第二十一話 ユニコーンへの道
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キマイラほどの魔獣をパートナーに出来たら、俺のパーティーは強くなる。サァベルと二人で前衛を任せる事ができる。
誰かがトドメを刺して殺す前に、パートナーにするのだ!!
あと少しで、手が届く。
あと僅かって時に、それはきた。
光り輝く巨大な剣がキマイラの体を貫通した。
そしてキマイラの体は塵の塊だったかのように霧散してしまった。
なんて事をしやがるのか!!
「おーい!大丈夫か!?」
近寄ってきた男は、ほのかに輝く全身鎧を装備している。
いきなりサァベルが俺に抱きついた。側から見れば、今更恐くなって抱きついてきたようにも見える。
だが違う。
キマイラをパートナーにするのを邪魔されて、怒った俺が喧嘩を売るのを止めようとしたのだろう。ガタガタ震えてるのをみると、相手は人外レベルで強いようだ。
「オリハルコンの鎧よ、あれ」
近くに来たエルフィンが言う。魔力を通すと輝き、布のように軽く、ゴーレムの一撃すらダメージを通さないし、魔法耐性も非常に高いらしい。
「狼煙を見たので来たんだ。低ランクだと危ないと思って攻撃したけど、君達なら大丈夫だったようだな」
武勲の横取りをしてしまった。
そう言って頭を抱えてる。
これくらい強ければ、弱い奴なんか気にしないと思ってたけど違うらしい。
・・・少なくとも、コイツは。
「草原の民の為になるなら、誰が倒そうが関係ないですよ」
こいつは悪くない。これは不幸な事故だったのだ。そう思えば、こんなセリフも出る。人外な強さの男もホッとした表情だ。
「そう言ってもらえると助かるよ」
じゃあ、急ぐからと言って立ち去りかけたのに、また戻ってきた。
「ここから北に行くと、森の中に美しい湖があるんだよ。そこにユニコーンがいるから、会ってみなよ。なんだか困ってたみたいだからね」
はい、とペンダントを渡された。
これは?
「ユニコーンの湖には結界がある。それを通り抜けるためのアイテムだよ」
こんなアイテムを、ひょいっとくれるなんて、こいつは一体何者なんだろう。そう思った時には、名前を聞いていた。
「ローエングリンだ。普通の戦士だよ」
名乗ったあと、振り返らずに去っていった。
普通の戦士ってのは嘘だな。
サァベルが、こんなに怯えるんだから。
「あれが伝説の騎士。故郷で一緒に旅した者がいますけど、もう400年前の人ですよ」
エルフィンがアイドルの追っかけみたいな表情をしてる。珍しいな。
「なら、偽物か。好意的に言うなら、名前を継承してる奴か」
「おそらく本物じゃないでしょうか?」
「人は400年も生きられないぞ」
それくらい知ってんだろ?
「あの方と旅をしたエルフから聞いた事があります。聞いた時は冗談だと思ってましたが。人間は種族の限界を超える方法がある、らしいです」
その方法とは?
「分かりません」
その限界を超えた奴が何をやってんだろうな。
隠居生活を楽しんでるようにも見えないが。
世の中には知らない方が良い事もある。
とりあえずは、ユニコーンに会いに行こう。
エリックもミリーシャのおかげで、体を起こせるくらいには回復したみたいだ。オルソンも平気だな。
「身体再生は、ありがたいけど・・・」
「けど? けど、なんだ?」
「いや、あれがうらやましいな、と」
ああ、なるほど。
女の子に回復してもらいたいよな。
オルソンに任せろと小声で囁いて、マリアに声をかける。
「マリア、念のためにオルソンに回復かけた方がよくないか?」
「分かったよ、オルソン大丈夫?」
オルソンに親指を立てて健闘を祈る。「こんなの大丈夫だ!」とか強がりが聞こえるけど、「すまないな」と、少し弱気に行くのと、どっちが良いだろうか。
とあるロボットアニメだと、最後の要塞戦で、「情けないよ」と泣いて、ヒロインのハートをゲットした奴がいたけども。
しかし普段から弱気な事を言いまくると「軟弱者!!」と、往復ビンタをされて好感度が激減したり?
難しいものだな、人の心は。
とりあえず、ローエングリンにもらったアイテムの話をして、ユニコーンへ会いに行く事が決まったのだった。
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