表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】日本が国ごと異世界転移して侵略者と戦うという割とありふれた話  作者: よぎそーと
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/143

22回目 敵兵の嘆き

「なんで、なんでこうなる?!」

 その戦車兵は、激昂するように叫んだ。

 彼の────来訪者の乗る戦車は、世界最高の能力を持つはずだった。



 来訪者達の持つ魔力を最大限に増幅する魔術機関。

 この魔術機関によって走り。

 増幅した魔力が防御の力場を作り出し。

 そして、魔力を固めた砲撃で敵を砕く。

 その威力はこの世界で十二分に発揮してきた。



 しかし、今それが通用しない。

 鉄の装甲と、魔力の力場は敵の攻撃を止める事が出来ず。

 一撃必殺の魔力砲の射程に近づく事も出来ない。

 せめて敵に接近できればと思ってしまう。

「それが出来れば…………」

 それが出来れば確実に敵を撃破出来る。

 なのに、全く近づく事も出来ない。



 もともと、おかしな状況ではあった。

 この星で残った最後の大陸。

 そこに侵攻した時点で何かが狂っていた。

 本来なら既に制圧完了していたはずなのだから。



 しかし、最後の大陸の上陸してから何年経つだろうか。

 制圧完了の吉報は全く届かず。

 それどころか、別大陸にいた彼らにも出動命令が下った。

 何がどうなってるんだと誰もがいぶかしんだ。



 そうしてるうちに、最後の大陸に集められ。

 事の次第を知る事になる。

 最後の仕上げに取りかかろうとしたら、強力な敵があらわれた事。

 それらにより、あらゆる侵攻作戦が失敗した事。

 ならばと、大兵力で敵に攻め込み、一気に制圧する事になった事。



 それを聞いても、誰もが半信半疑だった。

 まさかそんな事があるわけないと誰もが思った。

 だが、出撃してこうして敵に接近すると、それが事実だったのが分かる。



 敵に全く近寄れない。

 近づけば確実に撃破される。

 その事に、来訪者である戦車兵は恐怖をおぼえた。



(次は自分が?)

 撃破されるのは自分かもしれない。

 そう思った。

 今まで感じたことのない恐怖をおぼえた。



 だが、この戦車兵は運が良かった。

 仲間が次々に撃破される中でも、奇跡的に生き残る事が出来た。

 敵の防御陣地の近くまで接近する事が出来た。

 戦車に搭載されてる魔力砲の有効射程まで近づけた。

 あとは魔力を撃ち出すだけ。

 狙いをつけて、引き金を引く。



「くたばれ!」

 叫びながら魔力砲を放った。

 狙い通りにそれは、敵の戦車に向かっていく。

 赤く長く伸びる光は、そのまま敵の戦車に当たった。



 当たって、はじかれた。

 装甲の表面で火花のように散っていった。

「え?」

 思わず間抜けな声が漏れた。

 そして。

 狙った戦車に狙い返され、撃たれる。

 戦車兵は、自分が死んだことに気付かないまま、戦車ごと撃ち抜かれて破裂した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




他作品紹介もこめて

なんかこの話が取り上げられることもあるので

http://mokotyama.sblo.jp/article/189305005.html

最新話の大一部分はこっちになるのかな?
こっちでも紹介されてるようなので、ついでに
http://mokotyama.sblo.jp/article/189304996.html

とりあえず、全体でこちら
http://mokotyama.sblo.jp/


________________________

投げ銭はファンティアで随時受付中

【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/fanclubs/478732
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ