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第八十六話 天から陸が落ちた場所

 俺達は意気揚々と内陸に向かったんだけど、サファイアから、待ったが入った。


 「ゾルドでしたか? 彼らの最後は私達の放った炎系魔法で燃えながら空中分解してましたよね。私達はアレ教訓とすべきなのです」


 ベティ先生にセメントみたいなのを作ってもらうと、働き蜂っ子達が左官のように木造部分に塗っていく。

  

 これで大丈夫かなと心配だったが、試しに火魔法を撃ち込んでも問題無かった。それから土台部分に浮遊石の塊を一つ混ぜ込んで、空飛ぶ家の性能強化を行った。


 こうして石橋を叩いて渡るような準備を重ねて内陸へと向かったのだが、叩いて良かったと心底思ったものだ。

 

 だって、凄えんだよ。


 元の世界で恐竜を現代に蘇らせる映画があったじゃんか。あれ、あの世界が目の前に広がってやがったよ。


 恐竜って奴だ。

 この恐竜って、恐ろしい竜って書くけど、この呼び名を考えた奴は凄いわ。名は体を表すって言うけど、本当なんだな。


 そして、この大陸で人類が沿岸でしか生きられないのも理解できた。


 「しかしまぁ、なんだってデカイ奴が、こんなにウヨウヨしてんだかな」

 「浮遊石のせいかもしれんの?」

 

 いつもは部屋で寝てるベティが珍しく操縦室改め司令室に来ている。


 「というと?」

 「必要以上に大きいと鈍くなるじゃろ?

 逃げれなくて食い殺されるし

 獲物を取れずに餓死する。

 じゃが、体内に結晶があるならば

 体が軽い故に淘汰されん」


 なるほどな。

 頭を撫でて褒めてあげよう。


 「子供扱いするでないっ!」


 じゃあ、大人扱いしてあげよう。

 お姫様抱っこして部屋まで連れていった。

 三時間ほど部屋で遊んであげたら

 喜んでくれたよ。


 「高度50メートルを維持しつつ前進」


 これ以下だと首長竜みたいなのがいて戦いになるし、高度を上げると翼竜が絡んできて厄介なんだ。

 戦えば絶対に勝てると確信してるが、無益な殺生はしたくないし、何より面倒くさい。


 危険な恐竜がウヨウヨしてる森を飛んで抜けると、岩ばかりの場所に出た。ただの荒地ではなく進むほどに転がる岩は巨大になっていく。


 「見て下さい。あの岩、浮いてますよ」


 ハルナが興奮気味に話しかけてきた。

 それも無理は無い。

 この空飛ぶ家も大きいが、こんな家すら小さくて見えるような巨大な岩塊が浮いてるんだから。

 

 ここで俺は空飛ぶ家を高い位置に上昇させて、さらに蜂っ子を索敵に使って手頃な岩塊を探させた。


 その結果、見つけたのだ。


 縦10キロ、横5キロの岩塊だ。こいつを厚さ3キロで切り離して空に浮かべる。その空飛ぶ島を俺の国にするってわけだ。

 

 「希有壮大な夢ですね」


 と、サファイア。


 「夢じゃない。この土台を見つけた。実現可能で、これから計画を立てるんだよ」


 まず、輸送船として、空飛ぶ家と同規模の乗り物を作る。この輸送船をミッキーに任せて、必要な資材を輸送する。護衛は第一飛行部隊で、他に10人ほど雑用係として蜂っ子をつける。操縦はハルナとアキナに任せよう。


 厚さ3キロで切断するのは、ベティ先生に任せるしかないな。この大陸に来た時に山脈をぶち抜く勢いで道を作るって言ったから、大丈夫だと思うんだが、どうだろうか?


 「任せよ。ついでに土台部分の浮遊石の密度も増やしてやるのじゃ」

 「それはありがたい」


 人魚とエルフ、ドワーフを種族で招いて住んで欲しい。あと妖精や獣人も。

 

 とりあえず、人手が圧倒的に足りないな。増やす算段は、ついてるから実行しなくては。あとは日数か。



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