11回目 防衛に徹する日々
日本が必要な体制を作り上げていく。
それを敵が黙って見ているわけもない。
日本が産業地域を大陸に作ってる間、敵も攻撃を仕掛けていた。
飛んでくる何十・何百という戦闘機。
大地を進む、多数の戦闘車両。
それらは日本が作った防衛線に襲いかかっていく。
だが、突破する事が出来た敵は全くいない。
敵戦闘機には、増強されたF15戦闘機とF2戦闘機が対抗する。
数は多いが、基礎的な能力で劣る敵機は、日本空軍の保有するこれらに対抗出来ない。
ミサイルはもとより、機銃による接近戦でも日本側に軍配があがる。
速度も旋回能力も探知能力も日本の方が上なのだ。
負ける訳がない。
最近では、ミサイルの節約のために、あえて接近戦を挑むほどだ。
接近しても勝てるのに、わざわざミサイルによる長距離攻撃をする必要も無い。
ミサイルの生産が追いつかず、備蓄数を気にしなければならないからでもある。
ここが日本の泣き所である。
地上においても同じような状況になっている。
接近してくる地上部隊は、まずは攻撃ヘリからの攻撃を受ける。
敵戦闘車両は、これらによって大半が撃破される。
なお、こちらも備蓄数を気にして、対地ミサイルよりも機首の機銃を多用している。
敵の撃破にはそれで十分すぎるほどだからだ。
戦車や装甲車なども同じように活躍していく。
攻撃ヘリで撃退出来なかった残りを、これらが駆逐していく。
敵の射程外から一方的に攻撃が出来るので、簡単に撃退できる。
ただ、日本側の戦車砲だと、攻撃力が過剰すぎるのが問題になってしまう。
敵戦車の装甲は薄い。
戦車を使うほどでもない。
機関砲でも十分撃破出来る。
となると、砲弾を使うのがもったいない。
装甲車で十分じゃないか、となってくる。
もちろん、装甲車では撃破される心配も出てくる。
攻撃力は十分でも、防御力まで高いわけではない。
敵戦車を撃破できなければ、接近されて撃ち抜かれる可能性はある。
敵はそれを可能にするほどの数を繰り出している。
確かに一つ一つはそうたいした脅威ではない。
だが、大量に押し寄せれば、撃破仕切れないものもでてくる。
その為、敵の攻撃を受け止める盾として、戦車は用いられている。
だが、実際に射撃をする回数はだんだんと減っていっている。
敵をある程度接近させて、装甲車の機関砲で撃退した方が節約になるからだ。
このような調子なので、防衛そのものはどうにかなっている。
どれだけ押し寄せても、敵を払いのける事は出来る。
その為、一時的だが異世界のこの大陸は、ある程度は落ち着いてきた。
しかし、敵は次々とやってくる。
決して気が抜けるわけではない。
この状況を覆すために、日本も異世界側も動き出していく。




