第八十九話 湖
今日はベティとレヴィと人魚達を乗せて、湖から川へ視察に出かけた。川が途切れるところは滝みたいになっており、そこは浅くして水だけが緩やかに落ちるようにした。
どんな魚を繁殖させるか、レヴィと人魚に決めてもらってから捕獲しにいった。俺も聞かれたけど、食って美味い魚と答えたら、それは当たり前だと言われてしまった。
まぁ、魚だけじゃなくて海苔とか昆布とか、淡水でも繁殖する種類はあるかを聞いたりもしたんだけどね。
それと真珠とか養殖できないかなーと思った。異世界なんだし、そんな貝が存在したっていいじゃない。
「なんで真珠の養殖なんて考えたの?」
「お金儲けして衣食住を高いレベルで維持したいだろ?」
「だったら、浮遊石入りの石板を売った方が、お金になるのだわ」
それをやれるだけの浮遊石の塊は、めちゃくちゃ大量に回収したけどさ。下手に売ったら、戦争の道具にされちゃうのに。
「ベティが低性能に作ってるから、大した事は出来ないので安心して良いのだわ」
「低空を飛べるだけじゃな。この大陸に来た時の我らの家よりも性能は落ちるのじゃ」
その飛べるだけってのが大きいと思うんだよ。
気にしないなら、別にいいけどさ。
海に来るとレヴィは、ガバァッと大量の、本気と書いてマジと読む、マジで超大量の水を空中に浮かした。
それで人魚と一緒に放流する魚を選びまくってたよ。カニやエビに、貝類も抜かりなく選んでた。さすがとしか言えない。
「淡水湖に適応するのだわ」
この一言で我が家の湖に棲む新種となりました。出鱈目です、レヴィさん。
「これから調整を始めるのだわ」
なにを調整すんのかと思ったら、放流したのは食いたい奴ばかり。なので放流した魚が食べる餌になる奴を入れたり、湖の中で食物連鎖が出来上がるようにしなければって事らしい。
そこはレヴィに任せよう。
おれは食べる専門だからな。
湖の管理を人魚に任せるとして、どこに住むかを尋ねたら山の麓を希望された。そして、いざって時の為に、山の中に部屋が欲しいと言われてしまった。
なので、希望された通りに作ってやったのだが、せっかく広いのになぁと思うんだ。
「それならフェイロンだけ、こんなに広いんだから10キロ向こうに一人で住んで生活する?」
と、ライムに言われた。
「そんな寂しい事を言うなよ! せめてライムも一緒に住もうぜ!?」
「私は一緒に行きますわよ。寒い時は私が抱きしめて温めてあげるのですわ」
とサァベル。
「ボクも! ボクも一緒!!」
リルも言い出した。
うん、なるほど。
全員一緒に生活しよう。
そして人が増えれば、だんだんと居住領域が広がるんだな。納得したよ。
それと、空飛ぶ島の地上部分に生活する為の家は作るけど、それとは別に地下部分にも居住区を作りたいと思っている。
その為に厚さ三キロもある岩盤にしたんだ。地下の居住区は、例えて言うなら宇宙空間でも生活できるような場所にしたい。
まぁ、色々と難しいと思うけどね。




