第十九話 草原の城
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柱と屏風のようなもの、分厚い布、そんな物を上手く使って個室めいた空間を作ってるようだけど、よく分からない。
細部を見てみたい。
いきなり手を引っ張られた。
我に返るとマリアが呆れて見てる。
「ギルドに行ってからだってば!!」
「ご、ごめん。珍しくて、つい」
「本当にもう」
ここでフリーの腕を掴まれた。いや、腕を組まれた。気分は犯罪者だ。見ると組んでるのはエルフィンだった。
「あー、なるほど」
そう言ってからマリアも腕を組んできた。二人はギルドへ連行するつもりなんだろうけど、俺的にはハーレム気分である。
「好奇心でフラフラして迷子になりそうとか、まるで子供じゃないの」
と、エルフィン。
仕方ないなーと副音声で聞こえてきそうだ。子供扱いをされるのは、それもエルフにされるのは洒落にならないと思ったので、アダルティに返してやるのだ。
「俺は子供じゃないぞ」
「どこがよ?」
「今は女体の神秘を研究中なんだ。エルフィンも研究させてくれないか?」
「アハハハ! そんな事を言っちゃうトコが子供なのよ。ううん、クソガキとかバカガキってレベルね」
あぁッ!?
言わなきゃ良かった。子供扱いから、クソとかバカがつくガキ扱いになっちまった。もうエルフィンには逆らわないと決めた。
「ちょっと、腕をゴソゴソ動かさないで」
「すんません」
「ホントにしょーがない子だなぁ」
さらに腕をガッチリとホールドされた。そんなエルフィンを見てマリアもガシッとホールドしてきた。
もうギルドが近いのだろう。
周囲からヒソヒソと聞こえる。
いや、性犯罪とかしてねーから。
分かるだろ?
そんな事をやったら、エリックとオルソンが組んでくるよ。それも関節を決めながら。女の子が組んだら御褒美じゃねーか。
「なんだぁ? そいつは女の下着でも盗んだのか?」
カチンときて言った奴を睨みつける。
そこに身長2メートルの黒人がいた。違うのはミノタウロスのような角がある事だ。
「鬼か?」
「いや、俺は獣人だ。鬼は極東の島国にいる」
東の港から船で10日も行くと、島があって鬼族は、そこで生活してるとエルフィンが教えてくれた。
俺がエルフィンから学んでる間に、エリックが仕事できた旨を説明してる。そして俺の名前も教えていた。
「お前が生活向上のフェイロンか。噂は聞いてるぜ。俺はバッファロー・アレンだ。ここのギルマスをやっている」
生活向上って、もっと強そうなのが良いな。東方不敗とか、双剣無双とか。
「贅沢ぬかすな。二刀流じゃねぇだろ。それに最初は清潔便所が候補だったらしいぞ?」
清潔便所のフェイロンなんて絶対に嫌だ。何で草原の国のギルマスが知ってんだよ。
「野暮用で中央都市に行ってな。その時に聞いたんだ。ちなみに生活向上は俺が提案した」
「心より感謝を!」
「お、おう」
なんてやり取りをした後
俺達はギルドに入った。
「早速だが、ユニコーンの件で来てもらったわけだが、それどころではない事態になっているんだよ」
「と、申されますと?」
ギルマスはテーブルに地図を広げると、×マークを指差していく。全部で五カ所あった。
「その印の場所に移動村があるんだが、そこで牝馬が食い殺された。死体を調べると、大型の肉食獣に襲われたらしき痕跡があった」
大型の肉食獣と言われて、思わずサァベルを見てしまう。サァベルは残像が残りそうな勢いで、首を横に振る。ごめん、疑ってないから。
「ユニコーンが姿を消したのは、その猛獣が原因なのでは?」
「かもしれんな」
「ならば、我々も猛獣退治に参加しましょう」
エリックの提案にギルマスは頷いた。ただし、太い釘を刺された。こんな風に。
「では、お前達にも頼もう。だが、襲ってるのが猛獣ではなく、魔獣だったら逃げろよ」
こうして俺達は翌日、出発したのだった。
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