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静電気は最強に憧れる  作者: ウエハル
閉会後の決戦
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ウォーリアー その3




アクア・ストライカード

彼女は幼いころ「時間操作」という生まれつきの能力によって両親を殺した。この頃から彼女は無意識に能力を使わなくなっていた。

里親はすぐに見つかった。後で知ったことだが、イギリスからオーストラリアに渡った元貴族らしく、長男が勉強が全く出来ないために養子として迎えられたらしい。だが勉強は苦でもなく、彼女は幼くして両親に天才という言葉を何度も言われた。

しかしある日、アクアが8歳のころだった。兄が殺人事件を起こしたのだ。

被害者は兄の友人であり、兄の所属するバスケットボールチームのチームメイト。原因はアクアを襲おうとしたため。

家で寝ていたアクアは突如2人の男に性的な目的で襲われたが、兄はその2人をナイフで刺殺した。おまけにかろうじて意識のあった1人の男が最後の力で家を全焼させた。

目撃者もいたため兄はすぐに逮捕された。

両親はかつてないほどに激怒し、どうにかして兄の事件をもみ消そうとした。それはその家に代々伝わる「長男は政治の世界に入る」という仕来りのため。しかし長男は勉強が出来ないため、その役割は養子であるアクアだ。

兄が殺人犯であり、しかも女性が政治の世界に入れるはずもなく。両親は死に物狂いで事件をもみ消した。

しかし願い叶わずそれも数週間で発覚。政治家であった父は追い詰められ鬱病まで発症。

そして父は自殺した。

母親はアクアを連れ、兄と絶縁した。




雷撃は真っ直ぐにストライカードに向かっていく。

当たると思ったその刹那。


爆発音が轟く。

それは雷鳴ではなく、まごう事なき「爆発」

「何ッ!?」

衝撃と爆音は廊下中に渡り響き、台風や雲なんてものは強引に吹き飛ばし。黒煙を立ち上らせた。


「ふぅ……燃焼で温度は上がる…室内の気体の体積はいっぺんに膨張しようとし、閉鎖された空間の圧力は急激に高まる」

ストライカードは床に着地する。ダウンコートを着ていなかった。体を手で払い、ゆっくりと歩き出す。

「閉鎖空間…ここは廊下…それに爆発がなぜ…」

どこかから声が響く。

そう、窓一つない不気味で近未来的なだだっ広い廊下。とても長く続いている。

「質問は一つずつにしろ…雨の音で防火シャッターが閉じる音が聞こえなかったんじゃあないのか?」

2本の指でこめかみをトントンとしながら、どこにいるかも分からない龍を挑発する。

「!」

能力の範囲外にある場所には焼け焦げた巨大なシャッターが二つ、通路を封鎖していた。確かに防火シャッターの開閉装置を押す時間はいくらでもあったかもしれない。

「爆発はまあ…火薬だよ。高圧を保てば少しは俺への爆風は防げる…」

既に勝ったような表情をしている。

ダウンコートの中に隠していた大量の火薬が雷と能力による急激な圧縮による熱によって点火され、大きな爆発を引き起こしていたのだ。


「鷹匠のリストから『ノーバディーズ・パーフェクト』を選択して正解だった…」


爆発によってほとんどの雲は晴れ、周りか見渡せるようになつて。ストライカードはすぐに咲妃を探す。

「アクア!!」

その叫びがこだまする。

ストライカードが走っていると、雲はすぐに外側から再生していく。雪や雨はまだ降ってはいないが、そのうち降って来るだろう。

「(もう火薬はない…ここは2人を見つけるのが最優先…)」

能力の範囲外に出るが、廊下のどこを見ても2人はいない。

険しい表情をしながらストライカードは必死に探す。

「(まさか…既に連れ去られた…?)」

そう思った直後、ストライカードに異変が生じる。

頭がクラクラし、意識が朦朧としてくる。

ストライカードは千鳥足でヨロヨロと歩く。



「範囲外でも…届くものはいくらでもある…」


「作り出した酸素を範囲外に追い出しておいた…範囲外の空気はほとんどが酸素…中毒で死ね…」


「……さらばだ」


ストライカードは床に棒のように倒れた。



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