32回目 追い込み、追い込まれ
そうして追い詰められた来訪者達。
大陸に上陸した兵力のほとんどは消滅。
残りは司令部のある都市にこもったまま。
逃げだそうにも、それも不可能。
海には既に日本軍が展開している。
出航した軍艦はそれらによって全て撃沈されていく。
これは、別大陸からやってくる増援も同じ。
危機に陥った味方を救おうと繰り出される援軍。
それらは大陸に到着する事もなく撃沈されていく。
日本軍の軍艦に潜水艦、航空機によって。
大陸にいる来訪者達は、こうして孤立していく。
軍人だけではない。
入植していた一般人もだ。
逃げる事も出来ず、救助も阻まれる。
残ったわずかな土地にこもってるが、そこから逃げ出せる可能性はない。
それと対照的に、異世界人はようやく自由を取り戻した。
日本によって来訪者の軍勢が粉砕され。
奴隷・家畜扱いしていた者達が皆殺しになり。
ようやく本来の人間らしさを取り戻した。
大陸は本来の住人である異世界人の手に戻った。
生き残りはそれほど多くはないが。
場所によって違いはあるが、人口は以前の3割も生き残ってるかどうか。
これは全体の平均だ。
これよりも多く生き残ってる場所もある。
その逆に、壊滅的、あるいは本当に壊滅・全滅した場所もある。
それでも、生き残った者達は奪われたものを取り戻した。
それぞれが町や田畑に向かい、営みを再開させていく。
生活はかなり厳しいものになる。
自由と尊厳を取り戻しても、すぐに元の生活に戻れるわけではない。
そこから色々と立て直していかねばならない。
しかし、服従を強制される事は無い。
それだけでも解放された者達は幸せであろう。
来訪者達はそうではない。
生き残ることが出来たのは良い。
だが、現状の打開は出来ない。
救援も期待出来ない。
様々な物資も欠乏している。
食料など、手持ちを食い潰してる状況だ。
それらも消耗していくだけで回復する事は無い。
わずかな土地があれば、耕して少しでも食料を得ようとする。
もちろん、残った者達を養うには足りない。
だんだんと、残った食料の奪い合いがはじまる。
そんな来訪者達を、日本と異世界人は遠巻きにして見つめていた。
食料の消滅、それに伴う飢え。
それで敵が少しでも減るのを待つために。
最終的に攻撃はする。
それでトドメを刺す。
だが、数も体力も残ってる状況で攻撃するのも芸がない。
損害も増えてしまう。
それをおさえる為にも、敵が自滅するのを待つ。
時間はかかる。
だが、その時間を確保するだけの余裕もあった。
敵である来訪者達の動きは封じてある。
戦域も拡大してるわけではない。
逃げ込んだ場所を封じるだけで動きを止められる。
あとは敵が潰れてる間に状態をととのえる。
補給に補充に修理。
それらをこなしていく。
また、解放された地域の整備。
更に、大陸に作られた産業地域の発展拡大。
これらを平行して行う事で、国力を充実させていく。




