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はじまり

あの日から、奇妙な力が使えるようになってしまったーーー。


 ---その力とは、ずばりーー炎だ。


 あの日からは、驚きの連続だった、くしゃみをすると火が口からこぼれるし、やる気に満ちると本当に目から炎が出るし、なにかともう大変で大変で慣れるまでは最悪な毎日だった。まぁ、両親が早死にしちまったからそれなりにこの力のおかげで退屈せづにいられるけど、喧嘩を吹っ掛けられると、どうしても買ってしまう経ちなので非常に悪いことが起きてしまう。


 夢中になると、どうしても力を使うざるが終えない、気がつくと辺りがすべて丸焦げになるし、もちろん、喧嘩の相手も焦げ焦げの火傷だらけになって、そりゃあ、もう、大変なことに・・・・。


 まぁ、そんな訳で何の前置きも無しに、勝手に宿られてしまったこの能力だが、こいつの厄介さは納まることを知らなかった・・・。


 こういうのには、この能力のせいで「あいつ」に出会ってしまったからである。


 まったく、世の中の幸せ、不幸せメーターはどうかしている、アルプスの少女や赤毛の少女いわく、不幸なことの次には幸せなことが待っていると言うが、俺の人生でその論理が通用したことなど一度もありはしない、これからの人生、物すごくいいことがあるのかもしれないが、いままでの人生幸せだったことはあまりない、あるとしたら、父親の遺産が全て俺の物になり、バイトをしなくとも十分な生活を送れることぐらいだ。


 妹もいたが、俺とでは十分な生活はできない、という親戚たちの勝手な事情で今は離れ離れになって暮らしている。


 これでもかと言わんばかりの不幸っぷりに+αして現れたのが「あいつ」だーー


 ーーー通称、死神。


 こいつは父親の転勤で北海道のトップ校から埼玉の二流高校に転校してきたエリート女子高生で、別に「死神」なんておぞましいあだ名を付けられるような奴じゃない、あの日まではーーー


 ---「名前は緋色 月那<ひいら るな>好きな物は栗です」

ここまでは普通の高校生レベルの自己紹介だった。

 「フゥゥゥゥゥゥーー、カワイイねーー!!」

 このチャラチャラした屑野朗の一言によりこいつの運命も、俺の運命も、緋色のあだなも決定したのだった。

 「うるせぇよ・・」

 緋色はしらけた様な顔をして、指定されてもないのに勝手に空いてる席に座った、俺の後ろに。

「あ、言い忘れたけど・・・・」

後ろでやる気の無さそうな声が言った。


「そこのうるさいの、あんた死ぬから、頑張ってー」

 ・・え?その場が一瞬、無に帰った。


 「あー、あんたもなんだから、江藤 刈也<えとう かりや>」

そいつは、こういって、後ろに振り返っていた俺の顔を見てにっこり笑った。


 

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