7回目 拠点開発
派遣された陸上自衛隊は、ただちに行動を開始していく。
まず、目前まで迫ってる敵の先鋒。
これを撥ねのける為に布陣する。
戦車はもとより、対空ミサイルにレーダーなど。
必要と思われる様々な兵器を可能な限り展開する。
また、こうした戦力を動かすために必要な設備。
これらの設置も行われていく。
発電機に、燃料備蓄施設。
防御用の陣地もそうだが、まずこうした基本的な設備も用意される。
何せ、この世界にはこういったものが無いのだから。
この世界の文明水準。
これは産業革命前の段階だった。
石油や電気などありはしない。
水車や風車が動力の全てだ。
代わりに魔術という地球にはない力がある。
これらにより、一部は現代文明並な部分もある。
街灯やランプの代わりに灯りの魔術を使ったり。
マッチやライター代わりに、火の魔術が使われたり。
そういった部分は地球より優れてると言える。
だが、石油も電気もないから、これらを日本は自分で用意しなくてはならない。
なにせ、こういった資源の採掘などこの世界では為されてないのだから。
全て自力でやるしかない。
当面は日本にある備蓄を持ち出して。
それから、資源のある場所で採掘を始めねばならない。
時間と手間がかかる事になる。
だがそれも、まずは敵を退けてから。
それが出来なければ、採掘などおぼつかない。
その為に自衛隊陣地は、急いで防衛体制を作り上げていく。
陸上自衛隊だけではない。
航空自衛隊用の滑走路も作られていく。
まずは地面をならしただけのものを。
最低限必要なものだけでも用意していく。
平行して舗装された滑走路も作られる。
こちらは使えるようになるまで時間がかかる。
だが、着実に異世界における自衛隊拠点は出来上がっていった。
そうして拠点がそれなりに形になってきた頃。
敵の先鋒がやってきた。