仮説6 麹菌がコロナから日本を救う?
この話は、一度完了していたのだが、その後、いろんな考え方が広まるにつれ、仮説は5つでは済まないと思い、話を続けていくことにしようと思う。
先日、ある夕刊紙で面白い記事をみかけた。鹿児島の麹屋(種麹の専門業者)を100年以上も営む「河内源一郎商店」の3代目河内源一郎こと山元正博氏が「麹菌がコロナから日本を救う」と言っている。
詳しいことは今後の連載に任せたいのだが、私がここで言いたいのは、麹菌がコロナの感染を抑えている可能性があると思ったからだ。麹菌はカビの一種だが、東アジア特有のものだといわれる。同じカビ菌でも欧米のチーズ等を発酵させるものとは明らかに組成が違うので、発酵方法がまるで異なるのだ。
日本酒をはじめとする東アジアの発酵酒はほとんどがこの麹を活用したもので、それ以外にも醤油や味噌、ぬか漬け、あるいは東南アジアのニョクマムなども麹を活用している。
実際に、麹菌がコロナウィルスを食べるとか、殺すという作用をするかどうかは、今後科学者に任せるしかないが、アジアでコロナウィルスの感染が比較的少ないことがここまで謎とされているが、この麹菌がそのファクターⅩになる可能性はかなりある。
なぜなら、麹菌は乳酸菌などとも共に、家付きの菌ともいわれ、それぞれの家に独自の菌があるとされている。同じ糠を使っても家によってぬか漬けの味が違うのは、家付きの麹菌が違うからだとも言われる。つまり、アジアには、家の数だけ麹がいる。高級な家ばかりではなく、スラムのような地域でも、いや、むしろ綺麗な億ションより、スラムのほうが麹菌は繁殖している可能性は高い。
だから、もし、麹菌がコロナウィルスを食うようなことがあれば、アジアの場合、誰かが家にコロナウィルスを持ち込んだ場合も、麹菌がコロナウィルスを食い、そこでコロナウィルスが家の人間に移す可能性を抑えているのではないかという考え方ができる。
これは、自宅で感染したという人たちに、家でぬか漬けをしているかどうかを聞いてみればわかる。もし、家庭内感染した人の多くが家でぬか漬けをしていない。しかも新築(古い家はぬか漬けをしなくても家付きの麹菌が繁殖するといわれる)の家に住んでいるのであれば、麹菌が家中にないかあるいは少ない可能性が高く、コロナウィルスが家中で生存する可能性が高まり、感染力を抑えることができなかったのかもしれない。逆に、古い家やぬか漬けをする家に住んでいる人が少ない場合は、家付きの麹菌がコロナウィルスをかなりの量、死滅させている可能性が高まる。
もちろん、麹菌だけがコロナウィルスのファクターⅩではないだろう。麹文化がないと考えられるニュージーランドやオーストラリアでもコロナは比較的感染者が少ないとされる。しかし、幾つかあるファクターⅩの一つに麹菌が含まれている可能性は極めて高いように思う。これは、早く専門家に調べて欲しいと願わざるを得ない。