6回目 生死・存亡をかけた決断
外交交渉の結果は即座に伝えられた。
衛星通信機で。
そして、会談内容を記録した録音機やビデオ。
これらがUS2飛行艇で届けられる。
「なんて事だ……」
これらを受け取った政府は頭を悩ませる事になる。
それはそうだろう。
事前に聞かされていた通り、この世界は戦争のまっただなか。
必要な食料や資源の輸入もままならない。
それを確保するには、侵攻してくる敵を撃退しなくてはならない。
何をどうしても戦争は避けられない。
食料や資源の確保をするには、敵を撃退しなくてはならない。
それを避けて、今回はなるように任せていたとしてもだ。
いずれ敵が迫ってくる。
その時には戦争になる。
時期が早いか遅いかだ。
「やむをえん」
決断は早かった。
日本政府はほとんど即座に自衛隊の派遣を決定。
敵を撃退し、必要な食料や資源の確保に乗り出す。
「とにかく食料も資源も確保しておかねばならん。
でなければ、我々は干上がり、飢え死にする」
産業がとまれば、それだけで日本は終わる。
様々な設備や機器を動かす燃料がなければ、文明は止まる。
否応なく、江戸時代の生活に戻ってしまう。
それは避けねばならない。
だが、今ならまだ余裕はある。
備蓄されてる資源や燃料がまだ少しはある。
それらがある内に動かねばならなかった。
即座に自衛隊の派遣が決まる。
まずは迫る敵の撃退。
これが急務である。
特に資源地帯に敵を寄せ付けてはならない。
その確保のために、確固たる戦力が必要だった。
その第一陣として、陸上自衛隊の部隊が異世界の大陸へと派遣される。
自衛隊の輸送艦に加え、国内のフェリーなどの旅客船。
これらが可能な限り動員されていく。