134回目 知識や情報の回収
来訪者の首都制圧には時間がかかる。
なにせ広い。
人手がいくらあっても足りない。
探知機を使っても、手間はかかる。
いっそ爆破してしまえば楽なのだが。
出来るなら来訪者の文物なども手に入れたいという思惑もある。
相手が何を考えてるのか、どういう思考をしてるのか。
それを知る為にだ。
来訪者の技術や知識を得たいというのもある。
魔力を使う魔術知識や技術。
それは目を見張るものがある。
それらを手に入れれば、日本・異世界の更なる躍進もありえる。
そのため、これ以上の破壊活動は避けたいところだった。
既に核攻撃をしてて、多くの建物が破壊されてるのだから。
もちろん問題もある。
言語の違いは大きい。
来訪者の言葉は日本語と違う。
異世界人の言語も日本語と同じなので、来訪者との共通性はない。
その為、記録や文章などを読み取るのが難しかった。
とはいえ、全く読めないわけではない。
魔力を用いた翻訳。
これである程度の読み取りは出来る。
正確に言えば、サイコメトリーと言うべきだろう。
書かれた文物に込められた思い。
それらを読み取っていく。
そうする事で、書かれた内容や言語の意味を知っていく。
そこから文字や文章の意味などを解読する事も出来る。
そうして、魔術に頼らない解読が出来るようになっていく。
時間はかかるが、そうして来訪者の残したものを読み解いていく。
これがやりたいが為に、時間をかけて首都攻略をしている。
この必要がないなら、空爆で更地にしていたところである。
それが地下にこもる来訪者の余命を、ほんの少し延長する事になった。
もっとも、延長したところで、生き延びる事は出来ないのだが。




