専門用語集
近衛師団
ルナミスト帝室の私兵集団。皇子皇女それぞれに第一、第二と近衛部隊が配される。主に儀仗用だが、帝位継承の揉め事で動員されることも歴史上暫しある。シュクル皇女は四番目に生まれた為に、第四近衛隊が与えられた。帝室兄妹の関係上、それぞれの部隊は互いに排他的であるが、シュクル皇女とノエル皇子の仲が良かったため、第三と第四近衛隊は同じ部隊の如く親しかった。リリー隊員は第三近衛隊の生き残りで、レオの婚約者。
神聖教会(神聖義勇軍)
ルナミスト帝国愚民化政策において、素直に愚民化されない臣民に対し、宗教洗脳を施す為、臣民の思考をパターン化する為に設立された宗教団体。ルナミスト帝国の国教とされる。愚民化政策末期の宗教洗脳者激増に伴い権力を蓄え、帝国政府に反旗を翻す。信者を徴兵した神聖義勇軍を保有し、質よりも量で帝国に牙を剥いた。神聖不可侵の夕月の森から魔物を再び世に解き放った張本人。海軍は鹵獲した数隻の潜水艦と貨物船を改装した軽空母、武装商船を持つ。
愚民化政策
神代(神時代)の書物から民主主義という思想を知っていた帝国が、臣民の間で啓蒙思想が流布し始めたほとから、民主主義運動を警戒して始めた政策。初期においては臣民を遊戯娯楽漬にする3S政策を行っていたが、後には知識人と書物のリソレイユ封印など、強行的な知識の独占と臣民への知識略奪を行い、政権批判を封じた政策。
エルフ
夕月の森に住む正体不明の民族。人間に姿を見せるときは全身を布で覆い、仮面を被っている。目が赤く輝いているように見えるため、赤目ではないかと言われている。女性の声が多いからか、美しき女性が多いとされ、戯曲などの題材に使われる。エルランダ地方には世界樹を守っているという伝承がある。
原初の国
古代、人類世界はエルフにより統治され、黄金時代を築いていたと伝わる、一種の伝説的国家。世界各地にこの伝承が多く伝わる。特にエルランダにこの種の伝承が多く、古代エルフランド、現在はエルランダと呼ばれる土地の語源になっている。
エルランダ王国
帝国領エルランダ地方を代理統治する王国。元々農業国家であった為、ルナミスト帝国による世界帝国樹立前に於ける戦乱で、ルナミスト帝国に従属した。〝嘆きの森〟など古代樹の大森林が国土の大部分を占め、小麦の生産は帝国一。それ故に帝国の食物庫と言われている。〝約束の泉〟など良質な地下水が豊富に湧き出し、果樹や葡萄酒の生産が有名。
ファリランダ地方
工業都市が多い地方で、帝都ヴェントロードがある。地下には古代都市が多くあり、そこから得られる技術で自動車や飛行機、艦船が生産されている。帝都にはリソレイユから古代都市研究の為、一時的にリソレイユから連れてこられる知識人が住む一角があり、在リソレイユ作家が戯曲や小説において暫し、悲恋の舞台(「壁の向こうの君」「伝言版」等)として描く。
リソレイユ地方
夕月の森を挟んで大陸と繋がるリソレイユ亜大陸のこと。この地方の主都エトワミュールには世界中の書物を封じたエトワミュール図書館があり、地下には帝国最大規模の古代都市が広がる。亜大陸はファリランダ地方とは逆に北部が温かく、南部は分厚い氷河に覆われている。ルナミスト帝国の辺境に当たる。