彼女のポーカーフェイスを剥がしたい!
「あれっ、雫さん待っててくれたの?」
「えぇ、おかげで立ち疲れちゃった」
「……委員会で遅くなるって言ったのに」
「それでも、君と一緒に帰りたかったから」
待っていた彼女である雫さん。
いつも通り、ふとした言葉でさらっと僕の心を奪っていく。
いつもながら、こんな言動をしてくる彼女には嬉しさもあれど悔しさも湧いてくる。
「むむむ……でも待たせちゃってごめんね」
「フフッ、冗談だから大丈夫よ。さぁ、帰りましょう」
急いで靴を履き隣に来た僕に対して、彼女は微笑みながら手を差し出してくる。
……こういう余裕のある行動が出来るのも「ずるい」と思うのだ。
僕だってそういうのしたいのにな……
という事を思いながらも、抗えないから手を握る。
そんな僕の様子を見て、彼女はより笑みを深くする。
悔しい、でも好き。
「それで、委員会の方はどう?順調そう?」
「うん、何とかなりそうだよ。でも、色々やらないといけないことが増えちゃった」
「あらら……大変だったらちゃんと人を頼ってね。君は何でもかんでも自分で解決しようとしちゃうから」
「分かってるよ。もう前みたいなことはしないから安心して」
「ならいいけど。甘えたかったらいつでも連絡していいからね」
……ホントに同い年か疑いたくなる程の包容力を醸し出してくる。
正直な話、こういう所に甘えるからダメなんだろうな。
でも、そんな人だからこそ照れさせてみたくもある。
そんな時、丁度彼女側の歩道に自転車が近づいてきていた。
話し込んでいたからか全然気づかなかったが、普通に危ない状況なので
「あっ、危ない!」
と、言い彼女の肩に手を置き、こちら側に寄せる。
いきなりの僕の行動に少し目を丸くする彼女だったが、後ろを通り過ぎる自転車を見て理解したようだ。
さぁ、ここで照れてくれたら良いのだが……彼女はニッコリと微笑んで「ありがとう」と言うだけだった。
いや、それでも十分嬉しいよ?
でも……うん、頑張らないとな。
そんな自分の行動に「はぁ」と静かにため息をつきながら、僕は雫さんと一緒に帰路に就くのだった。
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……ふー、危なかった~
……表情崩れて無かったかな?
不意にあんなことしてくるんだから、もー。
でもまさか、いきなりあんな事をしてくるなんて。
ビックリしちゃったけどカッコ良かったな。
本人には言ってあげないけどね。
覚えてるか分からないけど、この余裕な感じが彼好きって言ってたし。
このポーカーフェイス、続けないと。
皆さんこんにちわ 御厨カイトです。
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