お隣のマドンナにいつの間にか駄目スライムにされていた件
「さてと、今日は彼女の昨日の記憶を消そうじゃないかっ!」
僕は朝から準備していた。何しろ、昨日のことをほかの人に話したら面倒だからだ。僕の快適なスクール生活が崩壊してしまう。その前に何とかしなければならなかった。
「学校に行ったら、まずは彼女を呼び出して、それから彼女の頭から記憶を消して・・・」
「お兄ちゃん、何ぶつぶつ言ってるの?」
「今考え事をしてるんだから、邪魔せんで」
「どうしたの?」
僕は妹に心配されるほどやわじゃないんでね。早く、学校に行くのが楽しみだ。そうして、朝食を終え、制服に着替えて、誰よりも早く家を出た。いつもならみんなで登校するが、事情があるので早めに学校に行った。そして、学校に着いた。まだ早いせいか、登校する生徒も少ない。このペースでは彼女よりも早くきたのだ。そう思い教室に入ると、クラスのみんなが何故か全員揃っていた。それにクラスのみんなが一斉にこっちを見て来た。んん?なんかこっちを見てる?何かやらかしたかな、僕。恐る恐る教室に入ると、クラスの男子共が一斉に押しかけて来た。
「どういうことだ、お前っ!!」
「逆にこれがどういうこと?」
「とぼけやがってっ!!俺たち、いつもなら遅刻ギリギリの所で登校するのに今日はお前のせいで朝早くくることになったんだぞっ!!」
それは毎日心掛けようよ。遅刻ギリギリって何やってんだよ。むしろ今日みたいに早く来い。
「とにかく、一体どういうことか僕には分からん」
「ふざけんなっお前、あのクラスのマドンナ、白沢愛菜ちゃんと付き合ってるんだろっ!?」
「・・・・は?」
こいつら何言ってるんだ?白沢と付き合ってる?何馬鹿なことを言ってるんだ?そんなことあるわけないだろ。
「その話、誰が言ったんだ?」
「それはもちろん白沢ちゃんだよっ」
「・・・・はひ?」
えっ?白沢・・・?彼女が・・・?付き合ってるってデマを・・・?どうなってんの?この男共は一体何を入れ知恵されたんだ?
「あのー、それってまだお前達にしか知らないよね?」
「それがこのことを報告した相手があのT.J.こと、多村潤なんだよっ!」
「あいつ、そのことをグループラインで知らせやがったんだっ!」
「・・・・はひふ?」
何でよりにもよってあの軽そうな男に話したんだ。最悪のケースだ。これでは僕の穏やかな学校生活が送れなくなってしまう。それに何か嫌な予感がするし。すると奥から誰かがまたやって来た。
「ね、ねえ・・・あんた、あの白沢さんと付き合ってるの?」
「う、嘘よね・・・だってあのあんたよ。女子が嫌いなあんたがよ」
「う~、まだ告白も出来る勇気がないのに~」
「・・・・はひふへ?」
有川、綾乃、上坂の3人も僕に向かって責めて来た。宝華はあの後、ほかの囚われてた人共々元の場所に返した。その前に記憶をちょこっと消した状態にして。なので異世界であったことは覚えてない。
「ちょっと聞いてるのっ。どうして彼女と付き合う羽目になったの?」
「そ、それは・・・」
異世界で色々あってからですなんて言えないし、彼女を仲間にしましたなんて言える訳がない。この場はどうやってしのごうか。すると教室から、全ての元凶である当の本人、白沢愛菜が入って来た。
「あら、おはよう。黒季くん」
「な、なんのつもりだ?」
「あら、昨日あんなことされたのに。色々と私にしたじゃない」
「・・・・はひふへほ・・・」
うん、終わった・・・。僕の人生、五分の四ぐらい終わった。なんか、みんなこっちを見てるし。なんか赤い目をしてる奴もいる。女子たちも何も言わなくなってるし。
「昨日、私が告白したらあなたがOKしてくれたじゃない」
「何だと、こいつを殺すぞ、みんなっ!!」
「うおおおおおっ!!!」
「ギルティーっ!!ギルティ―っ!!」
彼女の一言でクラス、いや学年中の男子が雄叫びを挙げた。
「あは・・・終わった・・・」
僕はもう考えることを諦めた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
昼休み、僕は屋上に白沢を呼び出した。
「一体何のつもりじゃっ!!僕と白沢が付き合ってるってどういうことじゃっ!!」
「こうするとあそこに残れるかなって思っただけよ」
「何であの集団に入りたいんじゃ?遊びなら強制的に出て行ってもらうぞ」
「そうしたら、もっとすごいこと広めちゃうからねっ!!」
「いや、嘘はいけんじゃろ・・・」
どうやら意地でもあそこにいたいらしい。ここまで面倒くさい人だとは思ってもみなかった。みんなの前と僕の前では180°態度が違うし。
「だってあの人達とせっかく仲良くなれたのに、出るなんて言ったら失礼でしょ」
「ほぼほぼ君が強引に仲良くしたんだけどね」
「でもみんなすごくよろこんでくれたじゃない。みんな嬉しそうで盛り上がっていたじゃない」
「多分久々の生きた美女だからじゃない?」
「もう、美女って照れるじゃないっ!!」
「・・・・」
何かな、面倒くさいこいつ。あの入学時に見た高嶺の花みたいな威厳を今じゃ全く感じない。ただのおしゃべりインコみたいだ。一体何が彼女をこうしたんだろう?答え、多分僕。十中八九僕なんじゃないかな?だって異世界に彼女を連れて来たのは僕だし。能力も仲間勧誘も全部僕だし。もう後悔しかないな。
「それよりまたあの世界に連れてってよ」
「4文字言う。断る」
「そんな硬いこと言わずにさ、この通り連れってってよ」
「今度は3文字。いやだ」
白沢が手を合わせて、頭を下げるも答えは同じだった。何故こんな面倒なことをしなければならないのだ。初めて来た時は怖がってたのに今じゃ楽しんでるし。何とかして、彼女に記憶を消さないと。僕は指を伸ばして彼女に向けた。その先から黒い紐状のものが出て来た。それで彼女の頭に刺して、記憶を操る”忘却術”を使って、彼女の記憶から一部を消去しようとした。しかし、それと同時に彼女の姿が消えてしまった。黒い紐は彼女を通り透かして、壁に刺さった。
「な、まさかっ・・・!!」
「私はここだよ!!」
後ろを振り返ると案の定、後ろに立っていた。どうやら閃光術の能力を使ったな。体を光の分子でバラバラにして移動したな。
「いい能力を貰ったわ。これで私は無双よ!!」
「やべえー能力をあげちゃったかも・・・」
「ふっふっふっふっ、この私を止めたければ、私を倒してみせろ、白金黒季」
「うわーめんどくせー」
何やってるんだろう、僕。たった記憶を消すだけでこんな展開になるなんてあほらしいな。もしこれでほかの人、特に宝華に話そうもんならすこぶる面倒くさい。もっと早く対処をしとけば良かった。
「大丈夫、誰にも話さないから」
「それがすごい不安」
「大丈夫、私最強だから」
「いや、何が・・・てそれどっかで聞いたことがあるような」
何かに憑りつかれたような雰囲気だな。あの可憐な姿は偽りの姿なのか?すると扉の向こうに誰かがいる気配を感じた。僕は扉に近づき開けてみると、クラスメイト達が一斉に倒れこんできた。何してんの?もしかして、告白するんじゃないかって気になったんじゃないんだろうな。昭和の恋愛かっ!?
「いやー、偶然だねー。君たちが何をしてるのか気になってただけだよー」
「棒読みかよ」
「俺もただ気になってただけだけどー」
「君に関しては切れ気味だね」
みんなで何見てんだよ。もう昼休憩も終わっちゃうし、弁当全然食べてないし。どこで食べるんや?
「みんな、私はただ彼と話しをしただけよ。別にやましいことなんてしなかったわ。だから彼も困ってるし、教室へ戻りましょう」
なっ!あいつ、コロッと豹変したっ!!さっきまでオラオラ系だったのに、今度はお嬢様風になりやがった。くそー、この腹黒女め。でも昼休憩は終わるのは事実だし、早く帰ったほうがいいな。僕はみんなと一緒に教室へ帰った。すると、白沢が僕のほうに振り向いて、片眼を閉じてベーっとした。この野郎、絶対覚えておけよっ!!こうして僕と彼女の壮絶な戦いが始まるのか?っと思った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「姫様、何か一言いうことはないですかっ⁈」
「はうぅ~、ごめんなさい」
城塞都市ミニストのソフト―ル城の中にある一つの部屋で、お姫様らしき人と騎士らしき人がおった。お姫様は正座をさせられ、女の騎士に絶賛説教中だった。このお姫様はエリザベス・ドンニンテー。この城塞都市の王の娘であり、ミニストの王女である。隣にいるのがサファイア騎士団の団長、”サファイア・アルクトゥルス”。事実上、この城塞都市でもっとも強い人物らしい。二人は幼馴染でサファイアのほうが2歳年上だが、実の姉妹のように親しんできた仲だ。そんな姉であるサファイアは妹分のエリザベスに酷く怒っている。原因はエリザベスでも分かっていた。
「ちょっと散歩したら帰ろうと思っていた所なのですわっ!!」
「そのちょっとが一大事を起こしてしまったんじゃないですかっ!!」
「それは・・・ちょっと遊びたかっただけなんですぅ~」
「まったく、昨日はこの国の生誕祭であなたは大勢の民の前で演説をする予定だったのですよ」
「でも、おかげで秘密組織が見つかったし、壊滅もしたじゃない。終わりよければ全て良しってね!」
「姫様、もう一度説教が必要みたいですね」
「わー、ごめんなさいっ姉様っ!!」
部屋の中は何かいびつな空気が流れていた。昨日は生誕祭だったらしく、エリザベス姫は王家の代表として演説をする予定だったらしい。しかし、時間が来ても演説が始まらないことを不思議がった国王がサファイア騎士団に極秘に頼んで姫様を探すように依頼したのだ。しばらく探している内に、地面やマンホールから水が急に吹き上がってしまったので、もしやと思い地下に入って行くとそこは長年調査していた組織の研究所だったらしく、組織の壊滅に成功する。関係者を数名捕まえた後、姫様探しを再開し、門の塀の所にいたことが分かった。一体何故そこにいたのかは本人でも分からないらしい。ただ、気づいたらここにいたということらしい。この騒動のせいで生誕祭は中断し、引き続き地下の捜査をしている。
「そういえば、私のほかにアリカワという女性がいたと思うのですが・・・」
「えっ?私が見た時は何も無かったけど・・・?」
「そんなっ、二ホンという国から来た女性がいましたのに・・・一体どこに行ってしまわれたのですか?」
どうやら、有川宝華のことらしい。彼女とは数分しか話せなかったけど、本人にとってはそれが気がかりらしい。エリザベスは生き残った組織の関係者のことをサファイアから聞いたが
「誰も事情を知らないらしい。ただ黒い変な奴らに襲われたってことしか言ってなかった」
「黒い奴ら?もしかすると・・・」
エリザベスには思い当たる節があった。そういえば急に扉が飛んできて、そこから誰かが現れて来た。名前を聞くも、
(我々はノワールファミリー。安心して、決して怪しい者ではないわ)
と言い放って、牢屋の部屋の扉を壊して、手錠も外してくれた。そこから先は何も覚えていなかった。
「ノワールファミリー?聞いたことがない組織だな。もしやあの組織の関係者か?」
「いや、そうは見えませんでした。何やら組織の人達を倒していましたから」
「ますます分からん。どうやって姫様を救出したのかってことだけでも手一杯なのに」
「けれど決して悪い人達ではないと思いますわ。だって私を助けてくれたのですから」
「それでも怪しいな。何故姫様を助けたのだ?一体何の目的で組織と戦ったのだ?」
ますます増え続ける謎にサファイアは頭を悩ませた。そもそも彼らは何故地下の研究所を見つけたのだ?もしかするとこれはまだ序の口にしか過ぎないのか?しかし、どんな敵がこようともこの国を脅かすものは絶対私が倒してみせる。そう心に誓った。
「とりあえず、引き続き調査はするわ。何かあったらまたすぐに知らせるから」
「はい、お待ちしておりますわ」
「それともう二度と独断で行動することはやめるように」
「は、はひぃ~、心得ましたわぁ~」
そう言ってサファイアは部屋を出た。その後、彼女は天井を見上げた。
「一体この国で何が起ころうとしてるの?」
山澄みだらけの謎を考えながら、廊下を歩いて行った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
放課後、白沢が
「黒季くん、一緒に帰りましょ」
と言い出した。
「一人で帰れ」
と一蹴した。それもそのはず、みんながまだいる中で一緒に帰るのは気まずいからだ。まだ僕を睨んでいる奴もいるし。どうやら憧れの白沢と一緒に帰るのが羨ましいらしい。
「もう照屋さんだから」
「帰りたければ一人で帰れ」
何としてでも否定する僕に対して、負けずと白沢も誘ってくる。何とかして逃げ出さないと。すると白沢のほうに有川を含む女子たちが駆け寄って来た。今がチャンスだっ!!そう思い、かばんを手に取り、すぐさま教室を出た。急いで廊下を走り、階段を素早く降りてやっと玄関まで到着した。
「ここならもう追ってこまい」
「何が?」
「だからお前がここまで・・・・ここまで・・・ここまで来てるーっ!!!」
いつの間にか、玄関のほうに来ていたのだ。一体どうやって・・・まさかっ!!
「実は鏡を使って来ちゃいましたっ!!」
思った通りだ。どうやら体を光の分子に変えた後、光線として追いかけたらしい。光線は世界一速く、3階から玄関まではそう時間もかからないはずだ。こいつ、勉強しまくってるな。
「ねえ、今日もあそこに連れてってよ」
「いやじゃ」
「えぇー、あそこに行くだけじゃん。なんでそうケチなの?」
「面倒だからだ」
「何よその言い方。分かったわ、そっちがその気ならこっちにも手があるのよ」
「ま、まさかっ!!」
「そう、あのことを全て・・・」
「分かりましたっ!!ついてきてくださいっ!!」
「あらあらぁ~、いい子ね、よしよし」
僕は頭を下げ、彼女は頭を撫でた。このままでは何をするか分からない。ひとまずここは彼女に従うか。その後、校舎の裏側へ行って、黒い緞帳を出した。
「またみんなに会えるの楽しみっ~!!」
「何でこうなるんだ・・・」
そして二人は中に入って行った時、
「何なの・・・あれ?」
誰かが後ろから覗いていたのだ。何と有川宝華本人だった。実はあの二人の関係性を疑っており、後を追っていたらしい。そしたら案の定、ただのカップルではなかった。しかし、あの二人って一体どんな関係なのか?その答えがあの黒いもやもやの中にあるとしたら・・・。そう思い、まだ消える前に宝華も中に入って確かめることにした。中に入ると辺り一面真っ黒で何も見えなかった。次第に入った所も消えて行って前に進むしかなかった。そして辺りのもやが消えかかって辺りを見渡すとそこはある荒地に変わっていった。
「・・・えっ、ここどこ?」
砂埃は吹き、植物すら生えていなく、空は曇天としていた。こんな場所に二人は何しに行ったの?しばらく歩いていくと後ろからごそごそと大きな音がした。恐る恐る振り返ってみると、そこには大きなトカゲが現れた。
「うぎゃぁぁぁぁっ!!ば、化け物ぉーっ!!」
「ぐぎゃぁぁぁー」
有川は全速力で逃げて行った。それと同時に大きなトカゲも追いかけて来た。
「あいつ、まさか私を食べる気なのぉーっ!!いやぁぁぁっ!!」
大トカゲは涎を垂らしながら、こっちに向かって走っていた。いくらスポーツマンとはいえ、あっちは得体の知れない巨体の怪物。走る速さもあっちの方が速いし、このままでは追いついてしまう。走っている時、石に躓いて転んでしまった。すると同時に大トカゲもやって来た。
「そんなぁ~、もうここまでなの・・・」
絶体絶命な状況だった。この変な場所で死ぬなんて、怖くて後ずさりをしてしまった。そして大きな口を開けて襲い掛かろうとした時、上から何やら黒く光る物が降って来た。それは先の尖った棒状の物で大トカゲの体を貫通していった。あまりの衝撃に有川は腰を抜かした。
「た、助かったの・・・?」
ゆっくり立って大トカゲの方に向かうと、確かに体を貫通していて、そこら中血まみれになっていた。
「今のが魔力を込めた斬撃だ。やってみろ」
「いや、分かんないわよっ!!もっと丁寧に分かりやすく教えなさいよ」
裏の方からどこか聞き覚えのある声が聞こえた。まさかと思い、恐る恐る覗いてみるとそこにはあの二人がいたのだった。しかもなんか制服姿から黒い服に着てるし、それに髪の色も変わってるし。一体二人で何してるのっ!?しかも魔力とか斬撃とか言ってたし。それに愛菜のあの言葉遣い、一体何ーっ!?あの清楚な愛菜ちゃんがあんなぶっきらぼうな言葉を使うなんて。もっと驚いたのは、あのおどおどしてたあいつが何かかっこよくなってるしっ!!学校とギャップが違いすぎないっ!!頭が付いていけなくなってしまい、しゃがみこんでしまった。
「あれ、こんなところで何してるの?」
「いや、あんた達を追いかけてたら逆に追いかけられる側になってたって、なんちゃって・・・え?」
目の前から声がしたので見上げると、マスクをつけた女性が立っていた。マスクをつけて、髪も白いけど雰囲気から白沢だと分かった。
「やあ、君はこの世界は2度目かな?」
後ろから聞きなれた声もした。思った通り、マスクをつけて白い髪をしてるけど、白金本人だと確信した。それに2度目って何っ?!
「2人で何の恰好をしてるのよ?まさか、怪しいことをしてるんじゃないんでしょうね」
「その前に何か言うことがあるでしょうに」
「う、うぐっ・・・助けてくれてありがとう」
そういえば、ここに来た時に変なトカゲに追いかけ回されたっけ。これはきちんと感謝を言うしかないな。ってそれよりここはどこなのーっ!!
「ここはどこかって?ここはキゲンデ。一言で言うと君は異世界転生をしたことになるな」
「異世界転生?」
そういえば、彼から借りてそんなジャンルの漫画を読んだことがあるっけ。骸骨になったものとか、スライムになったものとか、陰の実力者になったものとか。まさか、私もそっち系になっちゃったわけっ!?というかここ地球じゃないってことじゃんっ!!どうやって帰れ・・・あ、一応彼がいるし、何とかなるか。
「言っとくけど、これを見たらただでは返しませんよ」
「えっ・・・?」
「ふっふっふっ、私たちはある組織の人間、それも裏で暗躍する謎多き組織の人よ。あなたにもその一員として活躍してもらうわ」
「ちょ、ちょっと待ってください。私、そんな変な所に入るなんて一言も言ってないんですがっ!!」
何と、白沢が私を勧誘してきたのだ。あまりの出来事に当た目ふためいた。しかし、彼女の眼はガチだ。そもそも何で愛菜ちゃんがその変な所に入ってるのっ!!それどころか、性格変わってるし。
「ふ、まあ今は我々の本拠地に行こうじゃないか」
何か隣にいた彼も何か性格が違う。有川は白沢に引っ張られる感じで、ポツンとあるお城に連行された。私の人生、どうなっちゃうの~!!




