表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静電気は最強に憧れる  作者: ウエハル
開会
14/49

極月のスパイス・ボーイズ その2




「ふぅー、いきなり宙に浮かんで飛んでいくから何事かと思ったけど」

コールマンは耳をすまし、眼鏡をかける。

「この重低音…秋雄さんは既にスダニと…」

だが決してスダニを見てはいけない、見るということは同時に敗北を意味する。

「(まあ、ネックレスあげちゃったしもう敗退扱いなんだけどね)」


音が大きくなり、コールマン目の前にスピーカーが見える。それは心臓が割れそうなくらいに大きく低いリズミカルな音を出している。

スピーカーの向いている方向を見ると、そこには軽快に踊る誰かがいた。

「(多分あれはスダニ…一部分だけなら見ても大丈夫なのか…)」

姿勢を低くしゆっくりと近づいていく。するとすぐに秋雄の脚が見えた。秋雄の後ろに行くようにコールマンは木の陰に隠れる。


「秋雄さん…!すいません遅れました…!」

スダニを見ないように念の為秋雄に目を向けずにコソコソと話す。

「やっと来たか…早いとこ眼鏡であいつをやってくれ…!一瞬だけ見るなら大丈夫だろ…!」

コールマンのアトミック・スウィングは相手を一瞬でも視界に入れればその相手を対象にできる。コールマンは眼鏡を取り、機会を伺う。



「今だ!眼鏡を割れッ!」

秋雄のその合図を皮切りに、コールマンは木の陰から現れ、躊躇なく眼鏡を少し前方に投げる。

そこには視線を逸らしているスダニが見えた。と同時に



「ハッ…!マズいッ!!秋雄さんはもう!男に戻っていたァアーーッ!!?」

男である秋雄もいた。すぐにコールマンは瞼を下げ、視界を真っ暗にする。そのことで誰もアトミック・スウィングの犠牲にはならなかった。

「嘘だろォッ!?」


「オ~ウ…仲間がいたかァ-!?でももう君は見てしまった…もう遅いんだよォーッ!ンッンー!」


「ウッ、ウォォォォオオ!!!」

コールマンはもう抗う術はなく、体全体を大胆に振り、クールな踊りを披露する。心底躍りたいという衝動は誰にも抗えず、3人揃ってクラブハウス状態。


「(待てよこれ…あいつネックレス取れなくね…?)」

踊りながら秋雄は思った、さっきからスダニは一切近づこうとしていない。ならどうやってネックレスを奪うのか。まさかいつまでも踊っているつもりなのだろうか。

「(いや、冷静になれ…スダニのネックレスを奪う方法を探せ…)」



マデュア・スダニ31歳。彼の能力「トゥルトゥルダダダ」はスダニが踊っている姿を見た者は決して抗えぬ踊りたい衝動に駆られ、スダニが踊りをやめるまで視線を逸らそうが怪我をしようが踊り続ける。そして踊っているスダニには踊りながら直接攻撃することはなぜかできない。

「(踊りをどうにか…)」



ガササッ…

その時スダニの背後の森から大きな人影が現れる。

「女に戻っちゃったのか-、可愛かったのになァ?」


「!…キバキ!」

倒したはずのオドゥオール・キバキが目を閉じ、木の枝で地面を探りながら現れる。

スダニの横を通り過ぎると、目を大きく開け、蔑むような視線を向ける。


「雇われたんだよ…そこの兄ちゃんによォ…だからお前のネックレス、貰ってくぜェ…」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ