第三十六話 巣の中で。
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最下層の床に穴をあけた時に、予想は出来ていたけども、そこは蜂が不要なゴミを捨てる場所だった。
天井を探すと、ゴミを捨てる為の穴が見つかった。
「あそこから侵入しますか?」
妖精が聞いてくる。妖精は楽に通れそうだが、俺達は無理だろうな。だから壁際の天井に穴を開けてもらおうか。
「了解です!」
天井に穴を開けてもらえれば、壁は傾斜があるし、デコボコして掴みやすいので、俺でも登れる。
ゴミ捨て穴からの侵入は妖精に任せて、俺達は壁際の穴から侵入しよう。リルとサァベルが先陣として上がっていく。
戦闘の音が聞こえないので、何も居なかったのだろう。ミッキーとライムが登り、最後は俺が登った。
さすがに飛べる奴が作っただけあって、通路は前後左右だけでなく上下にもあった。これは中から攻略するのも大変だと思う。
クリティカル攻撃を持つミッキーに、壁を破壊するように指示をだす。ミッキーのクリティカル攻撃で壁は簡単に砕け散り、外から光が差し込み、巣の中が照らされた。
その穴を広げるように頼む。すると妖精が五人ほど飛んできたので、巣の壁を破壊して出来た穴から侵入して、白兵戦を行うように依頼する。
妖精の一人がセージュの元へ飛んでいったので、おそらくは白兵戦の許可を取りに行ったのだろう。
そして妖精が帰ってくる前に、魔法弾が上がり妖精達を下へ退避させると、強烈な魔法による砲撃が始まった。
俺達がいる事を考慮して、巣の上半分を狙ってるようだ。物凄い振動と爆発音が鳴り響く。俺が見ている穴の外には、砕けた外壁がバラバラと落ちていく。
直後、今度は巣の中から爆発音が聞こえてくる。ゴミ捨て穴から侵入した妖精達だろう。目の前の壁にヒビが入ったと思った瞬間に砕けた。
「この壁の向こうに、キラービーのサナギがたくさんいたので、殲滅してきました」
チクリと胸が痛む。
互いの生活領域が広がれば、必ず人間側の犠牲者がでるんだよ。それは子供や老人など、弱い存在なんだよな。
いや、屈強な大人だって、やられてしまうだろう。元の世界でスズメバチが獲物を肉ダンゴにして幼虫に食わせるように、この世界では下手をしたら人間がやられるんだよ。
仕方がないんだ。
砲撃音と振動が止んだので、穴から外を見ると、次々と妖精が巣に乗り込んでいく。上から叫び声や破壊音が響き始めた。
完全に出遅れたようだ。
上下移動をなめてたなー
こんなに移動しにくいとは。
サァベルとリルに、先に行って女王蜂を倒してこいと言ったんだが、俺から離れない。離れた隙に俺が殺されたらと不安なのかもしれない。
一心不乱に登り続けて、そろそろ巣の半分あたりまで来たかと思った頃、わーっと歓声が上がった。わりと近いようだ。
「手柄を妖精達に取られましたわね」
少し残念そうにサァベルが言った。今回は完全に俺が足を引っ張ったからな。そう詫びると、サァベルは恐縮して、「そんなこと、ありませんわ」と言ってくれる。
とりあえず女王蜂のところに行きたいので、飛んできた妖精を捕まえて案内を頼むと、快く案内してくれた。
「戦力は倍以上も違ったし、最初は死ぬ覚悟もしてたけど、犠牲者も出なくて良かったです」
と、ニコニコしてる。
今回は妖精の力が無くては、どうしようもなかったからな。
「ここですよ」
案内してくれた妖精に礼を言うと、妖精は微笑んでから去っていく。仲間に欲しいな。セージュの仲間だから、勧誘できないけど。
案内された場所には、外で見た奴より倍くらい大きな蜂が転がっていた。魔法で集中攻撃を食らってボロボロになって死んでた。
「こっちは生きてるよ。トドメを刺す?」
リルが声をかけてきたので、見ると女王蜂より少し小さい奴が、身体半分が吹き飛んだ状態で転がってる。これで生きてるって、やっぱり虫の生命力って半端ねーな!?
「俺のパートナーになれ」
ジャイアントキラービーの体に触れた。
読んで下さった皆様。
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