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第八十四話 戦闘後

 「なんじゃ、それは?」


 ベティ先生の質問に、俺は実際に乗ってみせた。意外と操作しやすいと思った。


 「おぉ!? 飛んだのじゃ!!」


 木を輪切りにして手摺りをつけただけの代物だが、実は空を飛べるのだ。まさに青天の霹靂である。


 しかも、こんなもんが100個もあって、それに乗った賊共に我が家は襲撃を受けたのだ。


 「見せるのじゃ」


 ベティ先生は興味津々で見ていた。


 「なるほど。そういう事か」

 「どういう事なんだ?」

 「木の中に浮遊石の細かい粒子があるのじゃ」


 水中に溶け込んだ浮遊石が、水と一緒に木に吸い上げられて、木の中で蓄積していった結果、結晶化する。

 そのなかでも飛べる力を持った物が、こうして利用されてるって事かな。


 「ベティの能力が無いと、こんな風に利用するしかないんだろ」

 「油断するでないぞ。ドワーフならば結晶化する技術を持っておるやもしれぬ」


 ドワーフか。

 確かに、あの種族ならあるかも。


 「分かったよ。気をつける」


 操縦室へ戻る前にキーラに会いに行く。


 「兵隊と騎士の娘達が活躍したって聞いたわ」

 「おかげで賊共を撃退できたよ」

 「もっと産めってことかな?」

 

 俺は頷く。


 「聞いてると思うけど、この大陸に来てから浮遊石の塊を何個も手に入れた。だから、この家をもっと巨大に出来る。空飛ぶ城とかにね」


 キーラは元々、蜂系種族だから巣を大きくするのは望むところなのかもしれない。城と聞いて笑顔になる。


 「どちらも足りなくなるのね?」

 「そうなんだよ。それで相談なんだけど」

 「キーラは女王の上の女帝にならないか?」

 「どういうこと?」

 「女帝になって、配下に女王を配置できないかと思ったんだ。女帝は兵隊を、女王は働き蜂を産む役割で、どうかなって思ってる」

 「従来には無い事ね」

 「それくらいしないと、いつか賊共に可愛いパートナー達が蹂躙されると思ってる」

 

 俺の真剣な表情を見て、キーラは頷いた。賊共に襲われなければ、以前に話した通りに、キーラの姉妹に産んでもらおうと考えてた。

 だが、それでは間に合わないので、女王を増やして能力の分身作成で増やしてもらうしかないと考えたのだ。


 「私達は、もう元の種族では無いし、私の主人はフェイロンだもの。貴方の考えに従うわ」

 「ありがとう。女王候補を二人選抜しておいてくれ」


 キーラとキスして部屋を出ると、操縦室へ向かった。


 「おつかれさま!」

 「勝ったわね!」


 ハルナとアキナが、それぞれガッツポーズとサムズアップをしてくれた。


 「二人の操縦のおかげで沈めてやったぜ!」


 さらに二人とハイタッチした。


 落ち着いたところで、伝令として控えてる蜂っ子に、各飛行部隊の隊長を呼ぶように伝えた。


 五分もしないうちに、ファントム、シャーマン、ブリュンヒルドがやってきた。


 「各飛行隊とも、お疲れ様でした。三倍もの敵戦力を見事に撃退した実力に感服してる。正面から戦うなら奴らは俺達の敵じゃないが、恐いのは不意打ちだと思う」


 三人の隊長は同意して頷いた。


 「我々も同じことを考えて、各部隊から小隊を出して警戒任務をしようと話し合っておりました」

 

 と、ファントム。

 それならば、俺の心配は不要だったな。


 「そうか、さすが俺達の家の守護神だ。せっかく話し合ってくれてたのに、呼び出して邪魔する形になったのは申し訳ない」


 それならば、隊長は操縦室に席を設けて、話し合いなどは、ここでしてもらうか。操縦士も俺もいるから、決断も早くなるだろう。


 ここは操縦室から、司令室に変更かな。



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