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異世界ジビエ料理専門店  作者: 成夫
2/2

プロローグ2

あと一話ほど話が続きますがそれからが終わるとほのぼのが始まりますので

のんびりお待ちください。

 オレは目が覚めると、真っ白な空が見えた気がした。


 「目が覚めましたか?」

アニメに出てきてもおかしくないような可愛らしい声でそう呼びかけられた。


 オレは身体を起こしながら寝る前のことを思い出して、

「そういえばベッドで自殺したんだった。ってことはここは地獄って事?。」

と口に出してそういった。


 「なんて失礼な方なんでしょう。この神聖な空間が地獄に見えますか?」


オレはあたり一面真っ白なので神聖も何も分からないと言いたかったが、

 「そうは見えませんが。」と言った。


 「でしょう。そういえば自己紹介がまだでしたね。

私は神のミカエル。ミカちゃんて呼んでくださいね。」


ウィンクしながら可愛く言ってきたのであまり女性と話したことが無かったオレはドキドキしながら

うなずいた。


 「それでミカちゃんさん? どうしてオレはここにいるんでしょうか。自殺して死んだのですから

地獄に落ちると思っていました。」


 「それは善行を行って亡くなってしまった方は別の世界で、新たな生を与えることになるからですよ。って今自殺って言いました?」

ミカちゃんさんは戸惑ったように手に持っていた本を読み始めた。


 あの本にはオレのことが書かれているのかなと、そんなのんきなことを考えながらミカちゃんさんの言葉を待った。


 「ホントにあなたの死因は自殺になっていました。なぜあなたはここにいるのでしょうか?」


神様が知らないことをオレが知っているわけないので、「分かりません」ときっぱりと言った。



 「間違ってこっちに来れるはずはないし、ちょっと待ってね。今から確認するから。」

そういうと光ったあとに消えて真っ白な空間にオレ一人になっていた。



 それからどのぐらい時間が経ったかは分からない。

何も現状が分からないオレは座って神様が来るのを待っていた。


 「ただいま~。」

光ったと同時に可愛らしい神様の声が聞こえてきた。


 「どうやらあなたは善行と悪行のちょうど真ん中だったみたいなの。

間違って善人を地獄に落とさないために一応こっちに連れてきたって係の天使が言ってたわ。

それなら連絡しなさいよね。」

 少し不満まじりにそう言った。


 「善行と悪行はポイント制なんだけど、普通は必ずどちらかに傾くようになってるはずなんだけど

あなたは0だったみたい。こんなことは初めてだからどうしましょう。」

手を頬にあて考え込んでいた。


 「あなたの人生は確認させてもらって悪人ではないことは分かっているけれど、死因が自殺となるとそのまま転生させるのはすごく難しいのよね。ってなわけでこういうのはどうかしら

新しい世界に転生させてあげるから、そこで善行をして転生しても問題なかったという事を証明するのはどうかしら?」

オレに真面目な顔で聞いてきた。オレはそのことについて返事をしようとした時、まくしたてるようにミカちゃんさんは言った。


 「よしこれは決定事項ね。そうすれば私の仕事に問題はないし、案内した天使の責任を追及されることもない。」


 元から「はい」と言うつもりだったので問題はなかったのだが、あまりの剣幕に首を縦に振ることしか出来なかった。



 「じゃあこれからの転生についての概要を話すわね。詳しい話は省くけど善行ポイントによって

転生するときの特典が渡されるの。一番いいものだと記憶を持ったままの転生や、最強の力を持っての転生などがあるわ。けどそれは生前に相当な善行をしたものしか

無理なの。あなたはポイントがゼロなので何も渡せないの。」

悲しそうな顔でそう言った、と思ったら得意げな顔で


 「そこで私は考えたわ。もし何も与えずに転生して善行をしなかった場合、私が転生させたことの責任を取らなくちゃいけないの。だから記憶を持ったままそれなりの強さで転生させてあげるから、私が言う善行を成し遂げてきてほしいの。そうすればなんやかんやでみんなが幸せになれるのよ。」


 「分かりました。それでやってきてほしい善行って何なんですか?」

最後のほうの話は分からなかったが神のお願いを断る訳にはいかないので、すぐに了承した。


 

 「それはつまり、魔王退治です。」

ビシッとこちらに指をさしながら言ってきた。


 「魔王を倒して世界を救うという善行を成せば、誰も文句は言えなくなるでしょう。

それにあなたにも大きなメリットがあるのですよ。

魔王を倒せばあなたの願いを一つ叶えることが出来るのですよ。やる気になりません?」

セールスマンのように宣伝をしてきた。オレは家にいたことが無いのでテレビで見た感じなのだが。


 「自分にそんなこと出来るんでしょうか?生まれてからずっと病院生活で運動もしたことないのに魔王なんて倒せないと思うんですが。」

不安に思ったことを聞いてみた。


 「それなりの力を渡すと言ったでしょう。勇者ほどの力は渡せませんが、勇者の仲間としてついて行けるぐらいには力をあげますので頑張れるはずですよ。身体の使い方などの努力は必要になりますが・・・。」


 

 「分かりました。ミカちゃんさんの為にも頑張って魔王を倒してきたいと思います。

それで聞いておきたいのですが、魔王を退治した時の願いって前世のことでもいいんですか?」


 「前世の世界のことでも構いませんよ。両親のことでしょうか?」

慈愛の顔でこちらの顔をしっかりと見つめてきた。


 「はい。自分が気づけていなかった間に両親には多大な迷惑をかけてきたので、自分が生まれたことをなかったことにしたいんです。そうすればお金に困ることもなかったし、それに自殺して悲しませたことも心残りなので。」

オレは心残りを懺悔するようにそう言った。


 「分かりました。けど気が変わったらいつでも言って下さいね。まだ魔王を討伐するまに時間がありますからね。」

少し寂しい顔をしながらそう言った。





オレはその言葉の意味を理解したのは魔王を倒した後のことだった。





 


 

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