表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静電気は最強に憧れる  作者: ウエハル
開会
17/49

やられる前にやれ! その1





『敗者復活戦によって決まった本戦復活者はァーッ!日本の金崎秋雄だァアーーッ!!』



あの後全員はヘリで会場まで移動し、それぞれ治療をうけた。ちなみにいつ裏切るのかとドキドキしていたアルフレッド・コールマンは本当にただの善意の塊だったらしい、

あと、本戦には左側の一番端、つまりは一回戦1戦目・2戦目で勝利した2人が二回戦1戦目で戦い勝利した者と戦うシード枠になった。自動で準決勝進出なんだからこれ以上に嬉しいことはない。

「二回戦1戦目はロシアのヴェロニカってやつと…ハント…か」

ハントは一回戦で秋雄に最後まで追いつめられながらも見事に秋雄を破ったアメリカ人。もしかしたら再戦ってのもあるかもしれない。


『ただいまより、二回戦1戦目。ヴェロニカ・アンドレーエヴナ・ニコラエフ選手対アダムズ・ハント選手の試合を開始致します』

場内に優しい女性の声が響き渡る。俺はすぐに控室に向かった。




『本戦へと戻ってきました!見事な敗者復活戦での戦いを見せつけられておいてこの戦いが呆気なく終わるわけがないッ!さて両選手が入場しますッ!まずは左より現れたロシア出身!ヴェロニカ・アンドレーエヴナ・ニコラエフ選手ッ!』

左の入場口からは、色白で若くついうっとりしてしまう女が現れる。

『そして右よりアメリカ出身!アダムズ・ハント選手だァッ!』

何度も何度も恨んでやろうと思ったその男。夜な夜な考えた戦略をものともせず強引な力技で勝ち上がった奴だ。



「両者位置についてッ!試合!始めェェェエエ!!!」

クソみたいに濁った声で始まった二回戦1戦目。どちらもお互いの能力が分かっている以上どう出るかは二択のみ。

先手で仕掛けるか、ただひたすらに守ってカウンターを決めるか。

 

2人は両方前者だった。

『両選手同時に走り出したァアーーッ!!能力を理解している以上はやはり先手必勝だァッ!!』


2人はすれ違うように左右に別れると、並列になると同時に攻撃を開始する。

クワッ―とお淑やかなイメージを一瞬で覆すようにこれでもかと目を見開き、ハントを見つめる。


「ッ!?」

ヴェロニカの目の前に現れたのは、白目を剥き鼻を広げ阿呆面をするハントだった。名誉や誇りを全て投げ捨てた捨て身の技だった。

「(マズいッ!呆れるな…呆れてはいけないッ!)」

喉まで出かけた笑いと言葉をを殺し、心を鎮める。

2人はブレーキをかけると、振り向き再び走り出す。2人とも険しい顔をしているが、ハントはどうもふざけているようにしか思えない。

「(目を開かせるんだッ!)」


「あんた厳格なやつだな!後で一発ヤろうぜ!」


「私をなめるなッ!!」

ヴェロニカが目を大きく見開くと、2人はまた先程のようにすれ違う体制に入る。ハントはまたあの阿呆面をしている。

だが、すれ違うことなくハントは方向転換し、ヴェロニカと並行するように後ろ走りをする。


「な!何をッ!」

ヴェロニカの横にいつまでもついてくるハントはふとこう言う。

「あんたの名前はァ?」


「…は?ヴェロニカ・アン――

「で・す・がァッ!?」


「俺の名前はなんでしょォーッ!?」


「あんた何言って………ハッ!」

ヴェロニカは今更だが気づいてしまった。


「そう…お前は既に「呆れて」いるんだッ!」

ヴェロニカを指差し、勝ち誇った表情をする。秋雄と戦った時と同じような顔をしていた。


「ウッ、クソォオーーッッ!!」

注意はしていた、だが呆れるという感情は抑えきれなかった。本能には勝てなかったのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ