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静電気は最強に憧れる  作者: ウエハル
閉会後の決戦
30/49

ナイト・ヴィジョンズ その1



ふと気づくと、3人は車庫のコンクリートの床の上に立っていた。

「咲妃…ありがとう」

咲妃に視線を向けると、既に咲妃は秋雄の胸に飛び込んできていた。その顔には満面の笑みがこぼれていた。

「秋雄の本気のキス…嬉しかった」

秋雄の胸の中の籠もった声で咲妃は言う。秋雄も今更だが恥ずかしくなってくる。

鷹匠は見かねて近づいてくる。

「二人ともお楽しみのところ悪いが、あいつはまだ来るぞ」

銃声は止んでいるが、おそらくは遠隔操作できる特異能力。まだ来ることは全員分かっていた。

「鷹匠、あれの本体は誰なんだ?」

秋雄は鷹匠とあの龍が話していたことを思い出す。鷹匠が譲渡に関する能力であることを利用した計画。主犯は一体誰なのか。


「本体は…」


鷹匠がそう言いかけた瞬間。刹那の時、再び銃声が響く。

荒々しく雨のように降る銃弾は何故か3人には一切当たらない。

それと先程から咲妃の走りがフリーズしかけたパソコンようなカクついた走りをしている。

「はぁ…はぁ」

10mほどしか走っていないのに咲妃はもう息が切れている。

咲妃が銃弾を弾いてくれているのは秋雄にすぐに伝わった。

「咲妃!本体はやれないのか!?」

頼るのはなんだか心がひけるが、この状況ではより強い者にすがるしかない。

3人は大型トラックの裏に隠れる。

「私、能力の使い方に慣れないの、いつまでも…。だから能力を譲ろうと思った」

秋雄は思った。18年使っている咲妃に慣れない能力を付け焼き刃の秋雄が扱えるはずがないのでは?と。

「人によって使える能力は得意不得意がある、俺は何度も見てきた。能力者が変われば使えるようになった能力だってあった」


「じゃあ今のうちに速く譲渡してくれ」


「周りにあいつがいないか見ていてくれ」


「あいつは今銃を撃っているんだから大丈夫だろ」


「あいつってのは能力者と能力のことだ…能力は三種類だからな」

不思議なことを言うと、鷹匠は咲妃の肩に触れた。

3秒ほど立つと

「これで保存は完了。あとは秋雄、お前に渡すだけだ」

鷹匠は秋雄に近づこうとする。

しかしそんなに簡単にいくわけがなかった。


前触れもなく轟く巨大な雷鳴。それは屋根があるはずの車庫の中に響いていた。いや、屋根はなかった。

車庫の中に屋根を貫き無数の雷が雨と共にとてつもない速さで降り注いでいた。

「なんだッ…!?」

そして3人の鼻をくすぐる不快な臭い。

3人に向かって落ちてくる雷。

「ッ!!ガスだァァアーーッ!!!」


秋雄が叫び終わる事は無く、3人の真上で爆発が起きる。爆風は大会のときと同じような大きさで3人を襲う。大会のときに二度も味わった爆音が耳に三つ目の音を刻んだ。

「ウォォォオーーッッ!!!」

とてつもない衝撃は大型トラックをも吹き飛ばし、3人をバラバラにさせた。



秋雄は一人で床に転がっていた。

「はぁ…はぁっ…」


休む暇はない、秋雄の頬に小さく堅い欠片が落ちる。仰向けになっていた秋雄の目には落ちてくる大きな板のような物が見えた。

穴だらけの屋根と爆発した際に壊れた柱は、車庫を轟音と共に崩壊させていた。

「マジかッ…!!」

秋雄は危機を感じ立ち上がり、出口を探す。

すぐに大きなシャッターのような物が見え、そこに向かい走り出す。しかしシャッターは開いておらず、秋雄は昇降スイッチを押すために周りを見渡すと、秋雄のために置いてあるかのように昇降スイッチが一瞬で見つかった。

「うしっ!」


カチッ――とスイッチを押す。

少し待ってみたが、開く気配は微塵もしない。秋雄は焦りを浮かべ、クリックするようにカチカチとスイッチをやたらめったらに押す。

「開けよォーッ!!」


すると突然

「金崎秋雄…お前はもう用済みだ…」

スイッチが喋ったと思い引くと、スイッチが不気味に形を変える。粘土のようにうねり、そのスイッチは予想したとおりあの黒い龍となる。

「焼き殺してやる…」



秋雄の背後から雷鳴が響くと、気づいた秋雄はすぐに走り出す。

だが雷より速く走れるはずもなく、鋭角で雷は秋雄の背中にぶつかった。

バンッ!!――


静電気なんてものとは次元の違う雷撃。浅緋色に光る雷は目を瞑る暇も防御の体制を取る暇も与えなかった。

その雷は一瞬でシャッターを貫き、地面に逃げる。


「雷が効かない体質って大会のときに言わなかったっけか…?」

白煙の中から現れる人影。

秋雄は挑発気味に微笑んだ。



咲妃は鷹匠と車庫を駆けながら出口を探す。

「鷹匠が時間操作使えばいいんじゃない?」

咲妃はなんだか親しそうに鷹匠に話しかける。

「自分で保存した能力を俺は使えない、この能力だけだ。それと…」

言葉を途中で途切れ途切ったと思うと、鷹匠は咲妃の肩に再び触れた。

「ちょっ…もう時間操作はこりごりなんだけど」

咲妃は肩を揺らし嫌がる素振りをする

「時間操作はもう秋雄のものだ、これは違う能力…」



語彙力が無くなったような気もしますが元々無かったような気もします。

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