いてくれると嬉しいが。しかしもう片方は違っていた。なんとブランが服を脱ぎ始めたのだ。いやなんで?


「おいおい少年君、今回のご褒美として私の裸をもう一度拝ませてもいいぜ。二人も裸美女がおるから両手に花だねぇ、この変態」


変態はそっちのほうだと強く叱った。なんで脱ぐ必要があるんだ。もう一人変態を出してどうするんだ?!


「おおおー。流石ナイスバディだね!!胸も大きいし、体もスリムで理想のボディタイプね」


もう面倒くさい。これ、自分で言うのもあれだけど・・・なんでこんな奴に石を渡したんだろう?それがずっと疑問だ。それにこれ、ぶちたいぎい。・やっぱり人間とは不思議だ。


「そうだっ!!もし彼にくっついたらどんな反応をするか確かめない?」


「O.K.!!面白そうねっ!!」


二人がこっちにやってくるだとっ!!やばいっ!!それだけはやめてくれ。コロロとジャラゴンにアイ止めをお願いし、レモンとジュジュは爆弾とカッターを持って殺意のオーラを出して・・・て殺すのはやめてくれ。


「あ、もう城につくぞ。武器を収めろ。お前達もお疲れさんだったな。」


そう言うとレモンとジュジュは武器を収めた。そしてシルバーフェンリルは走るのをやめ、みんな降りて行った。城に帰った後宝華に服を着させ、その後ありとあらゆることを話した。仲間のことや敵のこと、そして能力やシャドウのこと。全てを聞いた彼女は頭が混乱して倒れた。まあ、当然の結果か。


「でもこれからどうする?もう宝華ちゃんも仲間になったし、それに変な組織にもバレちゃったし」


「やることは変わらない。とにかく名を広げることが目的だからな。それに仲間はたくさんいたほうがいい」


「でもマゼンタの子達、めちゃくちゃ可愛かったなぁ~。もっと仲良くなりたいし、またどこかで会わないかな」


「変態か、お前は」


すると宝華が起き上がり、


「ねえ、私この仲間に入るよ」


と言い出した。


「だ、だって・・・秘密を知ってしまったんだし、それに・・・あっ、あんたには私がいないとダメなんだから」


すると彼女の首が突然光り出した。よく見ると白沢の左目と同じ紋章が浮かび上がっていた。これでもうノワールファミリーの仲間だ。


「今日からお前は僕の配下になった。今後ともよろしくね、有川宝華もといアスール」


「なんか皮肉ってるね。でもよろしくね」


そう言って僕と宝華は握手をした。すると扉からアインスが現れた。あ、紹介するの忘れた。ちょうどいいや、このタイミングで紹介をしよう。ぎちちちちっ。何か手が痛くなってきた。恐る恐る振り返ると宝華が怒号の顔になっていた。いやこえええー。て僕の手を思いっきり握ってるし


「あんた・・・他にも女がいたのね。これは一体どういうことか説明してくれる?」


「痛い痛い痛いっ!!わ、分かったからこの手を外してえええっー!!」


しかし彼女は手を離さなかった。ジャラゴンにお願いしようとするも


「な、なんか変なオーラを感じたから、我はこれでおさらばじゃ」


と部屋を出て行った。あの野郎、逃げやがって。ルシカはただただこっちを見てるし、白沢は腰を抜かしてるし。何か嫌な予感しかしてこない。


「あとでゆーーーーーーっくり、お話をしましょう・・・」


「あ、はい・・・」


こうして僕のSAN値が大きく下がった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


一時間後、ようやく解放された。さまざまなプロレス技を喰らって、心身共々ボロボロになった。


「しょ、紹介するよ・・・こちらはアインスさん。君と同じ仲間だ」


「よろしく、アインスよ。ここでは彼の補佐をしてるわ」


「私、有川宝華。よろしくお願いいたします」


宝華はアインスの手を握った。すると後ろから白沢が入って来て


「アイちゃんはそんなに年も変わらないし、もっとリラックスしていいよ!!」


「えっ、そうなの?じゃあ今後ともよろしくね、アインス」


「ええっ、こちらこそよろしく」


何か仲良くなってるな。まあ女子ってすぐ仲良くなれる人が多いって言うけど、まさか異世界で違う種族とも仲良くなれるとは。まあ僕もそうかもしれないけど。バンッ!!!突然扉が開き、中から


「ボス、ボス、お帰りなのです。今日はたくさん獲物を狩ってきました。なのでご褒美ほしいですっ!!」


そうフィアだ。フィアはほかの任務でツヴァイ達と行動をしていた。フィアが帰って来たってことは任務が終わったてことかな?とりあえず頭、撫でとくか。


「ううう~ボスの手つき、最高ですっ!!」


「それはよかった」


いつも犬系モンスターにも相手にしてるので、撫で方を熟知しているのだ。何だか、こう見ると普通の犬みたいだな。尻尾を大きく振っているから、きっと嬉しいんだろう。オオカミも猟犬も撫でればこうなるのかな。すると横から宝華もやって来て


「私も撫でていい?」


と聞いて来た。なのでいいよと承諾して、宝華も体や顔を触り始めた。


「ん?なんかほかの匂いもしてくるです?・・・て誰ですかっ!?」


「うぎゃあぁぁぁぁっ!!なんかごめんっ?!」


おっとりしていた表情から一変、今度はがるるると唸って怒っていた。さすがは獣人。嗅覚が鋭い。宝華はなんかおどおどしてるし。これでも熊を倒した実力はある。しかし今回はなんか違う。


「がるるるるっ!!フィアの体に勝手に触るなんて許さないですっ!!お前も血祭りにあげてやるですっ!!」


「ひいいいいいっ!!やめてええええっ!!」


「やめろアティス。触ったのは僕が許可したからだ。これは僕の責任だから、彼女を唸るのはやめてくれ」


「えっ!!ボスが許可したのですかっ!?ううう~ご、ごめんなさいです」


フィアは塩らしくなり、申し訳なさそうに謝った。その証拠に尻尾が下がっている。


「やれやれ、この駄犬はまた暴れようとしたのか?呆れたぜ」


「ゼクスちゃんだめよぉ、そんな言い方は。みんなに優しくしないと」


今度は二人の獣人が入って来た。ゼクスとノインだ。この二人は主に偵察隊として移動してるから滅多に帰らないのだとか。ゼクスは猫の獣人で、ノインは兎の獣人だ。それにしても二人も成長したな。


「ねえ、あの二人は?」


「あの二人はゼクスとノイン。猫耳のほうがゼクスでうさ耳のほうがノイン。二人は新たな拠点を作るため、世界中を行き来してるから滅多に帰らないわ」


「なるほど、そうなんだ」


どうやら白沢は初めましてだな。この際だし、色々と紹介しよう。


「二人とも、新たなメンバーを紹介する。彼女は白沢愛菜。もう一人は有川宝華だ。みんなと年が同じだと思うから仲良くしてね」


白沢「よろしくっ!」


有川「よろしくね」


ゼクス「また仲間を連れてくるなんて。しばらく退屈しなそうだ」


ノイン「あらあら。なんて可愛らしいの。よろしくねぇ~!!」


これで残るはあと一人だな。でも彼女は今籠っているからな。作業中なら邪魔する訳にもいかないし。また後日紹介すればいっか。その頃、彼女達は交流会をしていた。


白沢「ねえねえ、この尻尾触っていい?」


ゼクス「やめろっ!!尻尾は敏感なんだからやめろっ!!」


白沢「もうっ!そんなこと言ってるけど耳がヒクヒクしてるからそれで可愛さが増してるんだけど」


ゼクス「やめろっ~!!誰か止めてくれっ!!」


フィア「メス猫、やられてやんのです!!フィアを馬鹿にしたからですぅ~!!」


ゼクス「この駄犬がっ!!ボコボコにしてやんよっ!!」


フィア「いいですよっ!!勝つのはフィアですっ!!」


ノイン「二人とも、喧嘩はめっだよ。仲良くしなさい」


フィア・ゼクス「「だってこいつがっ!!」」


アインス「二人とも、喧嘩をやめなさい」


アティス・カイリ「「はい・・・ごめんなさい・・・」」


ルシカ「白沢もあまり責めないこと。人にはそれぞれ嫌なことがあるんだから、無理やりしてはだめよ」


白沢「ごめんなさい・・・」


有川「え~っと、とりあえずあなたについて詳しく教えてくれない?」


ノイン「私はある村の少女でして、彼に拾われましたぁ。ちなみに兎の獣人って珍しいんですよぉ~!!」


なんだか騒がしそうで楽しそうだな。なんか入れないな。仕方がない、ジャラゴンを呼ぶか。お~いっジャラゴ~ン!!


「なんだ、呼んだか?」


「しばらく喋り相手になって」


「はへ?」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「いやぁ~、今日は何か楽しかったぁー」


「良かったね。また三人でいきましょうね」


「出来ればこのまま維持してくれたらうれしい」


異世界から帰った3人はみんなと別れを告げ、地球に戻っていた。改めて見るとさっきまでの景色が全然違うように感じた、当たり前か。まあ、二人を無事に帰したことだし、それに今日はドタバタしたから疲れちゃった。


有川「じゃあまた学校でね」


白沢「みんな、気を付けてね」


黒季「じゃあな。元気でな」


そう言ってみんな帰って行った。それにしても今日は色んなことがあったな。アスールに覚醒したこと、マゼンタという組織が出た来たこと、カオスと呼ばれる敵が現れたこと。もしかするとこれって何かの伏線になるのかな?いや、変なことを考えるのはやめよう。こうして僕は我が家に帰ったのだ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


その頃、別の世界にて。


「全く、ここで待ち合わせってどういうこと?今、忙しいのに」


夜の薄暗い森の中に一人の女性がやって来た。どうやら誰かに呼ばれたらしい。しかし夜遅くにこんな場所に連れてくるなど、尋常じゃないな。それとも秘密裏にしたい話があるのか。すると奥の方から誰かがやって来たので、女性は銃を構えて戦闘態勢になった。


「そこにいるのはだーれ?」


「俺だ、ドラコだ」


「あらぁっ!!誰かと思えば、十二神将(ヴィーラ)のドラゴじゃない。こんな場所に呼び出して一体何のつもりなの?」


なんと呼び出し人はドラゴだった。どうやら二人は顔見知りらしい。


「実はあることについて話がしたい」


「何のこと?」


「これを見てみろ」


そう言ってドラゴが手をかざすと、空中に何やらある場面が映し出された。それはノワールファミリーVSマゼンタVSドゥルジュの戦いが映し出された。


「これを見せてどうしろと?」


「この映像を見て分かったことがある。それはあの男だ」


ドラゴはノワールに指を指した。


「あの男がどうしたの?」


「実はドゥルジュがやられた後、こっそり俺の部下を送らせたがマゼンタの隊長がやられたという報告を得た」


「ほう、それはそれは」


「あの後、独自に調べた結果、あの男が倒したというそうだ。しかも不思議なことにあの男も我々と同じブラックカーテンが使える。あれはお前が開発した魔法だろ」


「確かに私が作った魔法よ。でも今はどんな魔法も会得出来る時代よ。たまたま会得したんじゃない?」


何と、黒い緞帳(ブラックカーテン)は彼女が作った魔法なのだ。長い年月をかけてやっと完成したのだとか。


「もし隊長格を倒せる相手ならば、我々の計画にも支障が出る。だからお前に頼んでいるのだっ、私の人体強化を」


「また改造実験をやるの?このことはみんなには言ってるの?」


「こんなこと誰にも教えてなるものか。誰よりも手っ取り早く力をつけないといけないからな」


「全くあくどい奴ね。これは高くつくわ」


「ふ、流石は黄道13正座隊(ゾディアーク)一の科学者、”魚座大臣(ピスケス)のポワソン・ト・レミー”。話が分かりやすくていいよ」


「あんたの裏の顔をみんなが見てしまったら、どんな表情をするのかしら。うふふっ!」


彼女の名はポワソン・ト・レミー。黄道13正座隊(ゾディアーク)という組織に所属す女性だ。人間の姿をしてるが、目を何故か隠している。本人曰く、最先端のゴーグルを作ったから付けてるだけっとのこと。そもそも黄道13正座隊(ゾディアーク)という組織は十二神将(ヴィーラ)と同じランクの組織であり、あまり仲が良くないとか。しかし、アートルムが作った組織で強さは折り紙付きだ。13人いるが、後ほど出てくるから期待して待っててくれ。その中でも彼女、ポワソンは凄腕の医者兼科学者らしく、性格が残忍なためかみんなは”恐怖のマッドサイエンティスト”また”恐怖后”とも呼ばれている。そんな彼女はドラゴと内通していたのだ。ドラゴの人体強化をしてる代わりに、お互いの情報を流しているというあくどい関係だ。


「では実験室に向かうよ」


「頼むぞっ!!」


ポワソンはドラゴを連れて、黒い緞帳(ブラックカーテン)を出して入って行った。

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