第1話 出会い
桜嶺学園
桜の花びらが道に落ちる季節。最寄りの駅からスクールバスで20分ほどの場所にいきなり現れる門。
中高大一貫校である桜嶺総合学園の学園門である、桜嶺門。ほとんどの生徒は桜嶺門から出入りするが、大学生のために入学門というのが大学の校舎の前に設置されている。
長方形の敷地をしており、中には中高の校舎とグラウンド・体育館、大学の校舎と講堂、サッカーとラグビーが
できる芝生グラウンドなど施設が充実しているため、学生の大会などで使用されることも少なくはない。
1950年に開校し、戦後の教育形態の確立に貢献した。開校当初は中高一貫校だったが、1985年に大学を開校し、
中高大一貫校になった。今や他の地方でも系列校として、札幌・仙台・石川・名古屋・神戸・広島・松山・
福岡・那覇に中高一貫校として設置されている。
学園生活4年目の開始
入学式の日、1人の青年は白髪の少女に一目惚れをした。
青年の名前は村主タクミ。ここ桜嶺総合学園高等学校から入園しており、内部で大学部に入学した。
タクミ「今日は入学式か。16時からなんてさすが桜嶺だけだな。」
ダイスケ「早いなぁ。お前も大学生か。」
タクミ「早いよ。1、2ヶ月後には一人暮らしになるし、もしかしたら彼女ができるかも。」
タクミの父であるダイスケは元々桜嶺学園の教師として勤めていた。しかし、8年前のとある事件で病み退職。
なんとか精神を立て直し今は塾の社員講師をしている。
時間が近づき学園に行く道中、最寄りの駅からスクールバスに乗ろうとしているとき、ダイスケの目は前ではなく、乗車列の方に向いている。
タクミ「父さん、どうした?」
ダイスケ「いや、なんでもない。」
タクミも同じ方向を向くと、目が広がった。
乗車列に並んでいる少女にタクミは一目惚れをした。
入学式が終わり桜嶺門で写真撮影をし帰ろうとした瞬間、1人の女性がダイスケに話しかけてきた。
女性「すみません。私たちを撮ってくれませんか?」
ダイスケ「わかりました。」
ダイスケ・女性「あ。」
女性「ダイスケさんですか?」
ダイスケ「マイさん。」
ダイスケは動揺した様子だ。それもそのはず、2人は知り合いだからだ。
ダイスケ「なんでここに?」
マイ「娘の入学式で。」
少女「ねぇ、お母さん。まだ。」
マイ「この子が娘のマユです。」
マユ「黒崎マユです。」
そこに友人と話し終わったタクミが戻ってきた。
タクミ「父さん。この人たちは?」
ダイスケ「この人は同僚のマイさんと娘のマユさん」
マイ「どうも。お父さんにお世話になっています。」
マユ「どうも」
マイ「じゃあ同級生だね。」
ダイスケ「そうですね。2人で撮ります?」
マイ「いいですね。2人とも並んで。」
合図と同時にシャッター音がなる。
その後も親同士で話しており、バスに乗って駅に着いても話し、結果電車に乗ったのは駅に着いてから30分後だった。
家に帰ってマイさんたちの話を聞いたら、マイさんもシングルでマユさんを育てていたらしく、同じシングル同士でよく子育て話で盛り上がっていたらしい。
タクミは気がついたあの時一目惚れをした白髪の少女はマユさんだった。
2日後
大学の授業の開始日の朝。駅でマユさんと会った。
タクミは一瞬誰か分からなかった。マユさんがサングラスを取ってやっと気付いた。
マユは生まれつき目が弱く、母や医者から日中はサングラスをかけているように言われているらしい。
マユ「どうも2日ぶりですね。」
タクミ「そうですね。親同士盛り上がっていましたね。」
マユ「そうですね。一緒に行きませんか?」
タクミ「行きましょう。」
タクミ「マユさんは何学部ですか?」
マユ「国際学部です。タクミさんは?」
タクミ「僕も国際学部です。」
マユ「そうなんですね。もしかしたら同じ授業があるかもですね。」
タクミ「そうですね。あの後親からなんか聞きました?」
マユ「同じシングル同士だということ。小さい頃に離婚したこと。とか。」
タクミ「なるほど。話していたんだ。」
スクールバスは学園内に入り、大学校舎に着いた。
2人は話しながらガイダンスの教室に向かった。




