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気が付いたら最強のスライムだった件

 昔ぐらいかな、まだ僕が幼い頃、辺りをずっとさまよっていた。僕はある曇りに覆われた所にいる。空は真っ黒で大地は砂地で、風がびゅうびゅうと吹いて雷も落ちている。このまま死ぬのだろうか。だとしたら、早く死にたい。


すると、そこに大きいドラゴンが現れた。見た目は黒く、自分の数万倍でかいドラゴンだった。しかし、そのドラゴンは左腕がない。そのドラゴンはいかにも着陸しそうな体形になり、翼を収めようとしていた。ああ、これが自分の最後の運命なんだなと感じながら、丁度そのドラゴンの足の所にいたから、潰れて死ぬのも悪くないなと思って死を覚悟した。そして、踏まれて死んだ・・・かのように思った。気づけば、空から落ちてきているではないか。なぜと思いながらもはっきりとしない。頭が混乱状態になっている時に、ドラゴンの頭に直撃した。ドラゴンも気づいたらしく、そのまま地面に落ちた僕を見て


「なんだお前は?一体どうやって落ちて来たんだ?」


と問いかけた。僕は喋ろうとしたが、声が出ない。それを察知したドラゴンはテレパシーで伝えてきた。



「我の名は邪竜キング・ジャドラ!この世界で最強最高のドラゴンなり!!ちなみにジャドラと呼んで構わん」


と伝えてきた。自分で最強最高言うなとは思った。僕はテレパシーを使って


「僕に名前は無い。」


と伝えた。するとジャドラは


「そうか。名無しか。では、我が名づけよう。そうだな・・・スライムだからスータンというのはどうじゃ!」


もちろん拒否った。そんなださい名前で生きていれるかと、反発した。すると


「そうか・・・ならこれはどうじゃ黒いからクライム!!」


こいつしばこうかなと思った。こんなネーミングセンスのないやつがよう最強最高と名乗ったもんだ。呆れてものが言えない。


「ええい!いい名前だと思ったのに!!そうだな・・・黒じゃろ、黒、ブラック、シュバルツ・・・そうじゃ!!ノワールはどうじゃ!!!」


おっ!やっとまともな名前がきた!ノワールか。ネーミングセンスも悪くないし、覚えやすいし、なによりかっこいい!!即答でOKした。


「おおっ!やっと気にいたか!よろしくな、ノワール!!」


ジャドラもご機嫌になった。


それでは話を変えて、ジャドラはなぜここに降りたのか、なぜ左腕がないのか、ここはどこなのかと質問した。ジャドラは


「ここに降りてきたのはある男との闘いで負傷したからじゃ。その男は強くてなこちらが不利になっていくばかりになったんじゃ。おかげで左腕や右目を奪われたんじゃ。まあ、命からがら逃げてきたってわけじゃ」


といった。確かによく見ると体は傷だらけで、翼もほとんど破られている。それほどの凄まじい戦いだったことがよくわかる。


「それとここはどこかっていってたな。ここはキゲンデと呼ばれる、まあ呪われた土地じゃ。ここは山脈に囲われていてな、こんな環境だからほとんどの人はここで命を落とす。ここは曰くつきの土地じゃ。」


と答えた。ここに降りたのは誰にも見つけられんだろうという考えだった。なるほど、どうりで物騒な所だ。人っ子一人もいないし、危険なモンスターもうじゃうじゃと出現している。さらにここの地理までも教えてくれた。この山の東側には《セブンブレイ王国》という国があるそうだ。その西側には《ファミーマ帝国》という国があるそうだ。この二国は仲が悪く、ラポップ平原で毎年戦争をしているらしい。一方、南側には《ロッソ法国》、そして北側には城塞都市ミニストという国があるそうだ。この中で一番近いのは城塞都市ミニストらしい。そうなると仲間が必要だと感じた。するとジャドラは


「どうじゃ、ここであったが何かの縁!童がお前の仲間もとい友達第一号になってやろうか⁈」


と言い出した。ジャドラには名前をつけてもらったし、この世界について色々と教えてもらった。そして、唯一心が通じる仲で一緒にいたいと思った。だから


「いいよ!」


と伝えた。すると、


「その前に少しお主の力を試してもよいか」


と言ってきた。そうだ、どのみち自分の強さを知らなくてはいけないし、自分よりも強い強者が現れては困るからな。僕は頷いた。

そして、一対一の戦いが始まった。まずはジャドラから腕の攻撃がでた。これは相手の動きが遅かったので素早く動いて交わした。


「流石に避け切れるか。ならこれはどうじゃ!」


と翼を広げて、空に舞い上がって口から炎を出した。


「くらえ、火炎地獄イフリートファイヤー


そういって僕にめがけて炎攻撃を吐いた。僕は燃える炎の中で消えてしまった・・・かに見えた。すると、また気づいたら、空の上にいた。ジャドラの頭にまたぶつかった。もちろん、ジャドラは驚いた。


「な、なぜじゃ?なぜ死なない⁈」


自分でもわからない。もう一度火炎地獄イフリートファイヤーを喰らったが、なぜか消えない。驚くジャドラは


「ならこの技はどうじゃ!深淵の終幕アビスフィニッシャー


僕は燃える炎の中でまた消えてしまった・・・かに見えた。すると、また気づいたら、空の上にいた。ジャドラの頭にまたぶつかった。もちろん、ジャドラは驚いた。


「なぜじゃ、なぜお前は死なぬ!」


当然、僕も分からない。ただ、分かったことが二つある。一つ目はたとえ死んでしまっても必ず蘇ること。二つ目は同じ殺し方では二度と死なないということ。これが僕の能力だ。流石のジャドラも


「なんだその能力は!!聞いたことがないぞ!!!」


と大変驚いてる。そんなに珍しい能力なのかと思ったけど、僕も驚いている。すると、ジャドラは地面に降りて翼を収め、


「こんな面白い能力は見たことがない!ますます気に入ったぞ!!どうじゃ、その能力に名前を付けないか?」


と言われた。大丈夫かと思いつつ、二人で決めた名前は()()()()()()()()()|》。これが僕の能力だ!


二人で喜んでいると、ジャドラが倒れた。


「さっきとの戦いで魔力を使い果たしてしまった。魔力が無くなれば、生きることは難しいからの。せっかく会えたのに悲しいのう。」


そう嘆くジャドラを見て、何かしなければと思った。すると、ジャドラは


「せめて我を食べなさい。そうすれば、何日かは体がもつはずだ。お前の体をよく見た所、全身が魔力で出来ているから、よほど危険だわ。だから、我を食べて生き残るんじゃ」


といって、自身を食べるよう勧めた。僕は戸惑ったが、


「ノワール、お願いじゃ!我をた・べ・て・・・」


次第に静まり返る。もう迷ってる時間は無い。僕は体を大きくして、倍ぐらいあるドラゴンを食べることにした。大変だが、友との約束を果たすために僕は頑張って飲み込んだ。体は大きくなっていき、次第に元のサイズに戻っていった。

すると、体から何かふよふよしたものが出てきた。それは自分でもわからなくて、色は赤かった。また、それは喋りかけてきた。


「なんなんじゃ、これは?一体どうなっておるのじゃ?我は確かに死んだはずじゃが⁈」


その声や口調から見て、ジャドラだと確信した。すると、


「ジャ・ド・ラ・・・なの?僕、喋・れ・る?」


ジャドラは驚いた。なんと、あの喋れなかったノワールが喋れたのだった!!しかも、肉体はないけど魂として蘇っている。まさか、死亡術シニマクリの力か、と疑った。あの能力がほかにこんな力を持っていたとは。しかも、我を食べただけで魔力もアップし、喋れるようになった。もしかすると、この子は最強の存在になれるのではないかと思った。そして、食べられて分かったことが二つ。一つ目はこの子はただのスライムではなく人工的に作られたモンスターであること。二つ目はこの子にはもう一つ能力を持っていること。これらを見て、ジャドラは


「ノワール、我と一緒に強くならないか!!」


と誘った。もちろん僕は


「うん!」


と答えた。さあ、ここから二人の冒険が始まろうとしていた。

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