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第四十一話 増えた蜂っ子とスライム

 一カ月が経過した。蜂っ子の数は60人に増えた。勿論、キーラを無理矢理に手込めにしたわけではない。

 蜂っ子達は色々と煽ってくるのだが、キーラが蒼白になって泣きそうになるので、可哀想で出来ないんだ。


 もう女王蜂の威厳は無いね。


 念のために言っておくと、蜂っ子達は他のパートナーに対しては、煽ったりしない。女王蜂の仕事をしないキーラに対してだけだ。


 この事に深く安堵したのはユーリだった。中身が雄のユニコーンだから、男性とする事に嫌悪感がある。

 蜂っ子達に裸にされて、無理矢理に種付けされるかもと怯えていたのだ。宥めるのが大変だったよ。


 「私達の女王なので言ってるのです。他の方には、それぞれ事情があるでしょうから、それを知らない私達は、とやかく言えません」

 

 と蜂っ子が言って、ようやく落ち着いたんだよなぁ。言ってくれた蜂っ子には感謝だ。



 増えた25人の蜂っ子達は、キーラの能力の分身作成で産まれた。一日に一回しか使えないので、一日に一人が産まれるって事だね。

 新しい蜂っ子は容姿も能力も、従来の蜂っ子と同じだが、キーラのことをお母さまと呼ぶ。俺の事はお父さまと呼ぶ。

 これはキーラが俺を意識して能力を使ってるから、蜂っ子はお父さまと呼ぶようになるらしい。妹の蜂っ子が教えてくれた。



 「だから、押し倒して一発仕込めと言ってるのです」

 「なぁに大丈夫です。キーラ姉さまなんて、やっちまえば、こっちのもんですよ」



 それは悪党のセリフじゃないかな。とは言っても、何もしないとヘタレ認定してくるし、キーラへの風当たりが強くなるので、キーラに負担がかからない程度にやっている。



 「父と呼ばれたよ。キーラには、あなたと呼んで欲しいな」



 とか肩を抱き寄せて、耳元で囁いたりアピールしてる。蜂っ子達の厳しい視線が痛くて辛いが、何とか頑張ってる。


 ちなみに蜂っ子を増員したのは、中央都市の土木・建築工事の依頼が来るからだ。あと商家、宿屋、ギルドから家事の依頼も来るしな。

 土木・建築工事は空を自在に飛んで作業できるのが大きいようだ。足場を組んだりしなくて良いからね。なにより可愛いし、仕事も完璧だし、蜂っ子軍団は人気があるようだ。


 「もっと増員しても構わないぞ」


 と、蜂っ子に菓子を与えながら、ギルマスが俺に言ってきた。娘が独立したからって、ありあまる父性愛を炸裂させんなよ。


 それからライムの方だが、さらに五人をパートナーにして欲しいと頼んできた。都市でスライムを管理するのに、人材が足りないらしい。

 今まで都市で活躍したスライムを五匹連れてきたので、早速パートナーにした。


 アオイ、アヤメ、イチゴ、スズナ、ランと命名しておいた。容姿は最初の五人と同じで、可愛いけど地味な印象だ。

 スタイルも良いけど、サァベルやユーリ、キーラあたりと比較したら普通な感じ。


 「それで10人になったが、どうするんだ?」

 「中央都市で衛生管理ギルドが新設されるので、私達に仕事を担当して欲しいと、行政より依頼があったの。その仕事を10人でやるよ」


 これまでは冒険者ギルドに依頼が来てた。しかし規模が広がると話は違う。本格的に動くなら、行政がやるべきだとなったらしい。

 そこで衛生管理ギルドの新設となったが、スライムと意思疎通が出来なければ意味がないので、ライム達が職員としてスカウトされたそうだ。


 いや、スライムに安住の地をってノリで始めたけど、凄い事になった。ライム達は公務員みたいなもんか。


 しかし、不満は一つある。

 それはスライムを扱う最強の人材が、ライムなのにギルド長に任命されなかった事だ。


 「私が辞退したのよ」

 「何故? 勿体無いだろ」

 「責任者になったら、フェイロンが冒険に行く時に、連れていってもらえないから」


 そりゃ仕事があれば、おいていくしかないよな。一緒にいたいから責任者は辞退したとか、可愛い奴だなぁ。


 「ライムは一番最初の仲間だもんなぁ。絶対に手放さないから覚悟しとけよ?」

 「うん」




 ちなみに、ライムは更なる組織の設立を迫られる事になった。きっかけは俺とライムとサクラで現場を視察してた時の事だ。


 まだ、トイレやゴミ捨て場にスライムを配置してない区画があった。不衛生な場所なので、怪我をすると傷口が化膿したり、酷いと壊死してしまう。

 実際にそういう住人と出会ったのだが、ここでサクラがスライムを利用した治療を行った。

 まず化膿した部分、壊死した部分をスライムに食べさせる。

 次に傷口を綺麗にしたら、スライムに傷口を覆わせた。これは傷口に細菌が入るのを防ぐ目的の他に、痛みなどの感覚を遮断するためである。

 最後に身体再生を付与して、数日間様子を見るというものだった。


 その結果、怪我人は回復して仕事を出来るようになった。ライムと違い、サクラ達には感覚遮断が無い。それをスライムを使ってカバーしたのは見事だと思った。


 これが評判になって、格安の治療院を作って欲しいとの要望が出されたのだ。金持ちは回復魔法を使えば良いが、貧乏人には必要ってわけだ。


 「フェイロン、勤務表を作るの手伝って」


 快く了解して10人で、どう仕事を割り当てるか、ライムと二人で悩むのだった。

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