9回目 資源確保、産業地帯建設
初の戦闘。
その戦果。
こちらの兵器が効くという事実。
これらは政府首脳と日本人を安堵させた。
異世界の者達がことごとく蹂躙されていった。
それだけの事が出来る敵。
それへの恐怖があった。
だが、それはある程度払拭出来た。
敵は強いのかもしれない。
だが、無敵ではない。
それが分かっただけでも十分だった。
「これなら安全の確保も出来るだろう」
敵がやってきても、自衛隊で撃退出来る。
それが分かった事で、安心感も生まれてきた。
「異世界の資源採掘や開発を進めよう。
各企業や機関に連絡を」
政府は早速行動に出ていく。
資源の確保。
これは今の日本の最重要課題である。
その為に、いつでも採掘に赴けるよう準備をしていた。
その指示を受けた者達が動き出す。
とにかくすぐに必要になる資源。
それらを優先的に確保しに行く。
もっとも、どんな資源でもたいていは必要になる。
不要な資源などないほどだ。
その中でも、現在入手可能なものに手をつけていく。
中心となったのは企業だ。
これらは政府の連絡を受けると、早速動き出していった。
産業の停止を防ぐために。
そうなれば、企業の活動すら停止する。
企業としても、それは避けねばならなかった。
同時に、利益を考えての事でもある。
この世界においては、ほとんど手つかずになってる資源。
それらを手に入れれば、今後の経営において有利になる。
その為、安全が確保された地域には、様々な企業が参入をしていった。
幸いにも、資源は露天掘りが出来る所も多かった。
その為、長期間に渡る採掘などもさほど必要ない。
資源の確保はある程度順調に進んでいく。
自衛隊によって安全を確保された場所で、次々に採掘が行われる。
そして、採掘された資源を運搬するための道が敷かれ。
運搬用の鉄道も計画され。
それらを現地で加工するための施設建築も計画されていく。
資源地帯と、それらを運び出す港。
それらをつなぐ地域に、産業地域が生まれていく事になる。
それを異世界の者達は唖然として見る事になる。
次々に作られていく様々な施設。
それを作っていく見たこともない機械。
それらは異世界人の度肝を抜いた。