表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静電気は最強に憧れる  作者: ウエハル
開会
19/49

落とせ恐怖に打ち克つまで その1




『二回戦2戦目ッ!先程は闇が垣間見えましたが今回は期待の一戦です!』


『左から入場するのはッ!中国出身!朱 俊豪(シュ ジュンハオ)選手ッ!』

左の入場口から黒いジャケットを着こなした若い男が入ってくる。

『対して右よりィッ!オーストラリア出身!ジェイス・ストライカード選手だァッ!』

右からは先程の中国人とは対照的に、ダウンコートを着た放浪者みたいな格好をした男が現れる。

「(あいつ…開会前に洗面所で会った.)」

直前に対戦表を確認したが、ジュンハオはスダニを倒しており、ストライカードはキバキを倒していたらしい。しかし能力が分からないのは同じである。




「両者位置についてッ!試合!始めェェーーッ!!!」


個人的にはスダニを破ったジュンハオのほうが気になるが、なにか深淵にいるような目に光のないストライカードのほうも気になる。


『両選手様子を窺い攻めようとはしませんッ!』


さっきの戦いとは打って変わって、あまり動こうとしない。どちらかは何か近づいてはいけない能力なのだろうか。



『おっといきなりジュンハオ選手走りだしたァ!先手を打ったのはジュンハオ選手だァーッ!』

迷いなくストライカードに向かって走るジュンハオ。その手には何かフックのようなものを握っていた。



「キミの能力『ダウン・アンダー』はとても恐ろしい能力だ…だが私の前にはどうということはない…」

目の前に来たジュンハオはその手に持っていた二又のフックを、ストライカードのダウンコートの下に見えるTシャツの内側にかけた。ストライカードは抵抗しないまま、フックは下に引かれる。

ビリビリッ――とTシャツが破れ、ストライカードの鍛え抜かれた肉体が露わになった。



「懺悔しろッ!後悔するがよいッ!我が『アングザイアティ・インヒビター』をッ!」

ジュンハオが左の手のひらを何故かストライカードの右胸に向ける。



「ゲボフッッ!!!」

遂にストライカードが動く。

ストライカードの膝はジュンハオの顎にクリーンヒットしていた。

だがおかしい。飛び上がって膝をジュンハオの顎に当てた訳ではない、滞空時間に違和感があった。そしてストライカードの髪の毛が逆立っていた。

まるで宙に浮かぶよう。そう…いいなれば


「上に落ちている…?」


ストライカードはそのまま上に行くことはなかったが、着地するとすぐに、倒れているジュンハオのもとへと歩いていく。

そしてジュンハオをうなじを掴まれた猫のように持ち上げようとする。



「あんなもので気絶するわけない…そして、キミはもう我が能力の餌食となっている」

Tシャツを破ぶことで露わとなった右胸には、白い粉末のような物が付着していた。

だがストライカードの顔色は何一つ変わらない。


「速く場外に運んだ方がいいんじゃあないか?ん?」

そんな挑発を聞いていないのか、ストライカードは口をほんの少し開ける。

開いた口からポロッと豆や木の実ともとれる5mmほどの小さな物体を唇の間に挟む。


「ハハハハハ…最高の良い気分だよ…フハハハハ…」


「…速く場外に運んだほうが身のためだぞ?」


「お前の『アングザイアティ・インヒビター』は不安や恐怖を取り除くんだったか?」


「…あぁ」


「俺にははなっから不安も恐怖もない…常に自信だけで生きている…気づかないか…?お前は既に落ちている…」


「!」

ジュンハオは宙に浮いていることに気づく。体重はストライカードのほうが上のため、かなりの速度でに上に落ちていく。

ストライカードの髪は逆立ち、10mほど落ちた時、ストライカードの口からあの小さな粒が上に落ちていった。



「物を落とせば…「重量」は「逆転」する…」

そう言うと、ストライカードはジュンハオの上に足を乗せる。


「ッ!…ウオォアオァァァァァァア!!!!!」

嘆きの声を上げようが許しを請おうが、ストライカードは耳をかたむけようともしない。

2人は10mの位置から風を切り落下する。


 

ゴッ――と鈍い音が会場に響いた。


「アガァッ!………ハッハッハァッハッ…」

ストライカードが上に乗っているため体を背中から地面に強く打ちつける。息が薄くなり、犬のように息を荒くしても、徐々に意識が薄れてくる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ