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静電気は最強に憧れる  作者: ウエハル
閉会後の決戦
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イマジン・ドラゴンズ その7




「アクアァァーーッッ!!!!」

ストライカードは顔を曇らせ、穴に向かう。

穴まであと数メートルというところで、それは立ちはだかった。



「きっとできるとか…奇跡が起きてくれるだとか思って気安く動くのは感心できないな…」



目の前に現れた黒く光沢のないバランスボール大の物体。

それは『ナイト・ヴィジョンズ』のあの黒い液体ではなく、形作られた物体だった。

冷静ではなくなっているストライカードは問答無用でその不思議な黒い物体を圧縮した。


「!」

その物体を一瞬で潰したつもりだったが、その物体はまだ宙に浮いていた。

姿を変えて浮いていたのだ。

槍のように細長く、光を全て飲み込み自身を輝かせ、美麗で洗練された物体。


「これは…ダイヤ!」

ストライカードは炭素を潰してしまったことでダイヤモンドに変えてしまった。

慌てて圧を高め折ろうとしたが、もう遅かった。



「自分が「善」だと思い込んで「悪」に必ず勝利するなんて考えは通用しない……強さを求めることこそが人間の生きる意味であり人間の有るべき姿…本当の「善」なのだよ…さしずめお前は…強さを求める者に敗北した「悪」だ…」




心臓を貫かれ、深紅の液体は涙のようにゆっくりと大胆に流れた。

二度目の敗北。隙を見せてしまった自分を悔いる時間はなく、視界はぼやけ、体の力は抜けていった。

頬を血で濡らし、走馬灯を見た。

もしかしたらアクアに会えただけでもう十分だったのかもしれない。大会に出たのも賞品の特異能力がきっとアクアに会わせてくれるだろうという希望から。


人生はアクアに会った時点で終わっていたのかもしれない。



「二人共やれたか」

花岡はダイヤモンドに変形していた『ナイト・ヴィジョンズ』を元に戻し、脚に纏う。


ストライカードの死体を見下しながら立ち上がった。

「キッチリと殺さないとな…」


死体の前に来ると、豪快に右脚を振り上げた。

「永遠に夢を見せてやるッッ!!!」

その刹那。



バンッ!!――


「ウガアァァァァァアーーーッッ!!!!!」

花岡の右脚に直撃し吹っ飛ばした真白の閃光。

一直線で見事に右脚を衝いた雷は風光明媚に煌めく。

花浅葱色や浅緋色に光り、バチバチと音を立てその雷撃は消え去った。


6メートルほど離れた所で花岡は苦悶の表情を浮かべる。

「あ……あぁぁあ…!」

右膝から下は無惨にも千切れていた。

花岡は血相を変え泡を食う。

気流を読むことなんてすっかり忘れていた花岡の仇は痛撃となって返ってきたのだ。

『ナイト・ヴィジョンズ』ですぐに補強し、右脚を創り出すが痛みは全く消えなかった。



花岡は立ち上がり、視線を変える。

視線の先にいたのは咲妃を抱えたまま右手を花岡に向ける一人の少年。


勇猛な心は自分の非力さえも消し飛ばすほどの力となる。


「カスを一人…忘れていたな……金崎…秋雄…!」



「……テメーをこれから…ぶっ飛ばす!!」




少し短めです

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