スケルトン、旅に出る
軽い暇つぶしで書いている小説です。
楽しんで読んでもらえると幸いです笑笑
スケルトンの旅を見て、スケルトンを好きになってあげて下さい。最近、ゴブリンとかエルフとかばっかり人気な気がするので笑
此処は、人間と魔物が数万年もの間
争い続けている世界。
そんな世界の端っこに、魔王にも人間にも相手にされないような雑魚モンスターが暮らす、小さな小さなダンジョンがあった…。
ケリー『このダンジョンもボロくなったな…。』
ダンジョンを散歩しながら俺は言った。
あらゆる所にヒビが入っていて、少しでも衝撃が加わると一気に崩壊してしまいそうだ。
俺はケリー。このダンジョンで一万年、静かに暮らしてきたスケルトンだ。
何故そんなに長い間此処に居るかというと、他に居場所が無いからだ。此処には、俺のように魔王に捨てられ、人間たちにも相手にされないような雑魚モンスターが沢山いる。
スケルトンの中でステータスが最も低かった俺は、仲間たちに中レベルのダンジョンを追放され、行き場を無くして此処にきた。
最初の頃は此処でも群を抜いて弱かった程の俺だが、今ではこのダンジョンのボスとして、君臨している。
何故かって?不死身だからだ。
どんなに弱くても、一万年も生きていれば、少しは強くなるものだ。
ちなみに不死身の理由はアンデットモンスターだから…だと思っていたが、実は違う。
それを知ったのは、つい最近のことだ。
ステータスを測る魔法陣が各ダンジョンに一つ存在するのだが、それが最近アップデートされた。
最初は全く興味がなかったが、知り合いのスケルトンが死んで、俺もそろそろと思っていたのに五千年近く立っていることを思い出して、昔の技術では測れなかった隠しスキルなんかを自分が持っているのでは…という淡い期待と、今のステータスがどれぐらいかの確認のために、測ってみたんだ。
そしたら、案の定俺には"永遠の命"と"不老"とかいう隠しスキルがあって、ステータスも、全部SSになっていた。
ステータスの方は、昔はSSが最高だったが、魔法陣のアップデートで真ん中ぐらいの評価に変わったのだろう。俺に最高評価が出るなんて、まずあり得ないからな。
引きこもっていただけで特に修行とかはしていないし、腹が減ったら適当にその辺の動物を狩って食べていたぐらいだ。退化するならまだしも、能力が強化されるなんて事があったらおかしいだろう?(笑)
あ、そういえばスキルがもう一つあったような…まあ特に優れたスキルでもなさそうだったからいいか。
それにしても、俺にあんな使えそうな隠しスキルが二つもあったなんて驚きだ。これを誰かに自慢したいが、此処に居る雑魚モンスターに自慢しても意味がない。俺を追い出した奴らの所に戻って、自慢してやろうかな…。どんな顔をするだろう…そう考えると、居ても立っても居られなくなった。
だから今、俺はこのダンジョンを出ることにした。
此処にはどうせ誰もこないし、ボスの俺がいなくなっても問題ないだろう。さらば、俺の一万年分の思い出の詰まったダンジョン…。
部下に何か言われても面倒くさいから、俺は早朝、みんながまだ寝ている頃に出発した。
いつもダンジョンに迷い込んできた動物を狩って食べていたから、直に太陽を見るのは数千年ぶりだ。
外の景色は、昔とだいぶ変わっていた。誰もこないからか、完全に荒れ果てている。外から見ると、もうダンジョンは植物に覆われ、何もいないかのように見える。
ケリー『俺はこんな場所で長い間暮らしてきたのか…。』
不意に様々な感情が心の奥から湧き出てきて、涙が溢れそうに……なりたいところだが、こんなボロダンジョンにいい思い出なんて一つも無い。
まあ、長いこと住まわせてもらったんだし、お礼ぐらいはしないとな…。
ケリー『修復』
ゴゴゴゴゴ………
これはちょっとした修理魔法だ。四千年前ぐらいに食べた動物の腹の中に入ってた魔道書を見て覚えた。これでちょっとはこのダンジョンもマシな見た目になるだろう。
ケリー『よし、出発だー。』
我ながら気の入っていない掛け声を出して俺は出発した。
一万年ぶりに見る外の世界は、びっくりするほど明るくて、果てしなく広い。もっと早く旅に出ておけば良かったかなと一瞬思ったが、どうせ死ぬことも老いることも無いなら、何も関係が無い事に気付いて考えるのをやめた。
ケリー『さあ、まずは何処へ行こうかな…』
一人旅で寂しいから、適当に思ったことを口に出してみたものの、それはもう決まってるんだったな。
まずは俺を追い出した魔物にでも会いに行って、スキルの自慢でもしてやろう。
その後は適当にブラブラして、新しい住処を探すのも良いな。
この辺りには俺がいたダンジョン以外魔物の住処は無いから、とりあえず移動するか。
暇だし、久々の外を楽しみたいから徒歩でゆったり移動しよう。
スタスタ…(ケリーが歩く音)
その辺に生えている植物や、虫、動物を見つけるたびに観察したりしながらゆっくり移動していると、川に着いた。
ケリー『喉乾いたな…ここで一旦休憩しよう。』
俺は川の水を掬って飲み、川辺にあった大きめの石に腰かけた。
目の前の川は流れが速く、よく見ると魚が泳いでいる。あれは美味そうだな…。そーいえばこんな時に便利な魔法があったような…そうだ!
ケリー『捕獲』
俺が呪文を唱えると、目の前を泳いでいた魚が俺の手にワープしてきた。この魔法は確か、百年前ぐらいにダンジョンを襲ってきた盗賊ゴブリンから奪ったものだけど、あんな雑魚がこんな便利な魔法を使えたなんて驚きだな。
さて、この魚どうやって食べようかな…やっぱ魚は塩焼きが一番だな!
一瞬で自問自答した後、俺は早速調理に取り掛かった。調理とは言っても、塩かけて焼くだけだが…。
火の魔法を使って高火力で内部から焼いて5分程度で塩焼きを完成させた俺は、魚にかぶりついた。プリプリで、魚の嫌な臭いや、バサバサした感じは一切ない。川魚本来の旨味に、薄い塩味がマッチした最高の塩焼きだ!と、まあ食レポはこのぐらいにしておこう。
かなり遅い朝飯を済ませた俺は、川の水を少し飲んだ後、川を飛び越えて先に進んだ。跳躍力には自信があるのだ。軽いから。スケルトンだから。
それと、ここでみんな、疑問に思ったところがあると思う。それは、塩焼きって、塩持ってないんじゃないの?っていう疑問だ。
大丈夫、俺は大体の調味料は持ってきているのだ。大きなリュックに、ダンジョンにあった分を詰め込んでおいたからな。
みんなの疑問も解決した俺は、また色々な物に目移りしながらも、更に歩を進める。
読んでいただきありがとうございました。
評価とか反応が良ければ続きを書いていくので、是非よろしくお願いします。
少なかったり悪かったら、更新頻度も文字数も少ないと思います笑笑




