コルペディオンの戦い(Ⅷ)
右翼後方から急速に近づきつつあるその姿は、小山の上に陣取った本陣で四方の戦況を見守っていた物見にすぐさま発見され、有斗に報告される。
「敵が真っ直ぐこちらに向かってきている?」
しかし奇妙なことである。今までのところ、有斗の想定通りに戦場でことは進んでいた。策が破綻したのならともかくも、上手く行っているのだから、敵が逃げ去ることはあっても、敵が本営に近づいてくることは考えられない事態だった。
「はっ! 敵の数はおよそ八千、尚も後方に続く騎影あり!」
だが思わず問い返した言葉に対するその返答も、おおよそ有斗の想像と、いや、願望とは全く違う内容だった。
有斗は思わず息を呑んだ、息を呑まずにいられなかった。それは本営にいる人数を遥かに上回るのだから、平然と澄ましているほうがおかしいのである。
もっとも、物見が有斗に行った報告は敵の数を見誤っていたのだが。
なにしろ小山と言っても僅かに盛り上がった段丘に過ぎない。高低差は十メートルもないに違いない。それで平面的に接近しつつある敵の数を正確に看破せよといわれても難しかったのだ。敵陣の広がりと奥行きからおおよその数のあたりをつけるしかないのである。
だが過大に見積もりを誤ったことで、その後の有斗の行動を多少は変化させたのだから、この物見は大将が正しい判断を下すのに相応しい情報を選んで持って来るという物見本来の役割を十二分に果たしたといえるかもしれない。
「どういうことだ? 右翼は敵の攻勢の前に早くも崩れ去ったということか!?」
有斗の作戦構想では敵主力が集中しがちでザラルセン隊の援護が直ぐには受けれない右翼は、どれほどの犠牲を払ってでも左翼で敵を敗退させるまで持ちこたえてもらわねばならなかった。
戦闘開始と同時に外側へと移動させることで接敵を遅らせるなど、犠牲をなるべく少なくする手段はいくつか取られてはいるが、おそらく焼け石に水であろう。
だが教団相手に勝利するためには、それはどうしても払わねばならない犠牲だ。非情な様だが王としてはしかたがない。
とはいえ、それはあくまで多くの犠牲を覚悟したと言うことで、右翼が全滅することまでを想定した作戦では決してない。
しかし現実に右翼から敵が迫ってきているというこの現実を直視すると、それを防ぐ役割を果たすべき王師右翼が崩壊したのではないかと有斗は思ったのだ。
「いえ、右翼では今だ戦闘は続いております! 確かに敵に押されてはいますが、敗色が濃いといったわけではありません! 他の部隊に我が右翼を任せて、一部の敵が直接、手薄な本営を狙ったものと思われます!」
「見抜かれたか・・・!」
右翼崩壊と言う最悪の事態は避けれたが、敵はこちらの思惑には乗らずに、こちらの一番恐れていた手段を取る事にしたということだ。
ぐらりと、有斗は思わずよろめいた。
教団の兵数に対して、王師の兵数は絶対的に不足している。敵が三方からの包囲、もしくは完全包囲を狙ってくるのは当然の帰結だ。
その危険を承知していたからこそ、左翼には中央を突破したザラルセン隊をすぐさま援兵として移動させ、同時に右翼には敵兵を引き付けながら主戦場から遠ざかって時間を稼ぐと共に、敵に主戦場の様子を窺わせないようにさせたのだ。そうすれば王師右翼と教団左翼はしばらくは目前の敵と戦うことだけを考えてくれるのではないかと期待したのだ。
それが少しばかり虫のいい願いであることは有斗も十分承知してはいたが、兵力差を考えるとそうするしかなかったのだ。
だがどうやら敵はこちらの思惑を見抜いたようだ。目の前の王師右翼を無視して王師の心臓部である有斗を直接狙うことに決めたらしい。
それは有斗の取った作戦を根底から覆す致命の一手となりうる策であった。
だが幸いなことに既に左翼での戦闘は王師の優勢勝ちとしてほぼ決着がつきつつある。ならばそこから戦力を持ってくればいい。
「左翼の各隊に救援要請を! 特に足の速いのはザラルセン隊だ! 急いでザラルセンの下へと駆けて、本営へ戻り救援せよと命じろ!」
有斗が急ぎ救援を求めてザラルセン隊に急使を発すると、西を見て敵の姿を確認していたアエネアスが有斗に陣の移動を献言した。
「有斗、本陣を急遽、左翼の味方の方へと移動させて合流することを考えてはどうだろうか? これまでは戦に巻き込まれて全体の指揮が取れなくなる危険性を考慮して移動させなかったが、この際、味方が救援に来るのを待つよりも、自らが積極的に動いて味方と一手になることを考えるべきだろう」
彼我の距離、有斗とザラルセン隊までの距離、土煙から見る敵の来襲速度、そして味方の移動速度をざっと頭の中で計算する。
駄目だ。何度考えても有斗たちは味方と合流する前に、途中で捕捉されてしまうだろう。
二千足らずの行軍中の陣形の乱れた軍ではどう考えても敵の攻勢を支えきれない。
「・・・駄目だ。敵の方が足が速い。同じように包囲されて戦うのならば、移動中の縦列陣形で戦うよりも、この小山に陣取って戦ったほうが多少なりとも防ぎやすいだろう」
「・・・そうだな。それもそうか」
アエネアスは有斗の言葉に同意を示すと己の提案を引っ込めて、羽林の兵に急ぎこの場で迎撃体勢を取るように指示をした。
「陣形を組め! 四方を固めよ! 馬車から馬を外し、横倒しにして敵の侵入を防ぐ壁にせよ! 樽でも木でもなんでもいい! 積み上げて、敵兵の侵入を防ぐ柵を作るのだ! 使えそうなものはなんでも使え!!」
アエネアスの命を受けて羽林の兵は手早く即席のバリケードを構築する。
幸い王の本営だ。貴人である王の荷物、あるいは羽林の荷物や食料、水、ワインを運ぶ輜重の馬車が多数存在し、西面を中心に次々と柵が完成していく。
「というわけだ。有斗、悪いな」
アエネアスはそう一言だけ言うと有斗の許可を待たずに有斗の馬車をも運んでいって裏返しにし、柵の一部にする。
敵前なのだ、ひとつひとつ許可をもらうなどと言うまどろっこしい真似をしていくわけにはいかない以上、文句は言えまい。
そう思う有斗だったが、同時にあれはセルノアが自慢していた有斗お気に入りの馬車だったのにな、と少しだけ悲しかった。
羽林は皆、一対一ならば並みの兵には負けないだけの技量を持つ。王の傍近くに仕えることのできる花形の職業であるから、歴代の武挙上位者も多い。
だが朝廷の高官たちの影響力下にあると考えられた羽林は四師の乱後、アエティウスの手によって半分は安心できる人間であるダルタロスの兵に入れ替えたから、全てがそうであったわけではない。
しかし常時の訓練も一対一の技量を磨くことが重点的に行われるため、元ダルタロスの羽林たちもそれなりの手練となってはきている。
もちろん他の軍にもヒュベルやベルビオみたいな規格外の武人はいるが、平均としては王師の兵よりも剣技に冴えを見せるだけのものを全員が持っている。少なくとも未だにアエネアスから一本も取ったことがない有斗より強いことだけは間違いがないところだった。
だがそれはあくまで一対一での話である。王宮内での叛乱や、暗殺者に備えるのが主任務の羽林としてはそれこそが必要な技量だったから問題は無いのだが、戦場では一対一の剣技よりも、隊としての連携こそが何よりも重要なのである。得物も剣よりは長物(槍、鉾、戟など)が中心だ。そこも羽林の兵には不利な条件であった。
「幸いなのは元ダルタロスの兵たちが少なからずいることだ」
アエティウスの下で、あるいはその父の下でダルタロスの兵として戦も経験している。彼らの働きに期待するしかないといったアエネアスの口ぶりだった。
「有斗について戦場に出ることも多くなったから、一応それなりの訓練も受けさしてはいるが・・・まぁ、こればっかりはやってみないと分からない」
「うん、頼むよ」
実際に兵を動かす手腕を持たない有斗としては羽林大将であるアエネアスに任せるしかない。
「任せておけ」
有斗の手前、そう言って見せたアエネアスだったが、内心は大いに不安におびえていた。
アエネアスはアエティウスについて幾度も戦の中で戦ったことはあるが、兵を指揮して戦ったことはないのだ。
傍から離れたら危険だし、やはりなんと言っても軍隊は男社会、いくらダルタロス公の従妹だからと言って、それだけで大人しく兵が従うかと考えたら、それはなかなかに難しいことだと思ったアエティウスが一隊を指揮することを許さなかったからだ。
普段は有斗の威光と元ダルタロス公爵の従妹という立場から従っている羽林の兵らも、いざ自らの命を懸けねばならぬ戦場となれば話は違うかもしれない、と考えると胸の奥から不安が湧き上がってくる。
だがやるしかない。これには有斗と自分の命・・・何よりアメイジアの未来がかかっている。
救援の兵が駆けつけるよりも早く、バアルたちは王旗の袂にまで到達することができた。
「本当にこれだけか!?」
バアルは運命の女神の前髪を遂にその手に掴んだという興奮と共に、五万を超える王師の本営にも拘らず、僅か二千程度の兵士しかいないことに興奮した。
確かに遠目にその数の少なさはざっと把握してはいたものの、やはりよく考えるとそれはありえないと結論付けざるをえなかった。己の目を疑ったのだ。
だが本陣の置かれた小山を半周しても敵の兵が隠れているといったことは見られなかった。思わず本陣中の王の不在を疑って、王旗の存在を確認したほどである。
普通、戦線が崩壊しそうな時にいつでも投入できるように、予備兵力を常に本陣近くに配置しておくものである。
戦闘が酣を過ぎ、終結直前になった時ならいざ知らず、この段階で本陣が空近くになることは常識ではありえなかった。
「王は予備戦力を確保せずに戦闘開始と共に全ての戦力を投入したと言うことか?」
目の前には馬車や樽などを使って即席の城砦が作られてはいたが、障害となりうるものはそれだけだった。
もちろん、王の本陣が襲われたと知ったら、王師の各軍が救援に駆けつけてくるだろうが。
常識ではありえない事態にバアルは少しばかり頭が混乱した。これは極めて珍しいことであった。
有斗はどのような奇策を前にしても瞬時に考えを切り替えて戦うことのできるバアルを、戦場で混乱させ呆然とさせることができた最初の人となった。それを知ったところで有斗としては少しも嬉しくないことではあるが。
「まあいい。目の前にある事実こそが全てだ。王は僅かな兵と共に私の目の前にいる。それだけ分かればいい」
詳しい事情など知ったことか。それさえ分かれば、バアルが今何をやるべきかは明白なのである。
「これぞ、まさに神が与えたもうた絶好の機会! 命を惜しむな! 王の首を必ずや獲るのだ!!」
バアルの言葉をきっかけにバルカ隊は敵が布陣した小山を大きく取り囲んで退路を断つと、攻撃を開始した。
四方から攻め寄せる敵に羽林の兵は想像以上に善戦した。
敵は騎馬兵が主だった事も幸いした。盾代わりに使用した馬車や樽や木が効果的に働いたのである。さすがに装甲を着た兵士を乗せている軍馬は障害物があってもそれを容易く飛び超えることは出来ないのである。しかも敵陣営地は小山の上にあった。
自然、攻め口が限られてしまい、防衛側としては不慣れな陣地防衛戦であっても優位にことを進めていくことができたのだ。
だがそんな彼らも四方から降り注ぐ矢にだけは閉口した。前からも横からも後ろからも飛んでくるのだ。盾を持っていても防ぎようがなかった。
羽林の兵たちは時間が経つにつれて射創を負う者が増え、防衛能力は低下する一方だった。
盾を持った羽林の兵に囲まれて中央で指揮しているアエネアスも、いつのまにか腕を怪我したのか反対側の手で押さえていた。
「大丈夫!?」
有斗はアエネアスに押し込まれた馬車の下から思わず顔を出し心配したが、「いいから頭を下げてその下に隠れていろ!」と、再びアエネアスに足蹴にされて叩き戻される。それは王である有斗が矢で失命しないようにアエネアスが計らってくれたということで感謝の念を抱かずには入られないが、だが同時に何か納得いかない気が込み上げてくることもまた確かであった。
アエネアスはアエティウスが王を自らの勢力圏下におこうという考えから押し付けられた親衛隊長である。人柄や能力で選ばれたわけでは決してない。
もちろん元から一人の剣士としては優秀であったし、さらには今では羽林という組織を預けても過不足なくこなすだけの活躍を見せ、有斗としても重宝する人材になっている。
だが一隊の指揮官としては別だ。どうやらアエネアスは複数の場所で起こる様々なことを同時に処理するという能力に欠けているらしく、最初のうちは指揮官として合格点の指揮振りを発揮していたのだが、複数の箇所で同時に激しい攻撃が加えられたりして戦況が混沌としてくると、徐々に徐々に混乱をきたしてあやふやな指揮になる。
その度に有斗が首を出して助言をして陣を修正するのだが、何故かその度に感謝の声の代わりに乱暴に馬車の下に押し戻されるだけだった。
だが有斗も実戦指揮官としては優秀なほうでは決してない。対して敵はカヒの強兵で構成されているだけでなく、カヒの優れた下級指揮官が多く存在し、全体の攻撃を組み立てているのはあの七経無双のバアルである。今現在相対している軍でどちらが優れているかなどということは考える余地もないほど明確だった。
それでも、部隊運動も個々の連携もままならない彼らが未だに持ちこたえているのは、劣勢に挫けぬ不屈の闘志で敵を陣営地内に一歩も入れなかったからである。
もっとも彼らが怖気づき戦いを止めたいと思っても四方は全て敵である、逃がれる術がなかったのだが。
だが闘志だけで敵を防ぐことができるのなら、指揮官は苦労しないのである。気力はいつまでも持たないのだ。
それに狭い入り口付近で幾度も戦闘を続けているうちに、防御柵代わりに使用していた馬車は戦闘の巻き沿いになって打ち壊される。
またバルカ隊も強引な突破が難しいと見るや、攻め方を変えて同時に歩兵を投入し、障害物の除去、破壊を主眼に行動させる。
騎馬隊だけの防戦だけでも手一杯な羽林の兵に破壊活動を妨げるために割けるだけの兵力は存在しなかった。
もしザラルセン隊の到着が遅れていたら有斗の命はなかったかもしれない。
「よしなんとか間に合ったぜ! いいかお前ら、敵は思ったほどじゃねぇ! このまま蹴散らしてやるんだ!」
ザラルセンは隊列もばらばらで息も上がっている部隊を再編もせずにそのままバルカ隊にぶつけた。
だがこれはザラルセンが味方の力を過信したとか、敵を舐めたとかいったことでは決してない。味方との挟撃、しかも後背からの攻撃である。深入りしなければ大した反撃も喰らうまいと考えたのだ。
今は何よりも味方に援兵の到着を知らせ、勇気付けることこそが戦の鍵を握る。敵に勢いと流れがある。これを変えることも重要だと判断したのだ。
もちろんザラルセン隊の接近はバアルも既に織り込み済みである。騎影が見えると同時に既に迎撃の陣を敷き終えていた。
包囲網の一角を突破し、王を救出しようとするザラルセン隊、包囲網を崩すまいとするバルカ隊、双方ぶつかった塊は交じり合い、たちまち一つの塊となった。
ここにコルペディオンの戦いにおける一番の激戦が展開されることとなる。
ザラルセン隊が隊とは名ばかりの散陣状態だったことと、王の首を取ることに少しでも多くの兵を注入したいというバアルの思惑から、兵が多くなかったバルカ隊の防衛線が敵に合わせて個々に切り結ぶような形で戦闘状態に入ったことが混乱に拍車をかけた。
そこに戦列はなかった。一対一、一対二、二対三、あらゆる形の小規模戦闘がここかしこに見られるといった状態、混戦中の混戦がそこにあった。
一人が相手を押し倒して首を取ろうとすると、横から別の者の槍で貫かれる。かと思えば後ろから敵ではなく味方に斬り殺されるといった、誰もが現状を把握しきれていない、戦場を支配し切れていない混沌だけがそこに存在した。
長い距離を駆けて来て部隊未満の塊となっているザラルセン隊は目の前で行われている味方の危機にそのままの形で次々と戦場に突入し、その混乱をより一層広げるだけであった。
バアルですら如何なる対策も打てなかった。一旦兵を引き揚げさそうにも、いくら下知をしても兵は聞く耳を持たず、かといってまとまった兵を注入して混乱を収めようにも、すでに包囲して敵と交戦中ではそれも容易にはできかねず、バアルとしてはその狂騒が沈静化するのを待つしかなかったのである。
しかもしばらくするとその混乱にバアルも飲み込まれてしまった。今や剣を振るい、周囲の敵を排除するだけで手一杯と言った状況に陥ってしまう。
とはいえすぐさまバアルは供回りと協調して小さな円陣を敷き、そこに兵を集めて、混乱を収拾するきっかけをつくろうとする。
兵は乱戦で何処に敵がいて何処に味方がいるか分からず混乱しているだけだ。己が背中を預けるに足る、そういった場所を作ってやればそれを足掛かりに混乱状態から立ち直ることが出来る。
だが結果からいえば、それは成功しなかった。バアルがそれに成功するより早く、戦場に一層混乱をもたらす事態が起きてしまったのだ。
それはバアルを追って有斗の本営目掛けて突進してきたデウカリオの部隊が参戦したことによる。
デウカリオはバアルに一番手柄を取られてなるものかと、ザラルセンよろしく隊列も陣形も整えるのもほどほどに兵力を王師へと叩きつけたのだ。
本営のある小山はぐるりとバルカ隊が取り囲んでいたために、自然と攻撃の矛先はザラルセン隊に向くことになる。
その参戦によって押されたザラルセン隊に合わせる様に持ち直そうとしていたバルカ隊も再びばらばらの個の形に分解されてしまったのだ。
それでもバアル隊に割り込むような形で参戦しなかっただけましというものである。もしそんな形で参戦していたら、完全にバルカ隊の指揮系統は分解され、一層酷い混沌が戦場を支配することになったであろうから。
なぜなら次の瞬間、今度はその混乱した戦場に王師の重装歩兵隊が一斉に加わったからである。
重装歩兵は移動速度が遅いがゆえに逃げる教団を追うことが出来ず、教団右翼の兵との戦いでも本陣から比較的近い位置で戦闘を行っていたことでザラルセン隊の次に本営に来ることが出来た。もちろん重装備を着込んでの移動で中の兵士たちはへとへとであったけれども。
本来、重装歩兵は拠点防衛に使われ、戦場を縦横に駆け回る機動戦力として使うという選択肢は無いのである。