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静電気は最強に憧れる  作者: ウエハル
開会
6/49

下克上と来訪者




あれから俺は何も考えられず、ただただ医務室のベッドで頭を抱えて寝そべっていた。怪我は治してもらったが、痛みが消えた気がしない。既に一回戦は丁度全て終了しているが、関係ない。



何か人の足音が近づいてくる。

「金崎さん!金崎さん!」

何かあったのかと問いたいぐらいの勢いで誰かが医務室に入ってくる。多分、さっきもいた医師だろう。

「金崎さん、もう痛みはありませんね?」

前髪が後退している白衣を着た初老の男性がそう聞いてくる。決めつけた言い方があれだが、治す能力を持っている以上これが自然なのかもしれない。

「…はい」

目を合わせる勇気もない。人に会う勇気もあるかどうか。

「それよりも朗報ですよ!」

我が子が生まれたかのように笑顔で言ってくる。今日初めて会ったばかりなのに…結構いい人なのかもしれない。


「なんですか…敗者復活戦でもやるんですか?」


「そうなんですよ!!」



「…え?」





『さて遂に始まります!急遽決定した敗者復活戦ッ!ルールは簡単!支給されたネックレスを奪い合うバトルロワイヤルッ!!全参加選手のネックレスを一番早く奪った者が勝利ィ!』

ざっくりとしたルール説明が会場中に響き渡る。控室にいる秋雄の首には黒い紐に真四角の機械のようなもの付いたネックレスがかかっている。

『一度ネックレスを奪われても奪われてから3分以内なら取り返すことが可能ッ!3分経つと敗退となりますが!その後も試合は続行可能!その場合ネックレスを集めても勝ち上がることはできません!しかも今回は特異能力を使用しない攻撃を許可されています!もちろん特異能力を使わずに勝利するということもありえますッ!そしてなんとなんと試合場を変更いたしますッ!!』

すると会場のモニターが晴天の空と共にエメラルドグリーンの海に浮かぶ島を映し出す。会場の視線が一気に集中する中、カメラは上空に移動し、また下降し頭上から選手を映し出す。

『この島「カーリナーアイランド」は一年前に出来たばかりの国の境界なしの孤島!今回は特別に貸切となっておりますッ!そして今カメラが選手を捉えました!』

カメラはそのまま島の沿岸部を一周するように移動し始める。島の沿岸には一定の距離を置いて選手一人ずつが立っていた。

『このまま一気に参加選手を紹介いたします!まずはスウェーデンからアルフレッド・コールマン!続いて我が国から金崎秋雄!そしてインドからマデュア・スダニ!最後にケニアからオドゥオール・キバキ!』

4人の紹介をし終わったはずのカメラは止まらずに移動し続ける。



『そしてそしてそしてェッ!!なんと飛び入り参加!?手紙の配達が諸事情により間に合わなかったということで特別に飛び入り参加が許可されましたッ!こちらイタリアからやって来たァッ!イグナツィオ・ロッシィイーーッ!!!』


カメラには全身真っ黒でタートルネックの少々強面で体格の良い男が映り出される。髭がないあたり若く見えるが体格の良さからか30代くらいのような印象だ。

『飛び入り参加ということでロッシ選手のみ武器の持ち込みが許可されておりません!』


ロッシは腕をまくり、サングラスを外し微笑む。

「とうとう帰って来た…日本!」



そんな長く続けるつもりはないので敗者復活戦入ります。

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