8回目 初手、空中戦
最初にやってきたのは、航空機だった。
何十という膨大な数。
それらが異世界の国に襲いかかってきた。
早速、派遣されていた航空自衛隊の第一陣が迎撃に向かう。
どうにか使えるようになった唯一の滑走路。
そこからF15戦闘機が離陸していく。
その数、8機。
決して多いとは言えないが、この場における最大戦力だ。
それを惜しげもなく投入していく。
「しかし、上手くいくのか…………?」
F15の操縦士達には不安があった。
はたして、異世界の敵に自分たちの攻撃が効くのか?
レーダーはちゃんと敵を捕らえるのか?
ミサイルは敵を追尾するのか?
ミサイルにしろ機銃にしろ、当たってちゃんと損害を与えられるのか?
そうした心配がどうしてもつきまとう。
だが、やるしかなかった。
効果があるのかどうか。
それを確かめる為にも戦わねばならない。
「損だよなあ……」
ぼやきも出てくる。
分の悪い賭けである。
そうであってもやらねばならない。
やらねば効果があるのかどうかも分からない。
それは分かっているが、それでも貧乏くじを引いたと思ってしまう。
だが、悩んでる暇もない。
レーダーでとらえた敵とは既に交戦距離に入ってる。
悩んでる場合ではない。
「全機、攻撃開始」
隊長からの指示が出る。
それに従い、F15からミサイルが飛んでいく。
それらは敵をとらえて追尾を開始していく。
次々に繰り出されるミサイル。
それらは確かに敵に向かって飛んでいく。
そして、敵と接触。
そのまま敵の反応をレーダーから消していった。
「よし……」
我知らずF15戦闘機の操縦士達は安堵した。
敵はレーダーで掴む事が出来る。
ミサイルもしっかり誘導出来る。
当たれば、敵を撃墜する事も出来る。
それが分かっただけでもありがたい。
なおかつ、ミサイルは全弾命中。
飛来した敵機は全て撃墜。
初戦は勝利で終える事が出来た。