19.後日談
後日談と言う名の蛇足
雑誌インタビュー
「その人の醸し出す雰囲気、その全てですね」
―――では続いて恋愛観などについて伺っていきたいのですが…指輪をされているということは、ご結婚されているんですか?
秘密にしているわけではないですよ?
3年前に結婚しました。
―――そうなんですね!奥様との馴れ初めをお聞かせ願えますか?
出会いは妻の職場…ということになるのかな?
―――曖昧なんですか?
覚えていないということではないんです。
ただ、その時から3年くらいはずっと話したこともなくて…妻の休日に偶然街で会った時にやっと初めて話したものですから。
―――そこからは一気に恋愛に!?
一気にかはわかりませんが、まぁ。
―――そこも曖昧なんですか?
いえ、自分の恋愛のことを話すとなると色々余計なことまで思い出してしまって…。
よくもあんなことできたなぁって。
―――ということは小野さんの方からアプローチを?
ええ、そうです。
10歳の年の差もあるし、自然に任せていたら全然距離が縮まらないことには実績があったので、随分と強引でした。
―――10歳差!縮まらない距離にめげずにガツガツ行く気概!よっぽど素敵な奥さまなんですね。
それはもう!
―――惚気も盛大ですね。奥様のどこに惹かれた、あるいは結婚の決め手ってなんだったんですか?
なんだか前半のインタビューよりも熱が入ってますね。
―――きっと読者も誌面の前で「はよ!」って言っていますよ!
(苦笑)そうですねえ…ええと、雰囲気、ですかね?
―――雰囲気、と言いますと?
ええ、そうですね。
その人の醸し出す雰囲気、その全てですね。
―――全て、ですか?
なんだか納得いかないって顔をしていますね。
―――失礼しました!いえ、雰囲気に『全て」と使われることがなかなかないように思えて…意味を掴み損ねてしまいました。申し訳ありありません。
ああ、確かにそうですねえ。
出会ってから8年、立場も年齢も関係性も変わって、当然雰囲気も違っているんですが…やっぱり私は妻のことがそういう意味で好ましいと思うし、どんな雰囲気もそれは妻だなぁと思うんです。
そして今までなかった感じが現れても、それは変わったっていうんじゃなくて、やっと出てきたんだなって思うんです。
でも、それも今まで足りなかったんじゃなくていつでもそれは完璧に妻なんですよ。
そうだなぁ、イデア界にいる妻から漏れてくる妻の………
耐えきれずに雑誌を閉じて、読んでしまった事に深く後悔した。
高校時代からの親友とも思っているヤツが、遥か遠くのエイリアンに思えた。
知ってる限り、こいつは普通に恋愛して、ほどほどに遊んで、知ってるどんな彼女にも人間にも物事にもこんな偏執的な執着はしていなかったのに…
ちょっと前も奥さんを連れてきて変なことを言っていたし。
確かに奥さんは雰囲気のあるキレイな子だった。
でもだからってヤツの元カノの中にはチラホラもっと美人も身体がいいヤツもいたのに、正直「なんでそこまで?」って感じだ。。
出来心でもう一度チラっと開いてみると「妻からは『ヤンデレストーカー』の称号を…」とか見えて、慌てて閉じた。
この後インタビュアーはどう収拾をつけたのだろうか。
そしてどうしてこれを削るという選択をせずに載せちまったのか。
その手腕と勇気に感服する。
最後にちょろっと出てきた吉瀬視点でした。
小野曰くの「色々余計なこと」に本編が丸っと括られてますね(笑)
そして理々子へのこわい執着。
本編中ではなんやかんや言っていましたが、理由などない事が判明!
むしろ理々子のヤンデレメーカー疑惑。
まぁインタビューに正直に答えるのかは謎ですが(どっちやねん)




