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8016J列車 北の玄関

 晩ご飯は上野駅に行ってから食べた。入ったお店の場所は京浜東北線と山手線が走る高架橋の真下に設置されたお店で、列車が通過する度に上からほどよい振動が来るところだった。

 ご飯を食べ終わると再び上野駅に戻った。「北斗星」が出発するのは13番線ホーム。頭端式になっているホームがすらりと並んでいる中で最も左側にあるホームだ。だが、その13番線ホームには「北斗星」の姿はない。まだ入線時間ではないのだ。電光掲示板には19時03分発「北斗星3号」札幌行きの表示が出ている。

 他のホームでは2階建ての車両を組み込んだ長い列車が入れ替わり立ち替わりに出入りし、慌ただしい。だが、「北斗星」の来る13番線にはそんな慌ただしさはなく、線路一つ挟んだだけでここまで雰囲気が変わるものかと思えるほど違う。

「ねぇ、「北斗星」はまだ。」

「まだみたいね。」

「智暉、前に行こう。機関車見に行こうか。」

「うん。」

お父さんについて僕は13番線の前の方へと歩いた。

 18時30分を過ぎてしばらくすると建物の陰からブルーの車両が入ってきた。19時03分発「北斗星3号」札幌行きだ。なぜか、先頭は機関車ではない。

「何で、機関車が先頭じゃないの。」

「んっ、機関車は一番後ろで客車を押しているんだよ。力持ちだからね。」

「押してるの。引っ張ってるんじゃないんだ。」

そう言う頃には、あたりを大きい音が包んだ。先頭の客車が横を通り過ぎると熱風が僕たちを襲ってくる。熱風の後はゆっくりと、静かにブルーの客車が続いていく。大きい窓が整然と並んだ車両。小さい窓が2断交後に配置されさっきの車両の大きい窓よりも大きい窓を備えた車両。他のブルーの客車とは明らかにイメージが違う食堂車。食堂車の隣に連結された流れ星が塗装されたソファーばかりのロビーカー。そして、これらの客車の後ろに連結されている濃い赤色の機関車EF81。

「智暉、ほらほらそこ立って。」

お父さんはそう言い、EF81の近くを指さした。入線してあまり時間は経ってないが、かなり多くの同じような人たちがEF81をバックに写真を撮っている。その人たちが写真を撮りおわるのを待って、僕も「北斗星」とのツーショットを取って貰った。


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