仮説4 玄関で靴を脱ぐ(土足で家のなかに上がらない)
仮説4 玄関で靴を脱ぐ(土足で家のなかに上がらない)
これは、仮説2と同様日本人の古くからの生活習慣であり、仮説2に含めてもよかったのだが、仮説2が個人で行う生活習慣であるのに対し、これは日本人(もっといえば、日本社会)がはぐくんできた生活スタイルであることから、別項にした。
日本人が靴を脱いで家の中に入る習慣はいつから身に着けたのかは不明だが、時代劇などで、宿場などで宿に入る際に、どんなお客様に対しても、草履を脱がせ、桶で足を洗うシーンを見かける。もちろん、当時の舗装していない土の道路を藁で作った靴(草履)で歩くわけだから、足が汚れているのは必定。その足で宿に入れば、あっという間に泥だらけになってしまうわけだが、少なくとも、この時代には、草履(靴)を脱ぎ、部屋に入る習慣は日本人にはあったものと思われる。
一方、欧米人は、皮で靴を作り、特にアメリカやフランスなどでは降水量自体もそれほど多くないとはいえ、靴でそのまま家の中に入り、下手すればベッドまで靴を履いたまま、横になることも珍しくない。
ウィルスがどうのこうのという以前の問題で、日本のほうがきれい好きといえそうだが、ウィルス感染という問題は、それ以上に大きな違いを生むと思われる。
なぜなら、ウィルスは前段でも記したように、多くは飛沫として、人間の体内から放出される。飛沫(唾、痰、咳、鼻水といった水分を含んだ状態)として放出されるため、空気よりはるかに重いわけだから、当然数メートル飛散したあとに地上(床や道路)に落ちる。その後、どの程度ウィルスが生存しているかは、条件によってかなり違うだろうが、物質によっては、数時間から数日にも及ぶ可能性あるという。
つまり、外出した際に、どんなところを歩くかなどというのは、あまり選ぶことができないわけで、どんなところで、靴の裏側にコロナウィルスが付着してしまうかは想定することは不可能である。
だが、欧米のように靴を履いたまま家の中に入るか、あるいは日本のように玄関で靴を脱ぐかでは、家の中にウィルスを持ち込む可能性は天と地ほどあるのは、考える必要もないだろう。
だからこそ、こうした仮説が実際にコロナウィルス感染に対して、どの程度意味があるのかないのかは、明らかにして欲しいし、もし、大きな意味があるのであれば、コロナ後の世界の生活様式が一変する可能性だってある。そういう意味でも大きな研究課題にしても良いように感じるのは私だけだろうか。
検証方法
一番わかりやすいのは、海外で暮らす日本人で、海外でもお風呂に毎日入る習慣を続けている人と、お風呂に入る回数を減らしている人での感染率を調べるか、逆に日本に滞在している外国人で日本人のようにお風呂に毎日入る習慣に変更した人と従来通りの入浴習慣を続けている人での感染率を調べれば、お風呂の有効性が立証できるのではないだろうか?
仮説5 雨はどこまでコロナウィルスを流してくれるのだろうか
5月のゴールデンウィーク開け以降、東京をはじめてとして感染者数は減少傾向にある。PCR検査数の問題が解決されていない以上、一喜一憂するべきではないと思うが、増加するよりは減少傾向にあることは素直に喜びたい。
もちろん、これは4月10日に発出された緊急事態宣言により、行動変容を求められ、多くの国民がそれに従い、不要不急の外出を控えた効果がでていることは間違いないだろう。
その一方で、私はもうひとつの要因があると思っている。それが雨である。
緊急事態宣言の要因だけでないように思えるのは、確かに緊急事態宣言以降、渋谷駅や新宿駅などは80%を超える往来の減少がみられた。その一方で、一部の商店街などでは、ほとんど変わらないどころか、宣言以前より増加していた場所も少なくないという。
そんな状況でありながら、東京の感染者数の減少の仕方などをみていると、正直減りすぎているように見える。私などは、小池都知事がまた人数を少し操作して、あとで修正するつもりなのかと勘繰っているくらいだ。
ただ、連休明けの7日などはPCR検査も東京だけで1000件を超える数が集計(7日に検査したのか、連休中の数字が加算されたのか不明)されている。それでも連日二けたの感染者数で済んでいるのだから、減少傾向であることは間違いないだろう。
では、緊急事態宣言による行動変容以外の要因になりうるものは何かといえば、東京でいえば4月13日(132mm)と18日(89.5mm)、2回もこの時期としてはかなりの大雨を記録している。ちょうど緊急事態宣言が発出された直後であり、しかも18日は緊急事態宣言を全国に拡大した直後の土曜日である。外出したくても外出したくなくなるぐらいの強い雨が降ったのだ。
だが、私が言いたいのは、雨(強雨)によって、外出が減少したということではなく、雨そのものがウィルスを洗い流してくれたのではないかということだ。仮説4でも書いたが、この新型コロナウィルスはかなり長時間生存しているとされる。だから、感染者が多数いる状況では、街中どこにウィルスが残存しているか不明である。ところが、この13日と18日に降った2回の雨は、おそらく、街中にあるウィルスをすべて洗い流してしまったのではないだろうか?つまり、それ以降は期せずして街中にウィルスが全くない状態に戻すことができた。だから、自粛が効果的になったのではないかと思うのだ。
もし、この仮説が正しければ、日本はこれから梅雨を迎える。あるいは、集中豪雨もあるだろう。そうした雨が、その時点で流行していてもリセットしてくれる可能性が高くなるということだ。これは検証してみなければわからないが、感染が爆発していた時期のイタリアやフランスはほとんど雨が降っていなかったのではないだろうか?また、降ったとしても1日で10~20ミリ程度の弱い雨しか降っていないのではないだろうか?
雨の量とウィルスの残存の仕方みたいなものを検証していただきたいと思う。
検証方法
できれば日本以外の海外の都市で、1日に50mm以上の雨が降ったあと、感染者数が減少したのか、変わらないのかを調べる。日本は、雨が降ったタイミングが、緊急事態宣言を発出した直後だったので、感染者数が減少した理由が、雨によるものか、緊急事態宣言によって、接触率が減少したことによるものなのか判別がつかない。雨による外因を確定させるためには、日本以外の都市で検証する必要があるように思う。
以上が現状で私が考える日本で新型コロナウィルスが爆発感染しない理由(仮説)である。繰り返すが、私は専門家ではないし、むしろ素人だ。ここに書いたことも必ずしもデータを取って書いているわけではない。しかし、ここに書いてあることを明確に検証してある記事を見たことがない。ここに列挙した仮説のうち幾つかでも立証できるのであれば、それは明確に日本の力となり、今後のライフスタイルに対しての自信につながるだろう。また、日本式のライフスタイルを世界に広めることで、世界中をウィルスに対応できる社会に変えることも可能になるかもしれない。
素人のたわごとと受け取らずに、一人でも多くの専門家にこれらのことを検証してもらいたいと切に願う。
蛇足
今朝、私の母(両親と同居していて、母は今年89歳になる)が、「町中でコロナを感知できるシステムがあって、『ここは危険』なんていうのが分かるようになれば良いのにね」なんて言っていた。
でも、これはもしかすると可能かもしれない。例えば、現在、東京で下水による感染拡大の検知を試みているが、下水をPCR検査して、その変化を毎日告知させるとか、あるいは街中に息を吐きかけるマイクのようなものを設置し、それに吐きかけられた息をその場で自動検査できるようなシステムができれば可能かも。もちろん、現在は無理だが、10年ぐらい先にはそういうシステムができているかも・・。20年前には今のように街中に防犯カメラがあり、そこから、顔を認証して追尾できるようになるなんて考えられなかった。科学の進歩はすごいもの。そうなれば、良いのだが・・。