彼女戦記
「さて、これからの作戦を立てるわ」
僕が地球に行ってる頃、【暗黒の魔城ノワール・カステルム】のある一室で彼女たちが会議をしていた。
「アインス様、全員揃いました」
ツヴァイが数を数えて点呼した。
「ありがとう、ツヴァイ。それじゃあ、今後のノワールファミリアの今後の方針について話しましょう」
アインスは話を進めた。
「まずは秘密結社【グレゴリー】の調査と奴隷の回収、そして組織の壊滅ね、ツヴァイ」
とアインスツヴァイに話を振って
「はいっ。そこで私たちの仕事分担をまとめさせて頂きました。まずはアインス様」
と言った。
「私はノワールファミリアのリーダーを担当するわ」
と淡々と話した。
「彼は単独で行動することが多いから、要は代理のリーダーよ」
と言って、再びツヴァイが話した。
「次に私は副リーダーとして、情報の分析と記録、秘密結社の調査及び奴隷と人質の救助を行います」
と言って
「ドリィにはファミリア全体の運営と調整、大宝庫の管理を担当してもらいます」
とドリィの担当を教えた。
「これからの戦いには、資金力と政治力が必要です」
ドリィは黙って考えた。
「この私の知性が必要・・・と?」
そう言うと、アインスはコクっと頷いた。
「お任せを」
とドリィはニヤッと笑った。ツヴァイは再び喋って
「フィアには戦闘を専門に担当してもらいます」
すると、フィアは立ち上がった。
「戦いならお任せです!戦うのは大好きです!」
とはしゃいでいる。
「次にフェリカ。あなたにはジーナと一緒に街に行って情報集めをお願いします」
と言うとフェリカは
「つまり、変装して情報を集めると?」
と答えた。フェリカは変装が得意なため、どんな環境にも溶け込むことが出来る。また、ジーナは色仕掛けが出来る。だから、この二人なら情報が集まりやすいと考えた。なのでアインスから
「あなた達にしか出来ない仕事だから期待してるわ!」
と褒めてくれたのか
「この私にお任せください!」
とフェリカは嬉しそうに言った。また、ジーナも
「はい!どんな仕事もこなしてご主人様に褒められたいですわ!」
と可愛く言った。アインスは話を続けて
「ゼクスにはノインと一緒に引き続き、組織関係者の情報を探ってもらいますが・・・」
ちょっと何か言いずらかったらしい。
「つまりはそこから仕事を増やすつもり?」
ゼクスがそう言うとアインスはコクッと頷いた。
「全く、僕の休む時間もないのか」
と呆れるゼクス。それはノインも同じで
「また、ここを離れるの?なんだか嫌になっちゃいますぅ」
とノインは駄々をこねた。どうやら、色々大変だったらしい。
「ゼクス、あなたには我々が次の拠点にふさわしい場所を探してきてほしい。ここでは入ってくる情報が限られてくるし、奴らは世界中に散らばっているから」
と言ってきた。
「それは確かに」
とぐずっていると
「だからこそ、我々ファミリアが力を高める上で新たな拠点を見つる必要がある。その中でも、あなたが一番頼りなのよ」
と説得されたので
「しょうがない、命令なら仕方がない」
と言いつつ、ため息をついた。ノインも
「分かりましたよ。やります」
と落ち込みつつ答えた。
「最後にティーナ。あなたにも引き続きファミリアに有益な研究開発を・・・」
とアインスが言おうとするが、ティーナは眠っていた。
どうやら長話のせいで退屈してしまったらしい。
アインスは
「あなたには新しい拠点の建築設計をしてもらおうと思っているのだけど・・・」
というとティーナは起きて
「考えとく・・・」
と言ってまた寝た。とりあえず、みんなの役割分担は決まった。すると
「それからこれは私の提案だけれど、みんなこの前のブラッドとの戦いを覚えている?」
とアインスが、こんなことを言い出した。
ツヴァイ「確かに覚えていますが?」
ドリィ「私も覚えております」
フィア「覚えてるよ」
フェリカ「覚えてはいますが、急になぜ?」
ゼクス「一体どうしたんだ?」
ジーナ「あれは恥ずかしい過去ですわ」
アハト「思い出すよ、あの時のこと」
ノイン「忘れられるわけないじゃないですか」
ティーナ「分からない」
と混乱していた。アインスは
「みんなあの時は初めての強敵で、ずっと雑魚クラスとしか戦ってこなかった。それが原因で私達は負けたわ。その時は彼が助けてくれたけど、あの時自分のレベルを思い知らされたの」
と言うとみんな気まずそうになった。
「だからこそ、私たちはもっと強くならないといけない。次も彼に助けられるようでは私達の存在意義が無くなってしまう。だからこそ、みんなで修行しないといけないと思うけど、みんなはどう?」
みんなは考えた。確かに、彼に救われっぱなしではいけない。本来なら、彼のサポートをするのが私達の役割なのに、全部彼にまかせっきりだった。そう思うとなんだか情けなくなった。するとアインスがまた言い出して
「私達は彼の右腕でもあり、彼の剣なのよ。もしこのままいったら、いずれ私達は用済みになってしまう。私達を救ってくれた彼になにか恩返しをしないといけないと思うわ。だから、私はもっと強くなりたい。そして、彼の役に立ちたいの」
みんなははっと我に返って
ツヴァイ「私も頑張ります。もっと強くなりたいです」
ドリィ「私も同じです。知性や力をもっとつけていきたいです」
フィア「アティスももっと強くなってご主人様に褒められたい」
フェリカ「私もノワール様のお役に立ちたいです」
ゼクス「僕も頑張るよ。めんどくさいって言ってられないな」
ジーナ「私ももっと頑張りますわ」
アハト「私も全力を尽くす」
ノイン「精一杯頑張る。今度は負けない」
ティーナ「全力で頑張る」
みんなの答えは一つだ。強くなって、彼の役に立つ。それを聞いてアインスはホッとした。みんながここまでやる気になってくれたから。
「さて、そうと決まれば早速実践よ。彼は別任務でいないけど、私達も頑張りましょう!」
みんなおぉーと叫んで、それぞれ行動に出た。




