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静電気は最強に憧れる  作者: ウエハル
閉会後の決戦
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イマジン・ドラゴンズ その4




「クソアマが…」

地面を這いながら、歯を食いしばる。

こんなはずではなかった。そう思いながら体を起き上がらせる。しかし脚は動かせない、相手を見るだけでも一苦労だ。

『ウォーリアー』は使えない。いや、厳密には使うことはできるが雲の量が少なく、圧の変化もストライカードによって阻まれるため、『ウォーリアー』ばかりに精神を集中させていては戦いどころではない。


「まあ、2体でも十分…か」

花岡のそばに2体の龍が瘴気と共に現れる。

両者とも禍々しく恐怖を感じさせる見た目で、ヴェロニカ達を見つめる。

すると両方の龍と花岡は目を閉じる。

どうにかして眼を開かせるしかないが、それを出来る人物はこの場にいないため、この時点でヴェロニカの『イン・ディスペア』は使えなくなる。

「問題は…」

気流でコールマンの位置を探る。まださほど動いてはいないようだが、腰のポーチに手を回している。


先に『ナイト・ヴィジョンズ』が動き出す。

攻撃するわけではなく、花岡の脚全体を膜のように覆った。

「おっと」

少しおぼつかない足取りで花岡は立ち上がった。

脚が使えなくても意思で操作できるならば問題はない。

「(ナイト・ヴィジョンズの量が少ないな…)」

花岡は残った『ナイト・ヴィジョンズ』の黒い液体で小さな矢尻を2つ創り出す。


「!……創るのに気を取られていたな」

既にコールマンとヴェロニカが向かって来ていた。

気づいた花岡は気流を読み『オン・トップ・オブ・ザ・ワールド』と矢尻を飛ばす。

狙うはコールマン。

思ったとおりコールマンは眼鏡を投げようとする直前だった。

気の迷いはなく、龍を向かわせると、すぐに龍は眼鏡に触れ、すり抜けた。

しかしまだ安心できない。

「こいつ…!3つも投げやがって…!」

眼鏡を3つ投げたことは分かっていたが、それを防ぐことはなかった。防ぐ必要はもうなかった。



花岡は口角を上げると、目を開けた。

「呆気ない死に方になるから…死に急ぐのはオススメできないな…」


「うぅ……げほッ!!」

大量の血を吐き出し、ヴェロニカは地面に崩れた。

不安定な模型のように、意識の薄れる中、血溜まりに倒れ込む。

「兄さん…ごめん…ね…」

体中にいくつもの細い菱形の穴が空き、血を噴き出し、見るも無惨な姿になっている。

兄もこんな風に死んだのだろうか、兄の能力で殺されるなんて運命的だな。なんて場違いかもしれないことを思いながら、家族の顔を思い出す。

「私…ちゃんと…兄さんのところに行けるかな…」

ヴェロニカは微笑むと、ゆっくりと目を瞑った。



「ったく…ヒヤヒヤさせてくれる奴らだ」

冷めた目でヴェロニカを見る。

その視線は横の者に移った。

「そこの死にぞこないの遺言は……って、言えるわけないか」

コールマンは血を吐くことも流すこともなく、喋ることも藻掻くこともなく倒れていた。

コールマンは眼鏡が割れ、花岡を見る直前に既に脳を「停止」させられていた。


「最初からこうしていればよかったな」

慈悲も表情もない澄ました顔で鼻で笑い、花岡は後ろを振り向く。

見えたのは扉。ストライカードが入っていった扉だった。

「はぁ…よくこうも面倒を増やせるな奴らは…」

ため息を漏らし、花岡は一歩一歩確実に歩を進め、扉に近づく。


躊躇なく扉を開けた。

すぐに目に飛び込んできたのは、天井に開いた大きな穴だった。

煙突のように長く伸びるその穴は暗いはずの部屋に日の光を届けている。部屋自体に人影はなく、ストライカードはいなかった。そして捕らえていた鷹匠も。

「今度は私が探す番か」

穴から見える景色を眺め、腰に手を当てる。


「久しぶりの鬼ごっこだな…」




オン・トップ・オブ・ザ・ワールドはさすがに長すぎたと思いました

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