25回目 沈没を逃れて上陸、そして別の地獄へと向かう
敵の後方に上陸するという目標も達成できない。
予定された上陸地点にたどり着く事も出来ない。
後続の輸送船に乗ってる上陸部隊が無駄になる。
上陸するだけならそれほど問題は無い。
海岸線に沿って動いてるのだ。
陸に上がるだけならすぐにでも出来る。
だが、そこは来訪者達の支配する地域だ。
敵地に上陸するという目標は達成出来ない。
しかし、上陸予定地まで向かうことも難しい。
不可能と言って良い。
つゆ払いをするべき戦闘艦艇は次々に撃沈されている。
このままいけば全滅もありうる。
そうなれば、攻撃手段を持たない輸送船が丸裸になる。
「やむをえん」
艦隊司令は決断する。
このまま全滅して上陸部隊を壊滅させるわけにもいかない。
それこそ無駄になる。
「ここまでだ。
地上部隊を上陸させろ」
上陸地点に向かう事を断念する。
急ぎ、近くの海岸に地上部隊が上陸する。
大量に運び込まれた地上部隊は、当初の目的地より大きく手前で地上に上がる。
そして、陸揚げされた部隊は、自分たちの足で前線に向かう。
作戦としては失敗だ。
しかし結果としてみれば、これが無駄な損失を押さえ込んだ。
地上に上陸してる間にも来訪者艦隊は次々に撃沈。
最後は日本艦隊に攻撃を受けて壊滅していく。
その後、地上部隊を運んでいた輸送艦隊に接近。
これも残らず撃沈させていった。
だが、輸送していた地上部隊は上陸。
輸送艦隊の乗組員達も上陸して避難。
人の被害は皆無に押さえられた。
そうして生き残った地上部隊は、陸路で前線に向かう。
それが地上部隊の補強になる。
当初の目的を果たす事は出来なかった。
しかし、合流する事で地上侵攻部隊の増強になる。
これにより、海岸沿いの日本・異世界人防衛陣地は猛烈な圧力を受ける事になる。
それを考えると成功と言うべきだろう。
目的を目指す事無く地上部隊を上陸させたのは。
でなければ、艦隊どころか輸送している地上部隊も無駄に消滅させる事になっていた。
ただそれでも、日本・異世界人の防衛陣地を突破する事は出来ず。
結局、上陸した部隊も壊滅していく事になる。
戦線が硬直していく。
攻める側と守る側の力が拮抗し、そこから動かない。
膨大な数の来訪者軍を考えれば、日本・異世界人はよくやっている。
とはいえこれで終わりではない。
一見、拮抗したように見えるこの状況。
しかし、押し寄せる軍勢を日本・異世界人はしのいでいる。
後退はしてるが、決して破綻はしてない。
むしろ、責める来訪者達の方が、次々に数を減らしていく。
その間に日本は反撃の準備に入っていく。
次第に弱まる敵の勢い。
そこを突いて、待機していた戦闘団が打って出る。




