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第八十一話 魔王は放置で西へ行こう

 貴重な情報をレヴィから得た俺は、操縦室に行くと西へ全速移動の指示を与えた。


 「行けと言われたら、どこまでも行くけれど、大陸があるの?」

 「そうだよ。レヴィ情報だ」

 「分かったわ」


 ナツミは納得すると操縦に専念している。フユミは新しく大きなテーブルを運び込んで、地図を作成していた。

 前の世界のような精密さはないが、道標としては上等だろう。そこへローズムーンが来た。


 「あの、魔王は倒さないのですか?」

 「放置!」

 「ですが魔王に苦しめられてる人々が大勢いるのに放置するなんて…」


 ローズムーンが訴えるように言う。


 「俺達は魔王の別働隊を叩き潰したんだし、あの大陸の住人に貢献したろ?」

 「そうですけど…」

 「世界樹で生活してた連中は魔王討伐の軍を出したり、後方支援とかしてたか?」

 「私達は参加しましたよ」

 「冒険者として個人的にだろ?」


 地元の住人が参加しないのに、何で俺が貧乏クジを引かなきゃいけないんだよ。まぁ世界樹は遠いから仕方ない部分もあるが。


 「もし参加して大事なパートナーが死んだら悔やみきれないし、そうなる可能性は高い」

 「ならないかもしれませんよ?」

 「高い可能性でなるよ。この家があれば魔王の城に直接攻撃ができるんだぞ」


 中原国家連合に手を貸すとしたら、高い確率で家を接収されそうになるか、中原国家連合の選抜した勇者を満載して魔王城に特攻を仕掛けるハメになる。

 敵の本拠地に乗り込んで白兵戦とか、ジャンプの打ち切りエンドじゃんか。「俺達の戦いはこれからだ!」みたいな。


 「西の大陸で巨大な浮遊石を手に入れたら、魔王でも何でも捻り潰してやるよ。仮に無理でもエルフ族は救ってやる」


 ローズムーンは呆気に取られた顔をした。浮遊石を手に入れても戦力にはならないと思ったからだろう。


 「巨大な浮遊石を手に入れたら、空飛ぶ城、いや空飛ぶ都市を作れる。そうなれば兵隊蜂、騎士蜂が三桁から四桁の人数で養える。魔王なんか簡単に捻り潰せるだろ?」


 まぁ勝算はあるんだ。

 その大陸に辿り着けばベティ先生が、あっと言う間に浮遊石を見つけるだろうし、見つけたら精製してくれる。


 都市作りと蜂っ子を増やすので、一年くらいは時間が必要かな。余裕を見て三年あれば国家と戦っても負けないだろ。俺の言葉を大言壮語とみたか、それとも納得したのか、ローズムーンは引き下がった。


 俺は蜂っ子の増員について、キーラに相談しに行く事にした。


 「どうしたの?」

 「次に行く大陸には巨大な浮遊石があるはずだ。見つかれば、空飛ぶ城、空飛ぶ都市を作るつもりだ」

 「じゃあ、娘達が大勢必要になるね」

 「うん。でもキーラ一人じゃ間に合わないだろ?」

 「だから蜂っ子達にも産んでもらいたい」

 「私が能力で作成した娘は、生殖能力は無いから無理よ」


 そいつぁ、知らんかった!!


 「巣で私を助けてくれた時、姉妹も25人助けてくれたよね。姉妹達なら産めるわよ」

 「そうか、ありがとう」


 あるいは、蜂っ子の大人っぽい娘を、パートナー化する手もあるか?

 そう呟いたら、キーラに釘を刺された。


 「私の娘達を取り上げるのは、やめてほしいかな」

 「分かったよ。すまなかったな。姉妹達に産ませるのは、問題無いんだな?」

 「ないわよ」

 「でも、あの子たちは、まだ幼いんだよな」

 「私が作るローヤルゼリーを食べれば成長するから大丈夫」


 じゃあ、そっちはキーラに任せよう。

 子作り問題はオッケーだな。



 

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