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第四十五話 旅の途中

 西の鉱山都市に旅を始めて三日ほどで、国境の砦に着いた。


 「お前ら冒険者か。小さな子供なんか連れて行くと危険だぞ」


 蜂っ子を見て砦の人間は忠告してくる。ありがたい話だね。でも、見た目と違って強いから大丈夫だと説明する。口で説明するより早いと思ったのか飛んでみせた蜂っ子に、砦の人間も驚いてたな。


 ライムとサクラとスミレは、近隣の野良スライムを勧誘して、この砦の衛生環境の改善に取り組み始めた。

 別に依頼されたわけじゃない。あまりの汚さに俺が耐えられないからだ。だからライムに頼んでしまった。

 トイレから悪臭が消え、それに群がる虫が消えた。トイレ自体もスライムが綺麗に新品同様にしてくれる。

 急ぐ旅だってのに五日くらい長居してしまったが、どうという事もないだろう。ちなみにキーラは暇だったのか、毎日分身を作ってた。


 ちなみに俺好みの発育の良い美少女ばかりだったので、キーラを褒めておいた。これで蜂っ子は65人に増えたな。


 衛生環境を整えてから、再び旅に出たが砦で働く者達から、最敬礼で送り出された。良い事をすると気持ちがいい。


 西の砦を出てから一日ほど歩くと、だんだん荒涼とした土地柄に変化してくる。歩いても歩いても岩ばかりの景色になってくるのだ。


 そうなると変化の無い景色で詰まらないから、身内の会話に気が向くのだけど、ライム達の会話が耳に入ってきた。


 「これで中央都市、東の砦、草原の城に続いて、西の砦もスライムの重要性を認識しましたね、ライム様」

 

 と、スミレ。


 「いえ、スライム治療術を広げて、更なる地位向上を目指しましょう!」


 と、サクラ。


 「その通りよ。その為には私達のようなパートナーになりし者が、もっと必要なのよ。その為にもフェイロンに忠誠を尽くすの。分かるわね?」


 と、ライム。


 「「昼間は剣となり盾となる。夜は娼婦のように淫らに尽くす」」


 と、サクラとスミレ。


 ザワッとなった。みんな、それなりに周囲の会話を聞いていたのだろう。ちなみに俺はパートナーから、娼婦のように尽くしてもらった事は一度も無い。


 「それなら今晩は私が交尾の相手を致しますわよ」

 「じゃあ、明日はボクがやる」


 サァベルとリルが名乗りを上げてしまった。ユーリとミッキーはパスで、キーラはパスしようとしたが蜂っ子達が許さなかった。


 「お母さま、スライム娘がヤル気になってますから、こちらもやらねば。交尾後の分身は働き蜂の他に、戦う蜂を生み出せるんですよ」

 「でも・・・でもぉ〜・・・」


 はぁ〜っとため息をつく蜂っ子。少し雰囲気が変わる。


 「仕方ないです。どうしても心細いなら、私も一緒に抱かれますから大丈夫。若い母と娘を同時にってのは、男の憧れだそうですから」

 「そうなの?」


 二人の会話を聞いてユーリが親子丼と呟いて、呼吸が荒くなっている。お前が興奮してどうすんだよ。


 俺も男だしハーレム願望はあるが、それをやるのは今では無いのだよ。それを説明するのに骨が折れた。なんていうか、安全な場所を手に入れるまでは、ちょっとね。

 


 その安全な場所ってのも、理想があってね。



 アース・クロニクル・オンライン。俺がこの世界に来るキッカケとなったオンラインゲームである。


 オンラインゲームでは、複数のプレイヤーがギルドを結成するのは定番だ。


 アース・クロニクル・オンラインでもギルドはあったが、それ以外にもプレイヤー個人が作る組織があった。


 このゲームではプレイヤーは無料で複数のアカウントを持つ事が出来た。自分の知る限りでは22アカウントを持ってるプレイヤーがいたくらいだ。

 同じプレイヤーのキャラでも、アカウントが違えば不自由な事が多かった。例えばキャラ間でのアイテム受け渡しがそうだ。

 PC二台無ければ出来ないわけで、ツールはあったけど公式サイトで禁止と明記してあったから使えなかった。

 だからPCを二台持ってない奴は、他のプレイヤーを頼るしかない。でもトラブルも多かった。


 それで出来たのが、ファミリーって個人組織だった。ファミリーを立ち上げて、アカウントを登録すると、登録したアカウントキャラのみ入れる城が登場する。


 城に入ると、他のアカウントのアイテムBOXから出し入れ出来るし、全アカウント共有のアイテムBOXなんかもあった。


 ファミリー所属キャラには、ドアノブが配られていて、それを使えば何処からでも城に入ることが出来た。


 課金すれば部屋数は増やせるし、部屋の中もカスタマイズできるし楽しかった。ファミリーメンバー以外は絶対に入れない。セキュリティは万全だったのだ。

 あんな城みたいなのが、この世界にもあれば、ハーレムも楽しめるんだけどな。


 セージュの妖精の里は、あの城に似たところがあって、うらやましいよ。

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